ヨルダン軍パイロットの写真を持って後藤さんが送ってきたメッセージでは、29日の日没時を期限とするヨルダンにいる死刑囚(ホテル爆破テロ関係)と後藤さん本人の人質交換だと報じられた。それまでに死刑囚が解放されないとヨルダンパイロットが殺害されると、日本のテレビは伝えた。
それが、いつの時点かで、死刑囚と交換されるのはパイロットの方で、後藤さんは脇役のような報道に変わった。だが、どのテレビ局の解説者も、この変更を掘り下げて追跡しようとはしていない。何らかの申し合わせか、指示があったのか、気になる所である。
日本人の殆どは、左も右も、後藤さんの解放の一日も早いことを願っていると思う。イスラム国集団が身代金要求を取り下げた経緯も解りにくい。発表できない事情もあるのだろうが、とにかく後藤さんが無事で且つ早期に解放されるような政府の対応が期待される。これを奇貨として自衛隊派遣論の前進を図ることに反対する訳ではないが、時期的にみて、今それを論じるのは、後藤さんの命を危うくする危険をさえ、生み出すのではないだろうか。今は後藤さんの救出を超優先して考える時ではないか。
また気になる投書として、日本がヨルダンに対策本部をおいたことに疑問を呈する向きもある。ヨルダンは中東の中でも日本と最も深い付き合いのある国の一つだが、いわゆる有志連合に参加して空爆を始めている国でもある。そのため、当初、白紙の立場で湯川、後藤両氏に対する二億ドルの身代金要求だったイスラム国の要求が、ヨルダンの関与によって在ヨルダン死刑囚や既に拘束中のヨルダンパイロット交換の問題を発生させる、あるいはすり替えさせる原因を作った。このため、金銭要求が一転して、拘束者の交換釈放の問題に変わり、事態を複雑化させた、という見解である。この見解が、たとえばヨルダンでなく、トルコであることを意味するものかどうかは書かれていないが、単なる身代金要求であるならば、問題がここまで複雑化することは避けられた、というのである。もっとも「テロには屈せず」の原則を理由に湯川、後藤両氏を見殺しにする場合には、より大きな不幸を招いていたかもしれないが、・・・・・とにかく評論家諸氏の解説にも奥歯に物が挟まったようなところがあり、そのまま諸氏の本音が語られているかどうかは判らない。結局、国民は、拘束者が無事釈放されるよう、政府の努力を待つ他はないのだろうか。
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