漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

眺むる人の心にぞすむ

2011年09月28日 | せけんばなし

このごろ新大関が、
日ごろ聞きなれぬ言葉を引っ張り出すのが慣例のようになってますねぇ。

それにしても「万理一空」ですか、
なるほどネ、「何処まで行っても青い空」・・・な~んてネ、

そう云うことじゃなくて、
ご本人の説明によると宮本武蔵の言葉だそうで、

「一切の迷いのない状態を意味する」のだそうです。

処で、これにチョッと似た表現に、
浄土宗を開いた「法然さん」のこんな言葉がある、

「月影の いたらぬ里は なけれども 眺むる人の 心にぞすむ」

なんでも、コレ、
ありがた~いお経の中にある言葉を、
法然さんが分かりやすく歌にしたものなんだそうです。

月の光の届かぬ処はないけれど、
月を仰ぎ見る気があってこそ、月の光も心に沁みるのだ。

つまり、仏の救いの手は誰にでも差し伸べられているのだが、
そのことを信じて念仏を唱えてこそ極楽へ行ける・・・・・、

と云うような意味あいでして・・・。

それにしても、
「ナムアミダブツ」と唱えさえすれ、

誰でも極楽へ行けるのだよ、とは、ナンと御手軽な教え。

でも、この手軽さが、
平安末期の飢饉や地震、戦乱の相次ぐ平安末期の時代、

人々の心をつかむんですネェ。

法然さんを見ていると、
難しい言葉を百万言ついやすよりも、

珠玉の一言が光り輝くことがある、と、思いまするよナァ。






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