漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「若気」と「若気る」

2019年07月25日 | 言葉遊び
きのうのネット辞書、
検索ランキングの二位が「若気る」

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【若気る】にやける

1 男が変にめかしこんだり、色っぽいようすをしたりする。
2 俗に、にやにやする。口許がゆるんで笑顔になる。

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「補説」として、
文化庁による平成23年「国語に関する世論調査」では、

「なよなよとしている」の意味で使う人が14.7パーセント、
「薄笑いを浮かべている」の意味で使う人が76.5パーセントと出ている。

でも この言葉、
もともとはチト違う意味がありましてね。

それは、
「若気」と云う言葉を引いてみると分かる。

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【若気】にやけ 《古くは「にゃけ」か》

1 男が派手に着飾ったり、媚(こ)びるような態度をとったりすること。また、その人。

2 男色を売る若衆。陰間(かげま)。

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古来からある男の同性愛は、
女人禁制の寺社会、坊さんの間で盛んだったが、

戦国時代になると、

武将に仕える「美少年の小姓」が、
女性の居ない戦場での相手となることがあった、そうな。

一例をあげれば、
織田信長と若き日の前田利家などは有名。

当時のそれは、
武家社会だけに、かなり男っぽいモノだったようで、

江戸時代、
武士の手本として書かれた「葉隠(はがくれ)」には、

互いに想う相手は一生にただひとりだけ」

「相手を何度も取り替えるなどは言語道断」


また、相手が
人間として信用できないような浮気者だったら、

付き合う価値がないので断固として別れるべきで、
 怒鳴りつけてもまとわりついてくるようであれば、切り捨つべし」
とあるそうな。

井原西鶴にも
「男色大鑑」と云う著書があり、

これも様々な衆道が描かれていてケッコウおもしろい。、

日本の「性的少数者」の歴史も、

なかなかに深くて長い伝統がありますな。 (笑)


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【衆道】しゅどう
《「若衆道 (わかしゅどう) 」の略》

 男色。しゅうどう。


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