漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

平和賞に家康?

2021年11月26日 | 国際情勢

日本でノーベル賞と云えば、
誰もが知るほど名誉も権威もある賞ですが、

科学など学術系の賞に比べ、
平和賞などには疑問の声が出ることもありますね。

それは各国の政治的立場によるからでもあるが、
和平の立役者が平和主義者とは限らないこともあるのでしょう。

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エチオピアのアビー首相が、
政府軍と反政府勢力との戦闘が続く

北部ティグレ州の前線に到着したと、
同国政府系メディアが今月の24日に報じた。

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アビー首相は三年前当時、
長らく揉めていた隣国エリトリアとの和平を実現したとして

ノーベル平和賞を受けた政治家。

それが今度は内戦鎮圧のため、
最前線へ赴いたと云うのですからただ事ではない。

もともとエチオピアは多民族国家で、
その部族数は10もあるのだそうですが、

アビー首相は、
その中の多数派オロモ族の出身、

アビー首相以前のエチオピアは、
少数派であるティグレ族が首相を出し実権を握っていたのですが、

しかし、その後の力関係は逆転し、
それまで権力の中心にいたティグレ族は相次いで要職を追われるという事態に。

これに不満を高めたティグレ族の反政府運動が過激化し、
ついに昨今では首都を脅かすまでに。

かくて三年前には平和賞を受けた首相が
戦闘の最前線へ出張ると云う事態になった分けですが、

このアビー首相はまだ45歳、
過去には、軍事独裁政権を相手にティグレ族と共に反政府運動を戦ってもいる。

つまり、ゲリラ側にも属したことのある人物。

平和賞を受けた人物だからと云って、
ただおとなしいだけの平和主義者ではない。

いかにノーベル賞とはいえ、
平和を生み出すヒーローには、

厳しい戦いを経た人物が多いと云うのは、
我が日本の徳川家康を見ても分かりますな。

 

 


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