漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

雪よ山よ、オイラは行かねぇ

2017年03月28日 | せけんばなし
きのう、栃木のスキー場の奥で、
山岳部の高校生たちが、登山講習中に雪崩に遭い、

八人が死亡、ほかにも多数が負傷、と云うニュース。

今日の新聞を読むと、
雪崩注意報も出ていたようだし、

雪も一昨夜の内に30センチ以上も積もっていたそうだから、
ラッセルと云う雪を掻きわけて進む訓練には、無理があったかもしれない。

しかし、参加した生徒50人ほどに対し、
先生が10人以上もいたそうだから、返って違いに頼り合い、

中止の決断がしにくかったのかもしれない。

親たちとしては学校や先生を信頼し、
安心して送り出していたとすれば、無念の思いは強くなろう。

私に、本格的な登山の経験はないが、
山村の育ちだから、自然が危険なことはよく知っている。

だから、少しでも「あぶないな」と思えば、
山にも川にも、近寄らぬことが一番の対策だと思っている。

どだい、山家育ちは、
余程に天気のいい日でなければ、山に登らない。

何日も前から予定を決めて・・などと云う、
天気の分らぬうちから日取りを決めてしまうような山行きは、子供の選択肢にはない。

もちろん、雪の降る季節に山に入ったりしないし、
山仕事に慣れた大人たちでも、冬山には入らない。

入るのは、この季節に慣れ、
しかも山の隅々まで知っている猟師ぐらいのことだ。

だから、好んで危険な雪山に挑む人の気持ちが、
私には分からないし、分かりたいとも思わない。

従って、世間の人が英雄視する植村直己さんなど、
私の眼には、

頼まれもせぬ危険を冒し、
かってに死んだ人にしか映ってないから、

遭難を聞いても同情する気にはなれない。

むしろ、
そんなに命懸けの冒険がしたいなら「家族など持つなよ」と思ってしまう。

だからもし、私の息子が、
「山岳部に入る」などと言いだし、

反対しても言うことを聞かぬ、となれば、
その時点で「いつ遭難しても仕方ない」と覚悟を決めるよりないのだろう。








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