無題そのさんびゃくななじゅうなな

バイト先近くの本屋が来月閉店するらしい。
二年ほど前に、バイト横の本屋が閉店し、本を買ったり、立ち読みしたりしていた、休憩中のオアシスがなくなって以来、いくつかの本屋を渡り歩いて、ようやく腰を落ち着けた、言わば約束の地だったのだが、またまた放浪しなければならない。

折からの出版不況で、どんどん本屋が閉店に追い込まれているが、本を一冊つくるのに、どれほどの時間と労力がかかっているかを知っているだけに、現在の状況は忸怩たる思いはある。面白い本をどれだけ作ろうと、売る場がなければ意味はない。ネット販売があるにはあるが、本屋ほど偶然の出会いがあるかは疑問だ。

演劇もそうだが、直接足を運んで出会ったものの方が、同じ内容でも、必ず印象に残るはず。ポールマッカートニーのライヴも、映像では伝わってこない部分を生で感じた。本屋での出会いが、ネットでは得られない感動をもらえると、一人でも多くの人に知ってもらえたらと願っている。