先日来の報道で、
野田首相が「TPP参加を掲げて解散総選挙に打って出る」と云うのがあった。
TPPに参加するのがいいのか悪いのか私には分からない。
しかし、まぁ、
貿易を自由化すれば双方の国民が豊かになるのは間違いないらしい。
それは過去の歴史が証明している、と経済学者は云う。
ジョセフ・ヒース著、
「資本主義が嫌いな人のための経済学」の中にこんな一節がある。
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アメリカで自動車を生産するには二つの方法がある。
一つはデトロイトで生産する方法、
もう一つはアイオワで栽培する方法だ。
アイオワで自動車を栽培するには、
小麦をトヨタ車に変える特殊技術を活用する。
小麦を船に乗せて、太平洋へ送りだすのだ。
しばらくすると船はトヨタ車を積んで戻ってくる。
小麦を太平洋で自動車に変えるこの技術は「日本」と呼ばれているが、
それはハワイの沖合いに浮かぶ先進的なバイオ技術だといってもいいだろう。
いずれにせよ、
デトロイトの自動車メーカーの労働者が
直接競争しているのは、アイオワの農民なのである。
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これを「日本で米や牛肉を生産するには・・・」と書き出していけば、
「日本の農民が競争しているのは日本の輸出産業なのである」となろう。
尤もこれは、農産物貿易が自由化され“たら”の話で、
しかも、日本の農業の場合、
TPP参加によって、
「巨額補助金」が増えても、
削られることは無かろうから、この通りには行くまいが・・・。
まぁ、いずれにしても、
外国に食料を頼るとなると、戦争はできなくなりますナァ。
だって昔から云うじゃないですか、
「腹が減っては戦はできぬ」と。