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立憲民主、国民民主、共産、れいわ新選組、社民の5野党などは18日、憲法53条に基づく臨時国会の召集要求書を衆参両院の議長に提出した。安倍晋三元首相の国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題、物価高、新型コロナウイルスの流行「第7波」などについて、質疑が必要だと訴えた。ただ、岸田政権は閉会中審査で対応する方針で、早期召集には否定的だ。
立民の馬淵澄夫国対委員長は細田博之衆院議長に要求書を提出後、記者団に「国会議員が夏休みを取っている場合ではない。今月にも臨時国会を開き、(年末まで)4カ月の会期を強く求める」と強調。共産の山添拓参院議員は「あらゆる分野で課題が山積している。要求に応じないのは許されない」と訴えた。野党側は改造内閣の新閣僚の所信をただす必要もあるとしている。日本維新の会は提出に加わらなかった。
これに対し、自民党の高木毅国対委員長は18日、国会内で記者団に、21日まで休暇に入っている岸田文雄首相に伝えるとした上で、「召集(にどう応じるか)は政府が判断する」と述べるにとどめた。公明党の北側一雄副代表は18日の記者会見で、「(国会の)閉会中審査で議論することもできる。必ずしもすぐに開かないといけないのか」と否定的な考えを示した。衆院厚生労働委員会は19日、政府のコロナ対応について閉会中審査をする予定。
臨時国会の召集を巡っては、憲法53条で衆参いずれかの総議員の4分の1以上が要求した場合、内閣に召集を義務付けているが、いつまでに開催しなければならないのか期限は規定されていない。
第2次安倍政権は2015年10月の召集要求に対し、外交日程などを理由に応じず、16年1月の通常国会の開会を迎えたこともある。
7月の参院選後の臨時国会でも、野党側は国葬や旧統一教会などの問題について審議する必要があるとして、岸田政権に十分な会期を確保するよう求めた。しかし、岸田政権は閉会中審査で対応するとして、3日間で閉じた。(曽田晋太郎)
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第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
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野党が憲法53条に基づき、臨時国会の召集を要求したが、与党は拒否した。憲法53条には期限が明記されていないため、無限に後ろ倒しして事実上召集しないことができると与党は、自民党は解釈しているからだ。「期限がない」というとハルノートを思い起こすのだが、今回は扱わない。
しかし裁判所の憲法解釈は今までなかった。野党の国会議員が裁判所に訴えることをしてこなかったからだ。
だが遂に国会議員が裁判所に提訴して下級審ながら判決が出た。損害賠償請求は退けたため、原告側は控訴し、さらに上告した。まだ最高裁の判決は出ていないが、地裁は召集時期は「合理的期間内に召集する法的義務がある」と判断した。
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憲法53条に定められた臨時国会の召集要求に、内閣が約3カ月間応じなかったことは憲法違反にあたるかが争われた訴訟の判決が13日、岡山地裁であった。野上あや裁判長(奥野寿則裁判長代読)は要求に対する召集について、内閣は「単なる政治的義務ではなく、憲法上の法的義務」を負うと判断。一方、憲法違反かどうかは判断せず、原告側の国家賠償請求を退けた。原告側は即日控訴した。
問題とされたのは、野党が2017年6月22日、森友・加計(かけ)学園問題を審議するため、召集を求めた臨時国会。当時の安倍晋三内閣は98日後の9月28日に召集したが、審議には入らず、冒頭に衆院を解散した。
憲法53条は後段で、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集しなければならないと定める。時期についての定めはないが、召集を求めた一人の高井崇志・衆院議員=比例中国=は18年2月、「遅くとも要求から20日以内に召集すべきだった」などとして、110万円の国家賠償を求めて岡山地裁に提訴した。
判決は、憲法53条後段の趣旨は少数派の国会議員の意見を国会に反映させることであり、要求があれば、召集するかどうかの決定に「高度な政治的判断は介在しない」と指摘。裁判所の審査対象にならないとした国側の主張を退けた。さらに、内閣には合理的期間内に召集する法的義務があるとし、義務に違反した場合は「違憲と評価される余地はある」とも言及した。
そのうえで、召集要求に長期間応じないのは、要求をした国会議員の権利侵害にあたるかを検討。国会議員は、個人では臨時会の召集を要求できないことや、「全国民の代表」としての役割を担っていることなどを踏まえ、「個々の国会議員の権利侵害として、損害賠償による救済対象となることは想定されていない」として賠償請求は退けた。(中村建太)
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憲法53条について争われた裁判についての記事はいくつかあるのだが、上の記事が分かりやすいと思ったので引用した。
憲法53条には国会召集の期限が書かれていない。憲法改正が出来れば期限なり、会期を明記すれば良いのだが、日本国憲法は今まで改正されていない。事実上改正できないのだ。だから憲法が機能するには裁判所が合理的な解釈をするしかない。最高裁判決はまだだが、「合理的期間内」に召集する法的義務があるとの判決は理に叶っている。
野党が国会で審議拒否をすると自民党の支持者は税金の無駄遣い、職務放棄と批判する。しかし野党の国会議員が臨時国会の召集を要求しても与党が応じないことは与党の審議拒否ではないか。統一教会問題は国会で審議すべき問題だ。自民党に都合が悪いからと召集に応じないことは許されまい。最高裁も「合理的期間内」に召集するよう判決を出すのではないか。
国会で審議すべきなのだ。内閣が野党の国会召集要求を事実上退けられては内閣、与党の権限が強くなりすぎる。今まで野党が裁判所に訴えなかったことこそおかしなことだ。もっと裁判所も活用して与党を追及する必要がある。もちろん政権交代すれば立場は逆転する。
今回の記事は引用ばかりだがこんなところだ。
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