比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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春四月の松本平・・・牛伏川の砂防堰堤・・・フランス式階段工・・・を尋ねた

2019-07-10 | 川と滝と湖と海と橋の風景
信州上田の・・・六文銭の写真帳

春四月・・・松本平の西・・・松本市内山の牛伏川フランス式階段工(国の重要文化財)・・・砂防堤を尋ねました。
牛伏川・・・松本平の西方、筑摩山地の鉢伏山を源流として9㎞、松本市街で田川と合流、奈良井川、犀川、千曲川、信濃川になって日本海に流れ落ちる1級河川。
火山帯系筑摩山地は急峻な山肌、凝灰岩、礫岩、砂岩の脆弱な岩質、長雨による牛伏川の土砂の流出は古来よりたびたび下流の集落、耕作地を荒廃させました。
明治時代になって国家予算で砂防工事が始まり1885~1890年、1898~1918年に大工事が、数多くの砂防堰堤を築いたが特に1916年から取り組んだフランスのデュランス川(ローヌ川の支流、イタリア国境に近い山岳地帯を源流とする)の施工から学んだフランス式階段工がいまもその姿をはっきりと伝えています。
全長141m、落差50m、緩い曲線を描いて、19段の階段、空石積みというコンクリートを使わない石積み工法です。先人の苦闘が偲ばれます。
見学コースが整備され駐車場、トイレ、遊歩道、ハイキングコース、近くにはキャンプ場があります。









※撮影日は4月18日。


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4 コメント

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よいところ (自然を尋ねる人)
2019-07-10 21:45:58
砂防堰堤と言いましても
当方の江戸時代石積みのものとは大きく違います。
オランダの技術らしいですが現地を見て初めて納得しました。鶺鴒の人の物語にも感動しています。
わたしのところはたかさ約13m幅約50mとそれなりのものですがこことは比較にはなりません。
思い出しました。感謝します。
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これを「流れるような美しさ・・・・」と言うのでしょう!! (縄文人)
2019-07-11 08:36:25

  牛伏川フランス式階段流路
堤防の中でも、貴婦人のような感じすらします。
写真の構図とよし、フランスのファションを取り入れた階段式流路(笑い)
見ていてもとても整った感が致します。

7月頃において水の流量。
台風や大水が出た時は計り知れない水量になるでありましょう。
我も山育ち。
自然のままだとたちまちにして、水の勢いで深い水路になりて瞬く間に山崩れが起こります。
ここ牛伏川は、かなりの傾斜(勾配)があるようです。
このフランス式階段流路が無かったら、深くえぐり込んだ水路となり、樹木の根がはびこった、見るも無残な、沢の流れになっていることでしょう。

夏場の緑なす・・・・頃は、また違った雰囲気、フランス美人顔を醸し出すことでしょう。

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砂防の歴史 (ヒキノ→縄文人さんへ・・・)
2019-07-11 20:23:33
明治の夜明け、国あげての治山治水がはじまります。欧米から技術者を読んで御用学者にします。治山でも農業で製糸でも製鉄でも一挙に近代科学を取り入れます。明治30年(1898年)砂防法ができます。明治は素晴らしかった。昭和で戦争をやって一挙にゼロにしますが。

この写真を見ると設計技術は西洋を参考にしていますが、古来よりの伝統の石工の技術にほれぼれします。先人の労苦に感謝です。

秩父でもそうでしょうが日本中に山に入ると小さな砂防堰堤が無数にあります。土木技術はその土地の地形、地質に合わせてそれぞれ作り方があります。そして絶対という言葉はありません。自然の力は想定することができません。謙虚になることです。

この工法を見ていろいろなことを思いました。
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砂防の歴史 (ヒキノ˧→自然を訪ねる人さんへ・・)
2019-07-11 21:13:48
日本に砂防法ができたのは1898年(明治30年)、ここの砂防がはじまったの1880年代、階段工は1917年竣工だそうです。
明治時代、新政府が招いたお雇い技術者レ・レーケというオランダ人が各地を回り指導、「砂防の父」と呼ばれます。
堂々川の砂留はそれより前、地方のことはその土地の封建領主におまかせの時代ですから、その時代の福山藩の財政は豊かだったのでしょうね。
地方の有力者がやった土木事業はけっこうあるのです。薩摩藩が請け負わされた木曽三川の工事や五郎兵衛新田、箱根用水などが有名ですし、もっと前では信玄堤防などがあります。私の生れた村にも名主の創った「理兵衛堤防」があります。

土木設備は地味なものです。役に立って当たり前です。何事も無かったら作らなくても良かったなんていわれます。手抜き工事は犯罪です。自然との闘いですからいつどうなるか神のみが知るです。

牛伏川階段工・・・石積みが綺麗ですね。日本の石工の伝統技術がほれぼれしますね。当時のままの雰囲気がイイです。

土木工事はその土地の地形、地質、気象条件で設計や規模、工事方法が違いますから比較するのはナンセンスだと思います。
どれも素晴らしい土木遺産だと思います。

どうか素晴らしい土木遺産をむかしのままの面影を残して後世に伝えるように保全してください。
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