叢雲会ブログ

叢雲会 刀匠達の四方山話

直刃と丁子

2008-12-03 19:11:57 | Weblog
弟子の卒業制作として、久保鍛錬道場では、直刃の短刀と重花丁子の太刀を造らせます。弟子っこは、練習では丁子刃がそこそこ焼けるようになって来ましたが、本番の直刃の短刀の焼入れに悪戦苦闘しています。帽子が崩れたり、めがねが入ったり・・・。
売り物になるほどの短刀と太刀が出来れば独立させますが、早いか遅いかは本人次第。誤魔化しの利かない直刃と見栄えのする丁子が焼ければ、刀鍛冶として何とか食べてもいく手立てにはなります。
私もそうでしたが、独立するとしばらくは、思うように刀が出来ない時期があります。修業中にまともな太刀と短刀が作れたという経験が自信となって、何とか独立後の「刀できない病」を克服できるはずです。

刀を作るのも難しいですが、売るのはもっと難しいと実感している師匠でした。

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