かよこちゃんへ

こんにちは

涼しいですね。

このまま秋になるのがいいな。

もう暑いのはうんざりだ。

どうなりますかね。

さて今日は写真はありません。

私も春秋を重ね、過去を冷静に見つめることが

少しはできるようになってきました。

過去を見つめ、明日を夢見て、楽しく今日を生きる。

今日の私は「時の旅人」

手紙その1



かよこちゃん。お元気ですか？

随分とご無沙汰しています。

私がふるさと秋田を出てからもう４０年以上経ちました。

一度百合丘のお姉さんのお宅で会いましたね。

妹の結婚式を機に両親と交流を再開しました。

その時あなたはたしか男の子を抱いていましたね。

東京でご主人と３人暮らしだと聞いたことがあります。

ご子息は大きくなられたでしょうね。

僕のほうは、８つ違いの妻と二人の娘。

長女はシングルマザーです。

孫娘がいます。４歳です。

次女は専門学校の３年生。デザイナーを目指しています。

オスの７歳のヨークシャーテリアがいます。

桜文鳥もいます。

にぎやかな日々です。

父は２０年前に肺がんで亡くなりました。

母は東北大震災の年に亡くなりました。３月の末でした

８５歳で心不全でした。

僕は今埼玉県の蓮田市に住んでいます。

庭付きの１戸建てです。

職を転々としたのちに公共事業の下請けの仕事をしました。

ダムや道路の建設で支障となる建物等の調査算定です。

２級建築士の資格も取りました。

リストラされそうになったので独立しましたが、

なかなかうまくいかず、四苦八苦しながら生きています。

母の死後相続の関係でもめました。

私にはもうあの土地は必要ありませんでした。

維持管理するのも大変ですから。

秋田にいた妹がなかなか協力的ではなく、

苦労しました。

結果としては、秋田にいた次女が土地と建物を所有し、

仙台の長女と私が現金を分けました。

嫌な思いとしこりが残りました。

体のほうは年相応です。

寒さの冬は身をすくめ、

暑さの夏はうなだれてます。

ああごめんなさい。

自分のことを一方的にべらべらといい過ぎましたね。

僕はかよこちゃんに会いたいんです。

何年か前に田舎でおばさんに会って、

元気にしてますか？会いたいなといったんです。

そしたらおばさんが、今は調子が悪いので後にしてくれ。

詳しいことは聞きませんでした。

その後おばさんも具合が悪くなったらしく、

年賀状が来なくなりました。

母が老人ホームに入ってからは田舎に行くことが少なくなりました。

実家には次女の家族が住んでましたから。

昨年相続が決着して、僕が帰れる実家はなくなりました。

仕方ありません。ふるさとは遠くにありて・・・などといいながら

故郷を捨てたのは自分ですから。

そんな僕が思い出すのはあなたのことです。

僕たちはおさな友達として、小学校まで手をつないで歩きましたね。

つながされたんですけどね。

それがもとでいじめられたり、からかわれもしました。

学校に近づくと手を放してましたね。

懐かしいな。

僕は秋田から出たくて出たくて仕方がなかったんだ。

東京に出たんだ。

人並みの苦労をしてここまで来た。

この頃はよく振り返るんだ。

あいつはどうしたろう、あの時は大変だったななんてね。

そして、かよこちゃんに会いたいなってね。

元気な顔を見たいなって。

望郷の念なのかな？

会いたいね。会えるといいね。

でも強制はしないよ。

友達だもの。

かよこちゃんにも事情があるかもしれないし。

いいよ。会えなくとも、返信くれなくても。

僕が一方的に自分の気持ちを述べてるだけだから。

かよこちゃん、元気で生きていこうね。

僕も頑張るから。

必ずだよ。

なんだかまとまりのない文章になってしまったけれど、

迷惑だったかもしれないけれど、

手紙書きたくてね。ごめんね。

元気でいてください。かよこちゃん。

そしてそして今度また生まれてきても、おさな友達でいようね。

　　　　　　　　　　かよこちゃんへ
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　おさな友達ののぶちゃんより