私の始めたデイサービス

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花屋のデイサービス-無念追悼

2008年05月26日 | 日本生活介護
練馬区にあるデイサービスコスモスがつぶれました。
このデイサービスは、80代の花屋のおじいさんが、もう花屋はきついのでできれば、区内の他のデイサービスを利用している奥さんのお世話をしながらやりたいって一昨年開設した小さなデイサービスです。
おじいさんは、デイサービスを花で飾りたいとコスモスという名前をつけ、花壇をつくり、バラ風呂やフラワー教室などたくさんのアイデアを持っていました。
そんなデイサービスでも中々運営には苦労していたようです。半年たっても1年たっても、損益分岐点に到達しませんでした。
職員の人たちは、「練馬一のデイサービスを目指す」としてシステム化や研修には熱心でしたが、軽度の人は受けても重い人は断っていました。営業もあまり熱心ではなかったようです。それどころか、少し黒字の展望が見えるとすぐに待遇改善の話になったそうです。
多分もう経営的に耐えられなくなって閉鎖したのだと思います。あとは借金が残ったと思います。運転資金だけで1千万以上の赤字を出し、全部借り入れだったそうです。
閉鎖の直接のきっかけは、職員が労働組合を結成したことにあると聞いています。どのような対立点だったのか具体的にはわかりませんが、職員が練馬区に相談に言って、役所からたしなめられたという話も聞きました。
どうして、金持ちでもない経営者とそこまで対立したのでしょうか。花屋は資本家で、資本家であれば労働者の要求に応えないのは許せないということでしょうか。

小さなデイサービスはみんなで協力し合いなければうまく行きません。どこかにボタンの掛け違いがあったのでしょう。
私は、スタッフが、経営者を素人だからとしてなめた結果だと思っています。誰からも干渉されずに自由に仕事をして、それでも、自分たちは資本に搾取された労働者であり、資本家は許せないと思っていたのでしょうか。
そんなにいやならやめればいいのに、やめないで闘うということは、そこが「練馬一のデイサービス」で、利用者が喜んでいるからということなのでしょう。だったら、経営者が倒れたのなら、自分たちで運営を引き継ぐのならまだ立派だと思いますが、そんな気もないようです。結局はリスクをとらないで、現実離れをした権利を主張した結果だと思います。単純に言えば花屋さんは食い物されたのだと思います。
最後は弁護士が閉鎖の連絡を職員にしたそうです。もうそこには信頼関係のかけらも残っていなかったのでしょう。
もう花屋さんとは連絡もつかなくなりました。もう少し、もう少しと我慢して花屋の利益をつぎ込んできたのに。気の毒でなりません。