漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

メール対手紙

2013年11月02日 | せけんばなし

十日ほど前かな、
意外なことに、
現代女性は「メールより手紙を大事にする」と云う調査結果が報じられていた。

このことを思い出したのは、ある随筆を読んだから。

その著者のお孫ごさんが学校で、
「あるテーマを決めて賛成と反対に別れ、討議するディペイトと云うのをやった」そうで、

その時のテーマは、「メールがいいか、手紙がいいか」。

その場で、メール派の子が、
「手紙は時間も紙も切手もムダ」と云ったのに対し、

お孫さんは決然と立って、
「じゃあ、あなたはせっかく貰った手紙を読んだら捨てるの」と反論したのだそうである。

「よくぞ言った」と喜んでいるお婆ちゃんの顔が浮かぶような随筆だったが、

しかし、近頃は、こんなことを小学生でもやるんですねえ。

そう云えば、ある人が書いていたが、
「父が大好きだった私は、
 父が戦死したと聞かされた時から、
 父のことを思いだすのがつらくて、
 父との思い出につながる物をまとめて箱詰めにして、倉庫の奥にしまい込んだ。

 時は流れて、
 古くなった家を建て替えることになった時、
 倉庫を片付けていると、
 古ぼけた木箱の中からひとまとめにした手紙の束が出てきた。

 それは戦地から届けられた父から家族への手紙で、
 読み返すうち、父と今は亡き母への思いがつのって涙が止まらなくなった」と云う文章に出会い、読んでるこちらも胸が熱くなった記憶がある。

たしかに手紙には、
メールにはない「物として残る」と云う機能があるんですよね。

だから、五十年前のラブレターだって読み返すことが出来る。

ただし、
「奥方に読まれて修羅場となる」ような危険もありますけどね。 (笑)







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