漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

究極の自然

2012年03月17日 | せけんばなし

私には、あるクセがあって、
信号待ちしている時など、次々と通り過ぎる車を見ながら、

「もし、今、地球上から人類が消えたらどうなるんだろ」と考えるんです。

人が居なくなって2・3年もすれば、
アスファルトを破って草がはびこるだろうし、公園の樹木も鬱蒼としてくるだろう。

犬や猫も野生化してウロウロしているかもしれない。

さらに十年後、百年後、・・・どうなってるんだろう。

処がその答にヒントをくれるようなドキュメント番組が最近あった。

チェルノブイリの原発事故以来、
付近は立ち入り禁止になり、人が住まないように、建物なども破壊されたのですが、

そこへ定期的に入って観察している生物学者たちが居る。

その報告によれば、
放射能によってその地域から駆逐された生物があれば、
逆に、対応して放射能に対する適性を増しながら生き残っている生物もいる。

野鼠などはその際たるもので、
奇形も殆どなく、生体個数を維持しているし健康、

放射能に対する抵抗力さえ付けて環境に順応しようとしている。

ただ、渡り鳥など何種かは、
精子の異常やそのほかの理由によりこの地域では見られなくなったと云う。

放射能の影響については、
まだまだ途中経過にしか過ぎないが、

ただ、見た目だけで云えば、
人間の手の入らぬ事故から25年後の風景は「自然そのもの」に見える。

人間がいては共生し難い熊なども住むようになっており、
食物連鎖が自然に働いて、全体の個体数をバランスよく維持しているように見える。

この番組を見ながら、

自然を取り戻そうと運動する人々の求める「究極の自然」は、
ひょっとしたら「地球上から人間を追放する」ことで可能となるのかもしれないな、

なんぞと、チョッと思った次第。








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