ここ数年の意識潮流として、農業への期待と、注目が集まっており、それはますます強くなってきているということが挙げられます。テレビや新聞のみならず、若者向けの雑誌にも農業の特集が組まれているのを目の当たりにすると、これからの農業は可能性いっぱい!と期待してしまいますが、シビアな現実はまだまだあります。
先日の露店で、そんな期待と不安の両面について語り合う機会がありました。
先日一人の男性が来店しました。
彼はもともとIT関係の仕事(自営・企業の下請け)をしていたが、最近の経済危機により取引先の企業の業績悪化から取引が少なくなり、IT関係の仕事を辞め、就農しようと動き続けていたとのこと。
彼との会話の中でで、企業が農業をする 「類農園」 の可能性を改めて気づくことができました。彼は就農するにあたり、元々自然食品や有機農法に興味があったこともあり、特徴的な農法で知られる某氏に弟子入りするため、4回ほど直談判してお願いしたが断られたとのことでした。
その時の、彼から聞いた農園主の言葉(思い)を列挙すると
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・自分のことで手一杯なのに、弟子をとることなどできない。
・君を弟子にすることは君の人生の責任を負うということ。そこまでの自信はない。
・現にこれまでもそのような要請はあったが全てお断りさせていただいた。
・メディアに説明する為に「弟子」という言葉を使っているが、私は今一緒に農業をしている人達に対して弟子という感覚は持っていない。強いて言うならば、同じ農業に携るパートナーという感覚。
・君のように全く農業を知らない人に教えることはできない。
・そもそも、農業はそんなにやさしいものではない。農業をやりたいという気持ちだけでは続かない。
etc.
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その農園主は、今の農業に従事する人の中では一番有名な人といっても過言ではありません。しかし、農の多面的機能(人材育成、教育、集団(地域)再生etc.)までは目が向いていないようです。
これから経済状況は悪化していく中で、誰もが必要と認める「農」に対する関心は高まっていきます。したがって、彼のように新しい仕事としての「農」(=就農希望)へと向かう意識も加速してきます。
しかし、受け入れ先はほとんどないというのが現状です。
⇒改めて、路上で企業集団として「農」を担う「類グループ」を打出し続けていくことに可能性を感じます。幸いなことに 「農への関心が高まっているのはなんで?」 のボードが各露店にありますので、できるだけ設営で掲げてみて、寄ってくれたお客さんの意識を掴むことをやってみてください。
野菜を育てて出荷するところならたくさんある。
でも農業の可能性ってそれだけじゃない。
農業を通して、(農や食に止まらず)社会を良くしていく。
これが、類農園のもっている可能性なんだなって思います