漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

春の椿事

2017年03月08日 | スポーツ
もう50年以上も前、
「サイケ」と云う言葉がはやりましてね、

麻薬の一種、
LSDによる幻覚をイメージしたようなファッションや音楽、

「サイケデリック」の略です。

そのころ、「ハプニング」と云う言葉もはやりました。

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【ハプニング】
1 思いがけない出来事。突発的な事件。

2 偶然的な出来事を呈示し、その効果を追求する音楽家・美術家の前衛的芸術運動。

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その当時、
アメリカ生まれのその言葉に飛びついたテレビ局が、

どこかの空き倉庫で、
アングラ劇をやってたようなニイチャンを、スタジオに連れて来てね、

「さぁ、ここで、今流行のハプニングを見せてくれ」とやったんです。

乞食みたいな恰好のニイチャン、困ってしまってね。

「ハプニングなんて、こんな風にするもんじゃないんだ」とかなんとかぶつぶつ言いながら、

それでも金を貰った以上、仕方がない、
奇声を発して、呪文のような歌を歌ったり、

奇妙な踊りとも云えない、
LSDで幻覚が出てるような動きをして時間を潰してました。

それから半世紀、

サイケは死語となったようですが、
ハプニングと云う言葉はまだ生きてるんだ、

少なくとも私の記憶の中では、と、夕べの野球を見ながら思いました。

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昨夜、東京ドームで行われた、
WBSの第一戦、

同点で迎えた4回2死二塁、
山田の打球はスタンドに入るかと思われたが、

観客が打球をキャッチしたため、
審判団による検証の末、二塁打となった。

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四万人以上が総立ちとなって、
「ホームランか」と見送った打球は、

スタンドから中学生がさし出したグラブにすっぽり。

映像で見ると、
中学生は飛び上がって喜んでましたが、

判定でホームランを取り消されると、
周囲からのヤジもあって、

以後、
「青ざめた表情でフードを目深にかぶったまま」だったそうな。

心ウキウキの野球観戦が一転、
「天国から地獄へ」と云うハプニングでしたが、

この場面を見ていて、
「とんだハプニング」と思った私は、

すぐに、我ながら、
「何とマァ年寄りくさい」と思いましたね。

でも、少年クン、
今朝の日刊スポーツにある写真を見ると、

君がつかまなくても、
ボールはスタンドへ入らず、跳ね返って二塁打だったようだよ。

ま、何にしても日本が負けずに良かったね。










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