漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「フランケンシュタインがゾロゾロ」

2018年06月27日 | せけんばなし
私の若いころ
川沿いの幹線道路わきにあった建材屋さん、

当時ですからネ、
土建屋さんや大工さんが出入りするようなプロ相手の店、

ある日そこに「DIY」の看板が掲げられ、
以後、どう見ても素人と思われるような人や乗用車が出入りするようになった。

それから何年もせぬうち、
あちこちに「ホームセンター」と名乗る巨大店があらわれ、

ついには、プロでさえ、
「こっちの方が安いから」と、そこで工具を買うような時代となった。

その時の看板「DIY」は、、
素人が、自宅の修繕や簡単な家具なら、自分で作る、と云う意味の英語、

「ドゥイットユアセルフ」の略で、
つまりは日曜大工のことだったそうです。

先日のテレビで、
日曜大工のように「遺伝子操作を実験する」、と云う、

「DIYバイオ」と云うのを紹介してました。

番組タイトルは、
「あなたが夢の発明の主役?DIYバイオ最前線」

その宣伝文句です。

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遺伝子の改変など、
最先端のバイオテクノロジーの研究を、

市民が行う“DIYバイオ”が、欧米を中心に急速に広がっている。

遺伝子解析のコストが大幅に下がったことなどから、
日曜大工感覚で気軽にできるようになったのだ。

裾野の広がりは、
新薬の開発などイノベーションにつながると期待される一方で、

生命倫理に関わる実験をする人が現れるなど心配な事例も。

大衆化するバイオテクノロジー。
その最前線をお伝えする。

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番組のなかで、

自分の体を実験台にしていると云う、
元NASAの生化学者が、

「もしDIY遺伝子操作が一般的になったら、
 世の中はどんな世界に?」という問いに対して、言ってました。

「私にとって、その世界は『ブレードランナー』のようなものになるでしょう

私は将来、
今の人がタトゥーを入れに行くような感覚で、
筋肉を強くしたり髪の毛や瞳の色を自由に変えるための遺伝子を注入する時代が来ると思います」

そのハリウッド製のSF映画
「ブレードランナーは、以下のような話。


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21世紀初頭、遺伝子工学技術の進歩により、
ある会社が、レプリカントと呼ばれる人造人間を発明した。

彼らは優れた体力に、創造した科学者と同等の高い知性を持っていた。

しかし、
彼らには製造から数年経つと感情が芽生え、
主人たる人間に反旗を翻す事件が発生する。

そのため、最新の「ネクサス6型」には、
安全装置として4年の寿命年限が与えられたが、

脱走し人間社会に紛れ込もうとするレプリカントが後を絶たなかった。

彼らを判別し見つけ出した上で
「解任(射殺)」する任務を負うのが、警察の専任捜査官「ブレードランナー」であった。

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番組を見てた我が同居人ドノは、
「なんか、怖いね、」との感想でしたが、

この実験、
なにしろ、以前は実験装置に何億円もかかったが、

近年、急激にその値段が下がり、
素人で“DIYバイオ”に手を出す人が増えたことによる、

量産化の恩恵もあり、
二十万円程度の予算があれば、アパートの部屋の片隅でも、

草花や肉片の遺伝子を、
「切ったりつないだりの加工実験」が、できるようになったそうで、

実際、日本人にも、
趣味として、“DIYバイオの実験”をやってる人は多いのだそうです。

まぁ、この際、
ことの良し悪しは置くとして

自分の子だって、
遺伝子操作のやりようによっては、

ノーベル賞学者や
エンゼルスの大谷君のようになれる可能性があるとしたら、

この実験、

かってのホームセンターのように、
あっという間に広がるのかもしれない。

もっとも悪くすれば、

人造人間の失敗作
「フランケンシュタインがゾロゾロ」、と云う危険もありますが。



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