漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

タダより高い・・・

2010年05月10日 | Weblog

昨年、世をあげて「政権交代」に沸いていたころ、

つまり、テレビに登場する文化人の方々が、
「これは明治維新以来の大革命だ」などと興奮し、

マスコミに限らず、社会一般に、
子供手当てや高速道路の無料解放などの公約を好感して、
「民主党の政権で世直し・大歓迎」のムード一色だったころのことです。

我が同居人ドノが、
親しいご婦人方と近所のファミレスで昼食会を開いた。

主婦ばかりの集まりとあって、
子供の結婚や孫の話、ご近所の噂話など、
いつもの話題が続いたが、そのうちに”めずらしく”「政治の話」が出た。

処が、当時の世間の風潮と裏腹に、誰も嬉しそうな顔をしない。

中のひとりが、
「あれもタダ、これもタダ、
 おカネもくれる、言うたかて、そんなん信用できヒン、
 そんなことばっかり言うてて、誰がカネ払うのよン、なぁ」

と切り出したのがキッカケ、

「そうやワ、どうせタダほど高いモンは無いネンやから、
 ゼッタイあとから請求書が来るに決まってるヤン」

「なんや、このごろのテレビ見てたら、
 タマゴ一円、洗剤一円言うて 年寄り集めといて、
 ムチャクチャ高い羽根布団売りつけるインチキ商売と同じに見えるわ」

「ホンマやワァ、結局、税金上げるか、インフレにするかだけやん、ナァ」と、

そこで、政治の話はオシマイとなったのだそうです。

あとでそのことを聞いて、
「案外、大阪のオバチャン達は、見るトコ見てる」と感心した覚えがあります。

今日の新聞に、
「鳩山内閣の支持率が24%」とあるのを見て、ふとその時の話を思い出しました。

ここ何十年か、物価は上がらず、
おカネの値打ちは下がらず、若い人はインフレの恐ろしさを知らないでしょうが、

戦後や石油ショックのころの体験のある者にとって、
「インフレ」は、税金よりも怖い、ごく身近な恐怖なのです。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。