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猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

短編の名手 高橋 留美子

2008年09月04日 11時19分35秒 | マンガ家名 た行
 トップ写真は 満天さん にお借りしている 高橋 留美子氏 の短編集・傑作選など。

 男性作家でも女性作家でも確かに短編の上手な漫画家さんはいると思う。もちろん、そうでなくともその人のマンガ全般が面白くないというわけじゃない。長年長編を連載し、話が面白く続いて人気が落ちず、しかも大団円をうまくまとめてこれぞ名作 ! と言われる作品 (はて、あなたはいくつ思い浮かべられる ? ) をものしながら短編はちょっとね、という方もおられよう。

 本のページ数が多くなった昭和40年以降は読み切りといっても何十ページもあるから短編というよりも中編になっていて、前中後編+読み切り1つでコミックス1冊分になってしまうものもある。短編と言ったら、8ページ・16ページ長くてもその倍くらいか ?

 私が上手だなと思っているのは、(あくまで主観) 女性では 水野 英子氏、萩尾 望都氏、上の写真の 高橋 留美子氏、山下 和美氏 や 吉野 朔美氏 もなかなか。最後の二人は短編の連作ものが良いかな。
 男性では SFショートの藤子 不二雄氏、石ノ森章太郎氏の初期少女マンガ、あすなひろし氏、 最近の男性作家さんはよく知らないのでごめんなさい。

 短編では起承転結のしっかりしたお話はもちろん、やはりオチが重要だと思うわけで、短いうえに納得させられるオチがないものは印象にも残らない。上記の皆さんは皆ふたひねりも三ひねりも練りに練ったお話で読者をその世界に引き込んでしまう。それがシリアスでもギャグでもほのぼのでも、人の心に残っていく。


 そこで今回の高橋氏だけれど、上の主に青年誌に発表された一連の作品達はかっこいいヒーロー・ヒロインは皆無で、この手のマンガ本をよく読んでいるような中年サラリーマン男性やその奥さんが主人公のことが多い。お腹のたるんだ、さえないサラリーマンやら、家事に姑にご近所付き合いに疲れた奥さんたち…。
 しかもお話は日常に起こりそうな家族間の設定・状況の中で起こり、でもちょっとないかな~、あるかな~くらいのところがまた上手いなと思うんだけれど。

 女性の側から読んでいると、こんな生活感のある短編をよくぞ青年誌に発表してくれたな、女性の立場や家庭の仕事を厭味じゃなく描いてくれたな、男性だって大変だよな、といろいろ思う。あまりジェンダー論は言いたくないが、高橋氏が女性だから描けた作品だ、と言いたい。

 高橋氏には少年誌で何年も連載された 「犬夜叉」 とか 「らんま1/2」 とか 「めぞん一刻」 とか 「うる星やつら」 とか先ほど私の言った 長年長編を連載し、話が面白く続いて人気が落ちず、しかも大団円をうまくまとめてこれぞ名作 !  がいくつもある。
 でも最近の彼女の本質はこのような、ファンタジーではない現実の生活から浮かび上がる人生の機微を映した見事な短編にあるのだと思う。
  tooru_itou さんお勧めの 「赤い花束」 では涙がこぼれました。

 ↑ すみませんm(_ _)m  tooru_itou様のお薦めは 「専務の犬」 で 「赤い花束」 ではありませんでした。(コメ欄に tooru_itouさんよりご指摘いただきました。) 大変失礼いたしました。

 高橋 留美子氏は、ストーリーテラーで絵もうまい、本当のマンガ家さんだと感心する。

 
 いやさ、同じところをぐるぐる廻って楽しい 「王家の紋章」 も嫌いじゃないけどね。 -終わるんだろうか、終わらないと思うけど。- 子供の時から読んでます ! 細川先生ファンです ! これからの展開も楽しみです ! あわわ。。。。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いや~トミーさん (満天)
2008-09-04 11:50:49
いい記事でんな~~~(ホレボレ~笑)
見事に高橋留美子氏を言い当て
しかもトミーさんのご意見もキッチリ
実に素晴らしいレビューだと思いますだ
何時も思うんだが…トミーさん書評が上手いです

絵が上手な漫画家さんは沢山いらっしゃるが…
ストーリーを上手く纏められる作家さんは
小説の世界でも本当に少ないです
今、私は石ノ森氏の「ゴルフ」の本を読んでいますが
漫画家なのに文章がすこぶる上手い(笑)
ストーリーテーラーとして確立している理由が
ハッキリと出ておりますです
なるほど…ここに彼の短編であっても長編であっても
最後はチョンっと終わる力があるんだな~っと(笑)

高橋留美子氏も小説やエッセイを書いても
十二分に行けるのじゃないか?っと思っています
人間観察のエキスパートって感じがします(笑)

私としては
川原泉・惣領冬実もココに入れたい気がします
今市子・萩尾望都・水樹和佳子さんは…
面白いんだけど…解らん時がある(アハハハハハ)
もちろん「私が」であって(笑)
ちゃんと解って読まれている方も大勢いるでしょう

「王家の紋章」…ハハハハハハハ
私はこういう漫画を勝手に「演歌漫画」と呼んでます
(アハハハハハハ)
返信する
生きているうちに、「王家」が完結しますように! (すず)
2008-09-04 14:51:17
 私も高橋留美子さんは短編が巧~い!と思います。写真にある「Pの悲劇」の”鉢植え”の話なんて、リアリティ有り過ぎですよ(苦笑)ただ、長編作品もあそこまで面白いので、高橋さんの場合はもう”天才作家さん”なのではと思います。

そして満天様と同じく、川原泉さんに一票。それと遠藤淑子さんにも一票です。昔から、長編は無理だよな~と思っていたお二方ですが、何回か(たぶん編集部に言われて)挑戦なさっているんですが・・・やはり短編の方が無理のない作品になってます。
返信する
そんなおほめのお言葉。 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2008-09-04 17:21:41
 満天様
 図に乗るからそんなに褒めないで~
 満天さんこそいつもゲラゲラ笑っちゃうブログを毎日のようによく書けるなあと感心してますのに。

 もうちょっと長く書きたかったんですが、勉強不足でこれぐらいしか思いつきませんでした。ルーミックファンにはもう当り前のことでしょうけど、改めてまとめて読むとやっぱりお話のうまい人だな~と感心しますよね。

>人間観察のエキスパートって感じがします(笑)

 そうなのよね~。ご本人マンガばかり描いてれば幸せとか以前どこかで言っていたけれど、どこで人間観察してるんだろうか。この主婦さん達はお友達のお話とか参考にしているんだろうかとか考えちゃいます。

 絵柄もラムちゃんなんか 元祖オタクファン御用達 みたいに思われますが、女の子が見ても可愛い絵だし、「めぞん~」の響子さんはそれは清純だった。少年誌の長編はしっかり読んでいないので、この際読破してみようかな。量が多いからいつまでかかることやら。
返信する
萩尾 望都氏 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2008-09-04 17:35:53
 すず様
 今回萩尾氏のことも短編うまいよ~と書こうと思いましたが、止められなくなるのでやめときました。

 初期の頃は萩尾氏は短編の名手として有名で長編は書いたことなかったのですが、「トーマの心臓」 「ポーの一族」 (これも短編連作ですが) の頃から長いのを描き出すようになったんですよね~。

 「残神」 なんか考えられないですね。でもこれは私も途中分からない所というか、横道それてるな~があるんだけど。

>川原泉さんに一票。それと遠藤淑子さんにも

 川原さんは独特の雰囲気で読ませちゃう、かな。私は1~4冊くらいの中編が好きです。遠藤淑子さんてよく知らないの。どなたかに借りて読んでみようかしら。情報ありがとうございます。m(_ _)m
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おひさしぶりのカキコです。 (tooru_itou)
2008-09-04 20:32:13
あの~私がお薦めしたのは「専務の犬」で
「赤い花束」は未読なんデス~~!!(苦笑)。
 満天さんの「赤い花束」紹介記事で高橋留美子さんの短編集
高橋留美子劇場の第一弾「Pの悲劇」第二弾「専務の犬」までを
ゲットして、特に「専務の犬」が気に入ったんデス~。

(↓)満天さんの「赤い花束」を紹介してる記事。
http://blog.goo.ne.jp/pote741/e/934ef4fb23b7272246e1a5821d038229

 で、短編の名手、萩尾望都さんの作品としては
「半神」が強烈に印象に残ってます。参りました♪。
遠藤淑子さんが未読との事ですが、この方は短編が
ホームグラウンドなんですが、私のお薦めは全二冊の
「ヘヴン」「ヘヴン2」です。特に「ヘヴン2」は泣きます!。
返信する
あれ~。失礼しました。 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2008-09-05 13:35:03
  tooru_itou様
 大変失礼しました。勘違いしてました。自分が読んだ中で 「赤い花束」 が一番身につまされたので、てっきり男性No.1だと思ってました。あとで訂正入れときます。m(_ _)m でもきっと tooru_itouさんも気に入ると思いますよ。

>短編の名手、萩尾望都さんの作品としては

 私も 「半神」 は大好きですが、「イグアナの娘」 も短編なのに深いなんですよ~。ドラマにもなりましたからね。氏の初期の読み切り少女マンガにもいっぱいいいものあります。私の好きなのは 「小夜の縫うゆかた」 です。これは新刊のパーフェクトセレクションにも自選で載ってましたね。
返信する
高橋留美子さんの短編って、 (くま)
2008-09-05 15:58:51
読んだことがないんですが…
そうですか~そんな名作ぞろいなんですね~…
これは早いうちに読まねば!!って感じっす!!

アッシは今迄どちらかというと長編好きだったんですが、最近やっと短編の良さも少し分かるようになってきた…ようです…?

萩尾さんの短編ではアッシも「半神」が一番好きかな?
佐藤さんではやはり「やどり木」でしょうか。
最近読んだ中では五十嵐さんの「魔女」ですが…8~16Pほどの短編というと…
遅ればせながらやっと先日初読したんですが、杉浦日向子さんの「百物語」!!
あの短い枚数でこれだけの雰囲気を味わわせるなんて…!っと、ちょっと感動モノでした(笑)

「王家の紋章」のあのぐるぐる感(笑)も、ずっと読んでると「水戸黄門の予定調和」のように、癖になっちゃってます(爆)

返信する
短編… (つる)
2008-09-06 15:26:36
高橋留美子さんの作品は「うる星やつら」以降しばらくは全部買ってたんですが…多すぎて「らんま1/2」以外処分してしまった…なので短編もその頃出たものしか読んでないのですが忘れてしまった。。。モッタイナイ…

短編(…に限らずだけど)というと私は萩尾さんばっかり浮かんでしまう。やっぱり「小夜~」大好きです。あと「10月の少女たち」「白い鳥になった少女」「六月の声」…結局「トーマ」の単行本に同時収録されてるものが印象強いです。「みつくにの娘」も好きだし。。。
ポーのヒット以来長編が多くなったけど「半神」「柳の木」とか最近のものでも『健在だな~』と毎回感心させられます。ポーの中でも「グレンスミスの日記」はマタもんのすごい短編ですよね、今さんに「グレンスミスの呪い」をかけたりよしながさんを勇気付けたり、影響も大きい作品で。…エリザベスの恋愛がわずか1p.、7コマで描いてあるページは何度も見入ってしまいます。トニーに出会って惹かれ、結婚を決意する心情が過不足なく表現されていて。。。

竹宮さんの「会話」という16p.の作品がとても好きです。たしかLaLaの創刊号に載ったのですが、若くして子供を産み育てる、結婚する、ことを決意する女性の心情にむやみに共感してしまいました。

「王家の紋章」は読んだ事がないのですが、単行本に挟まってくるリーフレットなんかでなんとなく内容を知ってるんですが…キャロルという現代の少女が時間旅行をして古代エジプトの顔色の悪い(…細川さんのカラーって独特ですよねー)王様と恋愛して、、、というようなお話ですよね?
細川さんの、そっくりな話を7歳ころに読んでるんです…「時の行者 炎の道行き」というタイトルだった気がするんですが(似たようなタイトルのドラマがあって記憶がワヤ)、日本が舞台で、親戚の家に行った少女が蔵の中で古い鏡台と振袖を見つけ、まァきれい、とか羽織って鏡に映すとその鏡がタイムトラベルの入り口になっていて戦国時代のお姫様になってその時代の武将と恋愛、冒険し~の命を狙われ~のなんだりかんだり、ラストでは火事になって(てゆうことは信長なのかなぁ?)、カレシに逃がされ鏡から現代に戻ってくる。火も追ってきたので鏡台も振袖も蔵も焼けてしまう…戻った世界でかの武将とそくりな顔のその家の息子と出会ってめでたしめでたし。みたいなの。

…40年前とストーリーも大差なさそうなうえにあの頃と殆ど絵が変わらない、ってスゴイです。

短編って読んだ時どっひゃ~んと思っても思い出そうとすると出てこない…佐藤さん(恋は味なもの)、水樹さん(かもめたちへ…)、内田さん(なみの障害物レース)、は当時『デビュー作からこの完成度!!』みたいなオドロキがあって『買い!』と決まった思い出があります。。。

遠藤淑子さんの『ヘヴン』『ヘヴン2』は私もオススメ~~、繰り返して読みたくなるの♪
返信する
大人向けは傑作ぞろい。 (トミー。(管理人))
2008-09-06 23:14:05
 くま様
 青年誌のビックコミックなどに発表されたものは少年誌の長編と又趣向が違っていいですよ~。大人の味わいで、しかもちゃんと面白いんだわ。ぜひぜひ読んでみてください。

>杉浦日向子さんの「百物語」!!

 そういえば私の持っている杉浦日向子氏の 「百日紅
」 も短編連作だけど一つづつでも完成度が高いです。「百物語」は読んでいないので読みたいな~。良く行くマンガ喫茶にはない作家さんなので、BOで探すか。

 くまさんのブログで五十嵐氏の 「魔女」 絶賛ですね~。「怪獣の子供」 もいっぱい本屋さんに並んでいるけれど、絵柄がそう好みでもなくて。でも凄く上手い絵だって絶賛している人も居るし、見てみないことには分からないのかな ?
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萩尾 望都氏の短編 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2008-09-08 12:53:16
 つる様
 私も萩尾 望都氏の短編が実は一番好きです。初期作品ばかりでなくて、最近の 「山へ行く」 の中のもいいですよね。

>「10月の少女たち」「白い鳥になった少女」「六月の声」「みつくにの娘」

 みんな読んでて、みんな好き。短い絵物語的なものも上手いんですよね~。構成力というか、組み立て方がうまいので、却って連載しながらだらだら考える少年誌的な長編はあまり得意じゃないのかなって思います。長くても最初からだいたい決めておいて描き始めるとか。

>竹宮さんの「会話」という16p.の作品がとても好きです。

 ほ~、私は竹宮氏は長編の方が得意だと勝手に思ってました。でもそういえば COM に載っていた投稿作品なんかほんとにお話も達者でしたものね。絵はこちら ↓

http://blog.goo.ne.jp/my-yoshimura/e/58b44adeaf18d4b9e7c5108bbc34338e

 昔実家に短編集があったと思ったけど、絵がまだ未熟で好きではなかったし内容ももう覚えてないわ。なんか読みたいな~。
 
 細川氏の絵柄って、私がほんとに子供の頃、週刊フレンドとかマーガレットに載ってた頃から、顔がちょっと子供っぽいくらいでほとんど変わってませんよ。一目で細川センセっわかります(笑)凄い個性ですよね。

>遠藤淑子さんの『ヘヴン』『ヘヴン2』は私もオススメ~~

 わーみなさんお薦めの遠藤淑子さん、自分全然1冊も読んでないってどうなのよ。何とかしないと。
 
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