中国株バブル、これから下げる可能性は?
THE PAGE 8月6日(木)7時0分配信
中国株ショックから約1カ月が経過し、市場は多少、落ち着きを取り戻しつつあります。過度に悲観する必要はないという見解がある一方、バブル崩壊を懸念する声も依然として根強く残っています。中国市場の今後についてはどう考えればよいか。
中国は、かつての高度成長期の日本のように猛烈なペースで成長を続けてきました。GDPの絶対値ではすでに日本の2倍の規模がありますが、豊かさの指標である1人あたりGDPは、依然として日本の5分の1です。つまり、中国経済には、まだまだ成長余地が残っているわけです。
しかし成長余地があるからといって、先進国と同じ水準になるまで一直線に成長できるとは限りません。急激な経済成長には様々な歪みが伴いますが、中国はGDPの絶対値が大きすぎるため、その影響が多方面に及んでしまうのです。2000年頃からは平均で10%を超える経済成長が続きましたが、2012年からは成長ペースが落ち始め、現在では7%成長をどのようにして維持するのかが当局にとっての課題となっています。
10%成長だった経済が7%に落ちてしまうと、中国の場合、30兆円もの金額的インパクトがあります。成長スピードがちょっと減速しただけで、日本の国家予算の3分の1ほどの金額が機会損失となってしまいます。一方で、年7%の成長は今も続いており、これは先進国からみれば驚異的な成長スピードであることに変わりはありません。中国経済は、成長ペースの鈍化で大混乱となっているものの、相対的には高い成長が続いているという、非常にちぐはぐな状況にあるとみてよいでしょう。中国株の動向を考えるにあたっては、こうした特殊事情についてよく吟味することが重要です。
今回の中国株の上昇は間違いなくバブルといってよいものです。上海総合指数は6月に7年ぶりの高値となりましたが、7年前といえばリーマンショック前の好景気がピークに達していた時期です。このときの株価と成長が鈍化した現在の株価が同水準というのはやはり無理があります。
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