父の日のプレゼント
これを娘達からもらった。
何かと思いきや“黒のストローハット”である。
いつもゴルフの時にかぶっていくキャップがどうもダサいと忠告されていた。
スキー用か釣り用のキャップみたいで、頭の大きな父親には似合わないとのこと。
実は、仲間からも評判が悪かった。
「また、その帽子かぶってきたの」とか「他にいっぱいもってるでしょ」とか。
まあ、みんなを楽しませるために“あえて”かぶっていってるのに。
そういえば最近カジュアルにこだわっていないな。
波乗り行くときみたいなラフな格好ばっかりである。
「おじさんなんだからもう少し気を使えば!」と詰られる。
自分は若いつもりでも傍はそうは見てないようだな。
自分らしさと、自分の姿を完全に見失っているのかもしれない。
気を使わないということは自分を大事にしていないのかな。
いつもデートに行くわけではないのだからと思ってしまう。
そんな心根がセンスを蝕んでいくのだろう。
ちょっと反省しながらも、いつもの格好で街に飛び出した。
ストレイトジーンズに五大陸で買った白いチェックのシャツ。
「あ、そうだ。アイロンかけてないからかな。 アンダーシャツが丸首でダサいのかも」
「う~、めんどくさい。」
そう言いながら下の娘が近くの居酒屋で夕食に付き合ってくれた。
ありがとう。
そこに偶然、会社の店長が一人でふらりと現れた。
昨日、仕事のことでいろいろ面倒なことに巻き込んだ彼だ。
「部長、昨日はすいませんでした。」
こちらが悪いのにひたすら謝るので、恐縮してしまう。
「いや~、システムの考慮不足だったんだから、こちらのほうこを迷惑をかけました。」
そんな会話をしながら話が弾み、一緒に連れてきた娘をほったらかしに。
しかし、彼は、友達が作ってここに納めている“スイートコーン”。
「これを是非お土産にもって帰ってください。」と娘に。
彼に気を使わせた。 ここでもありがとう。
遠慮なくもらって帰った。
こんど、倍返しで彼に報いよう。