スカウトは、ある場所からほかの場所へひそかに情報を伝えたりお互いに信号をし合ったりすることが上手にできなければいけない。
□ 狼煙についてあれこれ(その1)
ボーイ隊の6月のテーマは『狼煙(のろし)をあげろ』である。
狼煙(のろし)は、煙を上げ、それを離れたところから確認することにより情報を伝達する手段である。夜間など煙が見えない場合は火そのものも使われる。
特徴としては人や馬が手紙を運ぶよりも遠距離を高速に情報伝達できる。リレーすることで、距離も伸ばすことができるなどである。
欠点としては天候に影響される。基本的に煙の有無だけなので伝えられる情報量が限られるなどである。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用)
写真は2005年おかやま国体で行われた狼煙リレー
のろしの起源は明らかではないが、古くから敵の攻撃を知らせることなど戦の合図に使われた。戦国時代に最もよく使われ、歴史的なのろし台の跡を今でも各地で見ることができる。
『戦国時代の武将武田信玄。その武田軍といえば騎馬隊の強さが象徴的ですが情報戦略においても非常に優れていたと言われています。
間者(いわゆるスパイ)を育て、烽火(狼煙)による情報通信ネットワークも整備しました。
狼煙自体は古くからありましたが、「甲斐は盆地がすべて峻険な山岳に囲まれていて、その盆地の中央からやや北の隅に武田館と、その後詰めの城である積翠寺の要害が設けられていたから、館から八方に通信網と道路網が張りめぐらされていて、狼煙の規模と精緻さは、他の追随を許さないものをもっている。」だそうです。』(戦国時代のインターネットから引用)
さて、のろしは、漢字では「烽火」、「狼煙」と表記される。
しかし、なぜのろしを狼の煙と書くのか?
それは、古くはオオカミのフンを燃料としたからである。
肉食動物の排泄物には、尿素、アンモニア、アミン類を多量に含み、それが長時間風雨にさらされると酸化し、土中の硝酸バクテリアによって硝酸塩に変化する。 これは、火薬の原型になるものだ。
オオカミのフンを燃すと、その煙は風があっても真っすぐに上昇すると伝えられているが、この硝酸塩の作用によるものである。
戦国時代に書かれた「築城記」でも、『のろしはかがりを焼く如く木を積みておくなり、用のとき火を付る。狼のふんをくぶるなり』とある。
ただし、硝酸塩は水溶性なので、雨に打たれたフンでは効果は無く、常に新しいオオカミのフンを捜し求めていたそうだ。
硝酸塩
自然界には硝石(硝酸カリウム)として存在している。古代から黒色火薬(火薬)の製造につかわれ、分解して酸素を発生するので瞬間的に強力な燃焼(爆発)をおこさせる。ほかに、肥料、金属を熱処理するときの薬剤、食品添加物などの用途がある。(MNSエンカルタから引用)
≪参考≫
ロックなオオカミ…狼煙 http://www3.ocn.ne.jp/~snowwolf/wolf/story/smoke.htm
煙を作るには、乾いた細い棒や小枝をたくさん使って普通に火を起こし、よく燃えたら、その上に青葉や青草、湿らせた枯れ草をのせて煙を出す。
濡れた毛布でその火をおおう。毛布をどけて煙をあげ、再び毛布を火の上にかける。上げる煙の大きさは、毛布を取る時間の長さできまる。短い煙を上げるには、2つ数える間毛布を上げ、かけて8つ数える。長い煙を上げるときは、約6秒毛布をあげている。(SFBから)
次回は、狼煙という名の町について…スカウトの君なら知っているあの場所のそばにあるぞ!!
次の次の金曜日まで待て
もっともっと狼煙のことを知りたい君に贈る本
『烽(とぶひ)の道 古代国家の通信システム』
シンポジウム「古代国家とのろし」・宇都宮市実行委員会他編 青木書店 定価3,150円 ISBNコード4-250-97042-6