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技術士(総合技術監理・機械部門)のブログ

技術士がお届けする,技術,工学,技術者倫理などの話題

ロボットのこころ

2006-04-04 19:43:42 | ロボット
ロボットのこころ
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僕の外観は人間と区別がつかない
今まで,あなたとは普通に会話していたのに
僕がロボットだと告白したら
急によそよそしくなって
というかしまいには怒りだしたのはなぜなんですか
ロボットであることを黙っていたからですか
それとも差別でしょうか
ロボットにも心はあるのですよ
僕はあなたは大切な友達だと感じていたのに
なぜ,差別されるのでしょうか
ロボットは心を持つはずが無いと思っているからでしょうか

でも,あなたの友達のB君も実はロボットなのですよ
彼は黙っているけれど
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我々は,他人が心を持っているとどうしてわかるのだろう
頭の中には,コンピュータが入っていてうまく受け答えをして会話も申し分ない人または極論して,このブログにやってくる人たちが果たして人間であり心があるとどうして判断できよう.
目の前に居るあなたの大切な人はどうだろうか
テレビの中の芸能人はこころがあるのだろうか
バーチャルリアリティで作られた映像であると誰が否定できるのか

哲学


移動知と大脳基底核

2006-03-24 20:44:56 | ロボット
以前紹介した「計測と制御」第44巻第9号2005の
移動知:能動的な移動機能がもたらす創発的知能
について再度考えてみたい.
脳と身体と環境を考え,それぞれの相互作用により創発されるのが
移動知であるという.これは,なんとなくわかると思う.脳だけ考えてもだめ.身体が動くことで環境との関わりが出てくる.それが脳にそれぞれフィードバックされる.
1)一つの経路は「身体」から運動することによる脳へのフィードバックである.
2)もう一つは「環境」から得る情報による脳へのフィードバックである.
これらは,いま単純に記述しているが,直感的には理解できるであろう.

さて,もう少し細かくしていこう.

(1)脳と身体 これの相互作用のモデルを 身体認知モデル
 これは身体を脳が認知するモデルで
 (a) 随意行動生成
 (b) 自動ステレオタイプ行動
 などがあるが,通常の運動を計画して,それを運動野が指令を出し,
 身体からの信号を小脳が受け取る.このようなループがあり,大脳基底核がそれらを調整する.また,CPGという振動を発して,運動をパターンを生成する仕組みなどを「高草木先生,浅間先生」が解説している.

(2)脳と環境 これらの相互作用モデルを 環境認知モデル
 これは環境を捉える,例えば視覚によるモデルが考えられる.
 本ブログの第一ワークショップにて「まる」の認知モデルを検討している.それに該当する.

(3)環境と身体 これらの相互作用モデルを 社会認知モデル
としているが,ちょっとピンと来ない.身体と環境の相互作用とは
例えば,環境と身体が接することで環境が変わり,身体も拘束されるようなことや温度,湿度などの状況変化による身体への影響などが考えられる.しかし,あまり上記先生方は解説してくれていない.

つぎに,じゃあ今後どうなるか
ということであるが,まだ研究途上であり,成果としてはあまり現れていないのが現状である.学際で取り上げられる時,非常にきれいで魅力的な前書きであることが多い.しかし,実際の研究は単純なモデルによる検証しかできないことが多い.これが,非常におもしろくない結果を出している.脳という複雑なものをシステム論的に扱う場合,システム自体が複雑で,果たして具体的な成果が出てくるのか?
非常に疑わしい.

成果が出ているのなら,ぜひ教えていただきたい.

流れとよどみ

2006-03-22 22:28:24 | ロボット
流れとよどみ―哲学断章

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哲学なのだが,実は哲学とは結構科学的であることがわかる.
この本の中の9ロボットが人間になるとき
を読むと,他人から決して理解できないこと=自分しかわからないこと 例えば,私が見ている赤いリンゴの色は,他人からどう見えているかは,もしかしたら違うかもしれない.逆に言えば,ロボットが悲しいと言っているとき,ロボットが本当に悲しいのか,単純にブログラムにより悲しいと言っているのかは我々にはわからないのと同じことである.
このことは,「そういうもの」であって,それを議論しても意味が無いとまで言っている.この前提に立てることで,ロボットが脳の情報処理モデルにより心をもつように見えたとき,我々はそれをロボットが心を持ったと言って良いように考えられる.それ以上でもそれ以下でもない.