【STAP報道検証13】
6/11「弁護士ドットコム」というブログが「理研改革委」の提言書内容をうまくまとめている。
<「STAP問題は世界三大不正の一つ」理研改革委、小保方さん所属組織の「解体」提言>
http://www.bengo4.com/topics/1635/
6/13「毎日」が<万能細胞:STAP論文問題 理研改革委提言(要旨)>を報じている。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140613ddm005040084000c.html
こういう「報告書」では1)事実の認定、2)事実認定に基づき適切な論理が展開され、3)実現可能な提案がなされているどうかが、いちばん問題となる。主観的な解釈・意見は無視して読むのが常識である。
〈 委員会の構成
委員長=岸輝雄・東京大名誉教授▽委員=間島進吾・中央大教授、市川家国・信州大特任教授、塩見美喜子・東京大教授、竹岡八重子・弁護士、中村征樹・大阪大准教授
▼ 1.小保方晴子・研究ユニットリーダーの採用経緯
2012年4月27日、小保方氏は理研神戸事業所でSTAP現象に関し説明した。同年10月、発生・再生科学総合研究センター(CDB)は特に幹細胞研究者の採用を掲げ、新任PI(研究室主宰者)の公募を開始した。11月14日の非公式な打ち合わせで小保方氏が候補となり、西川伸一・副センター長(当時)は小保方氏に応募するよう打診した。
人事委員会は過去の論文や応募書類の内容を精査しないまま面接を行い、採用を事実上内定した。人事委は研究の秘密性が高いと判断し、英語による公開セミナーを省略し、これに代わる非公開セミナーも行わなかった。
小保方氏の採用は、必要とされるプロセスをことごとく省略する異例ずくめのものだった。研究者としての資質と実績を評価して、というよりも、iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの強い動機に導かれた可能性が極めて高い。
日本の代表的機関で起こったとはにわかに信じがたいずさんさである。採用に加担した、竹市雅俊センター長、西川氏らCDBトップの責任は極めて重いと言わざるを得ない。
▼2.論文作成の経緯
竹市氏や笹井芳樹副センター長は、小保方氏には論文を完成させる経験が不足していると認識していた。竹市氏は論文の作成指導を笹井氏に依頼した。笹井氏は、12年12月以降、STAP研究の重要性やインパクトを認識し論文の作成に積極的に取り組んだ。一方、秘密保持を優先し、外部からの批判や評価が遮断された閉鎖的環境を作り出した。
論文作成の過程で、笹井氏は、小保方氏の過去のデータを批判的に再検討・再検証することなく信用し、結果として多くの誤りを見逃した。また、共著者との連絡を十分に行わず、共著者によるデータ検証の機会を減じる結果を招いた。
14年2月ごろには、共著者として小保方氏の研究不正および論文の真正性を疑うべき事情が生じていたにもかかわらず、笹井氏は「STAP現象は有力仮説である」との発言を繰り返し、一般国民、とくに再生医療への応用を期待した難病患者に大きな期待を持たせた。成果主義に走るあまり、真実の解明を最優先として行動するという科学者として当然の基本をおろそかにした笹井氏の行動は、厳しく責任が問われるものである。
(西川伸一氏が、小保方に応募を呼びかけたとは知らなかった。「日経サイエンス」6月号で「TCR再構成した新生児マウスでSTAP細胞を作成する」というアイデアを出したのは西川氏だと、若山教授が明らかにしており、そこまでコミットすると普通は共著者になるが、なぜならなかったのか、不思議だ。
ちなみに6/15新聞報道によると「西川氏、理研特別顧問を辞任へ」とある。)
▼3.理研の認識不足
理研は、10年度から研究不正を防止するための研修の受講を管理職に義務づけていたが、11~13年度の受講率は41%にすぎない。不順守が漫然と放置されていた。理研本体としても、実験データの記録・管理を実行する具体的なシステムの構築・普及が行われていない状態だった。
STAP問題が生じて以降、理研のトップ層において、研究不正の背景や原因の詳細な解明に及び腰ではないかと疑わざるを得ない対応が見られる。原因の究明に時間をかけることなく幕引きを急いでいる感があり、STAP現象の存否について、科学コミュニティー内での真摯な対話を踏まえた真実の究明を行う姿勢がほとんど見られない。
1月28日に行われたSTAP研究に関する理研の記者会見資料で、iPS細胞との比較に用いられた数値は十分な検討がされておらず、結果として理研は、iPS細胞研究について社会一般に誤った認識を植え付け、STAP研究に不適切な期待を抱かせた。
また、小保方氏の研究室やかっぽう着姿で研究する小保方氏を公開するなど、派手な広報が展開され、必要以上に社会の注目を集めた。報道発表の大部分は笹井氏が取り仕切り、正確で客観性の高い広報という視点からの報道発表ができなかった。報道発表は理研広報室が最終的な責任を負っているにもかかわらず、CDBをコントロールできず、大きな混乱を招いた。
(そもそも野依現理事長が現職についたのは2003/7のことで、以後2004/12までに3件の「研究不正」が発生している。STAP事件は理研史上最悪の捏造で、ガバナビリティの欠除は当然問われるべきだろう。)
▼4.再発防止策
小保方氏の研究者倫理の欠如、科学に対する誠実さ・謙虚さの欠如は、研究者としての資質に重大な疑義を投げかけるものであり、小保方氏の研究不正行為の重大さと共に厳しくその責任が問われるべきなのは当然。極めて厳しい処分がなされるべきである。
笹井氏はデータの正当性と正確性を自ら確認せず、共著者、責任著者としての責務および、小保方氏に助言する責務をいずれも軽視し、拙速に論文を作成した。組織上の職責、指導的立場に照らし、小保方氏と並び責任が問われるべきである。竹市氏の組織上の責任もまた、厳しく問われるべきである。
CDBの構造的欠陥の背景には、CDBトップ層全体の弛緩したガバナンスの問題があり、人事異動など通常の方法では欠陥の除去は困難である。任期制職員の雇用を確保した上で早急にCDBを解体すべきである。
STAP現象の有無を明らかにせずうやむやにすることは、科学研究に対する国民の信頼を傷つける。正しい再現実験を行うことは国民に対する義務である。
研究不正が認定されていない論文にも、複数の重大な疑義が判明した。速やかに調査を行い、研究不正の有無を明らかにすることを求める。2本の論文について、生データの確認などの検証が行われていない。前代未聞の恥ずべき不祥事の発生を許したプロセスの詳細な解明なしに不正根絶は困難である。
公正な研究の推進、研究不正の防止の責を担う組織として、研究公正推進本部を理事長直轄の本部組織として新設し、強力な権限を付与することを求める。同本部の下で実験データの記録・管理に関する方針を定める。
ガバナンス体制を改め、産学官から適材適所の人材を理事に登用する。少なくとも2人の研究担当理事を置く。外部有識者のみで構成される「理化学研究所調査・改革監視委員会」を設置する。
論文はすべて撤回の見通しとなったが、STAP問題が日本の科学研究の信頼性を傷つけている事実は消えない。研究不正は科学者コミュニティーの自律的行動により解決されるという社会の信頼の上に、科学者の自由は保障される。理研がリーダーとして範を示すことが期待される。 〉
PIという言葉がこれまで意味不明だったが、「研究室主宰者」とあるので「Principal Investigator」の略と判明した。英略号を使う機会が増えているが、メディアは横組み記事にして、略号をスペルアウトするようにしてもらいたいものだ。PIを国立がんセンター研究所あたりでは「室長」と呼んでいる。独立したラボ(研究室)の管理運営責任者で、研究能力以外に外交折衝能力、研究費調達能力、人事管理能力が要求される。小保方がこれらすべてに欠ける人物であることは、素人眼にもわかる。
その小保方が「公募人事」であるにもかかわらず、実質「一本釣り」で採用されたのはCDCトップの意向がからんでいたからであろう。「人事委員会」があったのなら、その構成メンバーと審議経過も理研は公表すべきである。議事録は残っていないだろうが、事務方はこういう場合、必ず「事務連絡用議事記録」を残す習性があるから、それを確保すればよいことだ。改革委はそのことを知らなかったのだろう。
1と2に若山照彦山梨大教授の名前が出て来ないが、一種の「司法取引」があったのだろうか?また現在「再現実験」に取り組んでいる丹羽氏の役割に関する言及もない。
3では前段では、2010年度以来の理研の「研究不正」策が、実効のないものであり、理研上層部に不正防止や発生時の対応と真相解明の努力がきわめて乏しいことを指摘しながら、後段ではCDCだけの問題に絞っており、ここに論理上の大きな飛躍がある。ここには全理事と理事長に責任が及ぶのを避けた「政治的判断」が働いている。研究倫理上の腐敗が、CDCだけに存在するという論理には説得力がない。
4では「理研惨敗」のA級戦犯が指名されている。「一罰百戒」というから3人の指名と処罰(依願退職を含む)は妥当だろう。CDB解体でシャッフルすれば、腐った人間関係も消える。
「恥ずべき不祥事の発生を許したプロセスの詳細な解明なしに不正根絶は困難である」というのなら、1と2の問題を早急に明らかにすべきだろう。
「正しい再現実験を行うことは国民に対する義務である」というのは、調査委の結論およびネイチャー2論文撤回の意味が正しく理解されているとはいえない。再現実験はすでに世界で1ダース以上おこなわれていて、すべてネガティブである。「ないこと」を証明するのは「悪魔の証明」である。CDC解体を行ったら再現実験もできないのだから、この提言は矛盾しており、時間稼ぎといわれても仕方ないだろう。
「理研ORIの設置」も意味がない。今日、他施設との共同研究や学際的研究が当たり前になっていて、理研だけで自己完結する研究は少ないだろう。現に問題のネイチャー論文にも早稲田大、東京医大などの研究者が名を連ねている。日本版ORIの設置こそ、今回のSTAP事件から日本の研究者が学ぶべき最大の教訓であり、この部分の提言は文科大臣に対してなされるべきものだ。ノバルティス社の研究不正を見ても、厚労省がらみの研究者不正も目にあまるものがある。特に、私立大学の場合は「収賄」という概念がなく、野放しになっている。また国公立大学でも奨学寄付金は実質的に「商行為」としてなされているのに、この不正をチェックする機構がない。
「教育、厚生、薬事、バイオサイエンス、科学技術(原子力を含む)」という広い分野について、公的研究資金で支援された研究上の不正を監視する「日本版FDA・ORI」が必要である。これがテレビタレントまがいのいかがわしい「御用学者」を一掃する近道である。
「研究不正は科学者コミュニティーの自律的行動により解決される」のは事実だが、それはT.クーンが『科学革命の構造』(みすず書房)で述べたように、一挙には起こらない。新しいパラダイムは古いパラダイムの信者が減って行き、新パラダイムの信奉者が多数になることにより成立する。
上記「弁護士ドットコム」には、<理研改革委の岸輝雄委員長は12日夕に開かれた記者会見の冒頭、「ヨーロッパにいる友人から、『今回の不正は、世界の三大不正の一つとして認知された』というメールをもらった。>と述べたとある。「世界三大不正事件」とはおそらく「ピルトダウン人事件(1912)」、「シェーン事件(2002)」に「小保方事件(2014)」をいうのであろうか。
6/14「ハフィントンポスト」では、山梨大市川家国特任教授の発言として、「三大不正」を「シェーン事件」、「韓国のES細胞不正」事件、それに今回の事件の三つをあげ、「3つの事件のなかでも一番がSTAP細胞論文の問題で、これから教科書的に扱われることになる」と述べたとされている。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/14/stap-cells-text_n_5494275.html
が、「科学不正」というくくりでは「ピルトダウン人事件」がトップに来るだろう。これには英国の国家的威信がかかっていた。韓国のファン・ウソク教授のES細胞捏造など、世界は初めから信じていなかったから大したことない。
教科書といえば、考古学の世界的な教科書であるコリン・レンフルー(Colin Renfrew)『考古学(Archaeology)第4版』(Thames & Hudson,2004)には、藤村新一による「旧石器遺跡捏造」事件が、「考古学における不正」という項目に載っており、Shinichi Fujimuraという名前もしっかり書かれている(p.577)。まあ、Haruko Obokataも「科学不正史」には腐朽の名を残すだろう。それとともに理研の名も残る。
カリフォルニア大デービス校のノフラー博士が述べたように、今や「小保方パラダイム」の信者は絶滅危惧種だ。ネットで告発した無名の多くの科学者の「自律的行動」の成果といえよう。「ネット集合知」の威力に比べ、ノン・ヴァーチャルな世界の機構とその対応が著しく時代遅れ(オブソリート)なものになっている。繰り返すが「再現実験」は必要ない。事件に当初から関与している竹市センター長が「STAP細胞はすべて虚構だった」と声明すればすむことだ。
武田ブログの「報道検証12」の書き込み、
<Unknown (Unknown) 2014-06-13 11:36:
CDBの解体だけで済まされる問題ではない。この問題には、生命科学系大学院の濫造により、Twinsに代表されるような、いいかげんな教育機関が、安易に博士号を乱発している実態が背景にある.レベルの低いドクターは、就職にありつけないので、ポストを得るために捏造に手を染める.この状況を変えない限り、第2,第3の小保方やCDBが出てくるだろう。大学院の定数減により、大きな節税が期待できる.>とある。
基本的には同感だ。医師免許のない人に「医学博士」を授与するのを止めること、4年生の学部教育はすべて「教養教育」にすること、大学院の「修士課程」を廃止し、すべて「博士課程」にすること。榎木英介さんが『博士漂流時代』(ディスカバー21, 2010)で問題にし、毎日新聞科学環境部『理系白書』(2003)が指摘した「みじめな理系の状況」を変えるには、需給バランスを変え理系から法経系の学部に容易に移動できるようにするがよい。
「理系白書」の冒頭には、ある団地の駐車場造設問題が起き、対策委員となった、ある理系の東大名誉教授が「法律や行政に詳しい団地住民」を探したら、「安い団地に残っているのは理系ばかり。かつて団地にいた文系の大手企業の社員は一戸建ての主となって引っ越した」と気づく話が出てくる。彼はこういう。「日本の技術がもたらした巨大な富は、技術者ではなく、銀行や不動産の関係者に流れた…」。
この構造を変えるには、古賀茂明氏(『官僚の責任』)がいうように、明治期に成立し1940年の「国家総動員法」で強化された、官僚制度そのものの改変が必要だ。それは別の機会に論じたい。
6/16月曜日に「日経」科学部の記者が取材に来るそうだ。事前に質問を提出してもらった。その中に<1.先生は2月初めの時点でパブピアでは「7本しか小保方氏がヒットしない」などの点を指摘しています。最初に少し引っかかりのようなものを感じたのは、いつごろでしょうか>というのがある。
このメルマガ2/3に「今までは「下働き」的な研究で、自前でやった研究の論文がいきなりNatureに2本も同時掲載されるというのはきわめて珍しい。
ただこれがマウスだけに起こる現象か、他の動物やとりわけヒトにも起こることなのか、そのへんの詰めは恐らくもう行われていると思うが、他の研究者による追試と再現性の確認を待つべきだろう。(マウスでは起こるがヒトでは起こらない、という現象もままある。)
一般論として述べると、科学研究は他者による「再現性の追試」があって初めて事実として認定されるべきだ。2/1「読売」社説は、すでに事実として認定した上で、「メカニズムの解明を」と呼びかけているがいかがなものか…。」と書いたように、私は1/30のメディア報道を初めから信じていなかった。ヴァカンティ兄弟がユダヤ人だということもあって、ネットでは「ユダヤ陰謀説」も流れていた。豊富な資金力をもつ理研が目を付けられて、小保方が送り込まれたという説だが、私は陰謀史観には組みしない。
ただ証拠もなしに批判的コメントを発表できないので、いろいろ調べるのに3日かかったというわけだ。
「武田ブログ」に、
<Unknown (Unknown) 2014-06-13 14:58
筆頭著者は懲戒免職くらいでは足りない。今後一生STAP細胞を作り続ける罰。もちろん自費で。
略して、「Sisyphean Task As a Penalty」 >、とある。
これはカミュ『シジフォス(Sisyphos)の神話』のことだろう。山の頂上まで岩を運び上げると、その岩がまたひとりでに転げ落ちるので、また運ぶという罰を食らったのが神話のシジフォスだ。原話はアポロドーロス『ギリシア神話』(岩波文庫)にある。ドストエフスキーはシベリアで似たような刑罰をくらった。「意味のない労働がいかに人間をダメにするか」を『死の家の記録』に書いている。最初のメディアをすっかり信じこんだ人の中には「かわいさ余って憎さ百倍」という人もいるだろう。メディア関係者もそうかもしれない。が、行き過ぎてはいけない。
私は小保方を信じていなかったから、憎んでもいない。むしろ「平成の安部定」事件になることを懸念していた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%83%A8%E5%AE%9A#.E5.A4.B1.E8.B8.AA
事実、「機密保護法案」、「福島汚染水問題」、「改憲なしの集団的自衛権行使」、「国民投票法」改正など、日本の運命を決める重要な問題が、ほとんど議論なしで決められたり、あるいはこれから決まろうとしている。これらは喩えれば、昭和の初めに「統帥権」が政府権限から切り離され軍部の権限とされたのにも等しい。
6.14の新聞は「中国」社説が5段1本記事で「理研の改革、幕引きを急ぎすぎでは」と取り上げていてびっくりした。
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=62960&comment_sub_id=0&category_id=142&category_list=142&localfrom=column&pl=339717227
あの「毎日」でさえ2本社説の1本が3段で、「理研の改革、覚悟を決めて取り組め」である。「もしやひな形は共同通信の配信か?」と札幌、新潟、四国、沖縄の新聞を調べたが、「中国」オリジナルとわかってホッとした。
ハワイから戻った娘は、アメリカの大学と大学院で生物学を専攻したのに、日本の「STAP騒動」をまったく知らなかった。確かPh.D.はショウジョウバエの「ホメオボックス遺伝子」の仕事でもらったはずだ。まあ「コップの中の嵐」で済んだようでよかった。
6/11「弁護士ドットコム」というブログが「理研改革委」の提言書内容をうまくまとめている。
<「STAP問題は世界三大不正の一つ」理研改革委、小保方さん所属組織の「解体」提言>
http://www.bengo4.com/topics/1635/
6/13「毎日」が<万能細胞:STAP論文問題 理研改革委提言(要旨)>を報じている。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140613ddm005040084000c.html
こういう「報告書」では1)事実の認定、2)事実認定に基づき適切な論理が展開され、3)実現可能な提案がなされているどうかが、いちばん問題となる。主観的な解釈・意見は無視して読むのが常識である。
〈 委員会の構成
委員長=岸輝雄・東京大名誉教授▽委員=間島進吾・中央大教授、市川家国・信州大特任教授、塩見美喜子・東京大教授、竹岡八重子・弁護士、中村征樹・大阪大准教授
▼ 1.小保方晴子・研究ユニットリーダーの採用経緯
2012年4月27日、小保方氏は理研神戸事業所でSTAP現象に関し説明した。同年10月、発生・再生科学総合研究センター(CDB)は特に幹細胞研究者の採用を掲げ、新任PI(研究室主宰者)の公募を開始した。11月14日の非公式な打ち合わせで小保方氏が候補となり、西川伸一・副センター長(当時)は小保方氏に応募するよう打診した。
人事委員会は過去の論文や応募書類の内容を精査しないまま面接を行い、採用を事実上内定した。人事委は研究の秘密性が高いと判断し、英語による公開セミナーを省略し、これに代わる非公開セミナーも行わなかった。
小保方氏の採用は、必要とされるプロセスをことごとく省略する異例ずくめのものだった。研究者としての資質と実績を評価して、というよりも、iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの強い動機に導かれた可能性が極めて高い。
日本の代表的機関で起こったとはにわかに信じがたいずさんさである。採用に加担した、竹市雅俊センター長、西川氏らCDBトップの責任は極めて重いと言わざるを得ない。
▼2.論文作成の経緯
竹市氏や笹井芳樹副センター長は、小保方氏には論文を完成させる経験が不足していると認識していた。竹市氏は論文の作成指導を笹井氏に依頼した。笹井氏は、12年12月以降、STAP研究の重要性やインパクトを認識し論文の作成に積極的に取り組んだ。一方、秘密保持を優先し、外部からの批判や評価が遮断された閉鎖的環境を作り出した。
論文作成の過程で、笹井氏は、小保方氏の過去のデータを批判的に再検討・再検証することなく信用し、結果として多くの誤りを見逃した。また、共著者との連絡を十分に行わず、共著者によるデータ検証の機会を減じる結果を招いた。
14年2月ごろには、共著者として小保方氏の研究不正および論文の真正性を疑うべき事情が生じていたにもかかわらず、笹井氏は「STAP現象は有力仮説である」との発言を繰り返し、一般国民、とくに再生医療への応用を期待した難病患者に大きな期待を持たせた。成果主義に走るあまり、真実の解明を最優先として行動するという科学者として当然の基本をおろそかにした笹井氏の行動は、厳しく責任が問われるものである。
(西川伸一氏が、小保方に応募を呼びかけたとは知らなかった。「日経サイエンス」6月号で「TCR再構成した新生児マウスでSTAP細胞を作成する」というアイデアを出したのは西川氏だと、若山教授が明らかにしており、そこまでコミットすると普通は共著者になるが、なぜならなかったのか、不思議だ。
ちなみに6/15新聞報道によると「西川氏、理研特別顧問を辞任へ」とある。)
▼3.理研の認識不足
理研は、10年度から研究不正を防止するための研修の受講を管理職に義務づけていたが、11~13年度の受講率は41%にすぎない。不順守が漫然と放置されていた。理研本体としても、実験データの記録・管理を実行する具体的なシステムの構築・普及が行われていない状態だった。
STAP問題が生じて以降、理研のトップ層において、研究不正の背景や原因の詳細な解明に及び腰ではないかと疑わざるを得ない対応が見られる。原因の究明に時間をかけることなく幕引きを急いでいる感があり、STAP現象の存否について、科学コミュニティー内での真摯な対話を踏まえた真実の究明を行う姿勢がほとんど見られない。
1月28日に行われたSTAP研究に関する理研の記者会見資料で、iPS細胞との比較に用いられた数値は十分な検討がされておらず、結果として理研は、iPS細胞研究について社会一般に誤った認識を植え付け、STAP研究に不適切な期待を抱かせた。
また、小保方氏の研究室やかっぽう着姿で研究する小保方氏を公開するなど、派手な広報が展開され、必要以上に社会の注目を集めた。報道発表の大部分は笹井氏が取り仕切り、正確で客観性の高い広報という視点からの報道発表ができなかった。報道発表は理研広報室が最終的な責任を負っているにもかかわらず、CDBをコントロールできず、大きな混乱を招いた。
(そもそも野依現理事長が現職についたのは2003/7のことで、以後2004/12までに3件の「研究不正」が発生している。STAP事件は理研史上最悪の捏造で、ガバナビリティの欠除は当然問われるべきだろう。)
▼4.再発防止策
小保方氏の研究者倫理の欠如、科学に対する誠実さ・謙虚さの欠如は、研究者としての資質に重大な疑義を投げかけるものであり、小保方氏の研究不正行為の重大さと共に厳しくその責任が問われるべきなのは当然。極めて厳しい処分がなされるべきである。
笹井氏はデータの正当性と正確性を自ら確認せず、共著者、責任著者としての責務および、小保方氏に助言する責務をいずれも軽視し、拙速に論文を作成した。組織上の職責、指導的立場に照らし、小保方氏と並び責任が問われるべきである。竹市氏の組織上の責任もまた、厳しく問われるべきである。
CDBの構造的欠陥の背景には、CDBトップ層全体の弛緩したガバナンスの問題があり、人事異動など通常の方法では欠陥の除去は困難である。任期制職員の雇用を確保した上で早急にCDBを解体すべきである。
STAP現象の有無を明らかにせずうやむやにすることは、科学研究に対する国民の信頼を傷つける。正しい再現実験を行うことは国民に対する義務である。
研究不正が認定されていない論文にも、複数の重大な疑義が判明した。速やかに調査を行い、研究不正の有無を明らかにすることを求める。2本の論文について、生データの確認などの検証が行われていない。前代未聞の恥ずべき不祥事の発生を許したプロセスの詳細な解明なしに不正根絶は困難である。
公正な研究の推進、研究不正の防止の責を担う組織として、研究公正推進本部を理事長直轄の本部組織として新設し、強力な権限を付与することを求める。同本部の下で実験データの記録・管理に関する方針を定める。
ガバナンス体制を改め、産学官から適材適所の人材を理事に登用する。少なくとも2人の研究担当理事を置く。外部有識者のみで構成される「理化学研究所調査・改革監視委員会」を設置する。
論文はすべて撤回の見通しとなったが、STAP問題が日本の科学研究の信頼性を傷つけている事実は消えない。研究不正は科学者コミュニティーの自律的行動により解決されるという社会の信頼の上に、科学者の自由は保障される。理研がリーダーとして範を示すことが期待される。 〉
PIという言葉がこれまで意味不明だったが、「研究室主宰者」とあるので「Principal Investigator」の略と判明した。英略号を使う機会が増えているが、メディアは横組み記事にして、略号をスペルアウトするようにしてもらいたいものだ。PIを国立がんセンター研究所あたりでは「室長」と呼んでいる。独立したラボ(研究室)の管理運営責任者で、研究能力以外に外交折衝能力、研究費調達能力、人事管理能力が要求される。小保方がこれらすべてに欠ける人物であることは、素人眼にもわかる。
その小保方が「公募人事」であるにもかかわらず、実質「一本釣り」で採用されたのはCDCトップの意向がからんでいたからであろう。「人事委員会」があったのなら、その構成メンバーと審議経過も理研は公表すべきである。議事録は残っていないだろうが、事務方はこういう場合、必ず「事務連絡用議事記録」を残す習性があるから、それを確保すればよいことだ。改革委はそのことを知らなかったのだろう。
1と2に若山照彦山梨大教授の名前が出て来ないが、一種の「司法取引」があったのだろうか?また現在「再現実験」に取り組んでいる丹羽氏の役割に関する言及もない。
3では前段では、2010年度以来の理研の「研究不正」策が、実効のないものであり、理研上層部に不正防止や発生時の対応と真相解明の努力がきわめて乏しいことを指摘しながら、後段ではCDCだけの問題に絞っており、ここに論理上の大きな飛躍がある。ここには全理事と理事長に責任が及ぶのを避けた「政治的判断」が働いている。研究倫理上の腐敗が、CDCだけに存在するという論理には説得力がない。
4では「理研惨敗」のA級戦犯が指名されている。「一罰百戒」というから3人の指名と処罰(依願退職を含む)は妥当だろう。CDB解体でシャッフルすれば、腐った人間関係も消える。
「恥ずべき不祥事の発生を許したプロセスの詳細な解明なしに不正根絶は困難である」というのなら、1と2の問題を早急に明らかにすべきだろう。
「正しい再現実験を行うことは国民に対する義務である」というのは、調査委の結論およびネイチャー2論文撤回の意味が正しく理解されているとはいえない。再現実験はすでに世界で1ダース以上おこなわれていて、すべてネガティブである。「ないこと」を証明するのは「悪魔の証明」である。CDC解体を行ったら再現実験もできないのだから、この提言は矛盾しており、時間稼ぎといわれても仕方ないだろう。
「理研ORIの設置」も意味がない。今日、他施設との共同研究や学際的研究が当たり前になっていて、理研だけで自己完結する研究は少ないだろう。現に問題のネイチャー論文にも早稲田大、東京医大などの研究者が名を連ねている。日本版ORIの設置こそ、今回のSTAP事件から日本の研究者が学ぶべき最大の教訓であり、この部分の提言は文科大臣に対してなされるべきものだ。ノバルティス社の研究不正を見ても、厚労省がらみの研究者不正も目にあまるものがある。特に、私立大学の場合は「収賄」という概念がなく、野放しになっている。また国公立大学でも奨学寄付金は実質的に「商行為」としてなされているのに、この不正をチェックする機構がない。
「教育、厚生、薬事、バイオサイエンス、科学技術(原子力を含む)」という広い分野について、公的研究資金で支援された研究上の不正を監視する「日本版FDA・ORI」が必要である。これがテレビタレントまがいのいかがわしい「御用学者」を一掃する近道である。
「研究不正は科学者コミュニティーの自律的行動により解決される」のは事実だが、それはT.クーンが『科学革命の構造』(みすず書房)で述べたように、一挙には起こらない。新しいパラダイムは古いパラダイムの信者が減って行き、新パラダイムの信奉者が多数になることにより成立する。
上記「弁護士ドットコム」には、<理研改革委の岸輝雄委員長は12日夕に開かれた記者会見の冒頭、「ヨーロッパにいる友人から、『今回の不正は、世界の三大不正の一つとして認知された』というメールをもらった。>と述べたとある。「世界三大不正事件」とはおそらく「ピルトダウン人事件(1912)」、「シェーン事件(2002)」に「小保方事件(2014)」をいうのであろうか。
6/14「ハフィントンポスト」では、山梨大市川家国特任教授の発言として、「三大不正」を「シェーン事件」、「韓国のES細胞不正」事件、それに今回の事件の三つをあげ、「3つの事件のなかでも一番がSTAP細胞論文の問題で、これから教科書的に扱われることになる」と述べたとされている。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/14/stap-cells-text_n_5494275.html
が、「科学不正」というくくりでは「ピルトダウン人事件」がトップに来るだろう。これには英国の国家的威信がかかっていた。韓国のファン・ウソク教授のES細胞捏造など、世界は初めから信じていなかったから大したことない。
教科書といえば、考古学の世界的な教科書であるコリン・レンフルー(Colin Renfrew)『考古学(Archaeology)第4版』(Thames & Hudson,2004)には、藤村新一による「旧石器遺跡捏造」事件が、「考古学における不正」という項目に載っており、Shinichi Fujimuraという名前もしっかり書かれている(p.577)。まあ、Haruko Obokataも「科学不正史」には腐朽の名を残すだろう。それとともに理研の名も残る。
カリフォルニア大デービス校のノフラー博士が述べたように、今や「小保方パラダイム」の信者は絶滅危惧種だ。ネットで告発した無名の多くの科学者の「自律的行動」の成果といえよう。「ネット集合知」の威力に比べ、ノン・ヴァーチャルな世界の機構とその対応が著しく時代遅れ(オブソリート)なものになっている。繰り返すが「再現実験」は必要ない。事件に当初から関与している竹市センター長が「STAP細胞はすべて虚構だった」と声明すればすむことだ。
武田ブログの「報道検証12」の書き込み、
<Unknown (Unknown) 2014-06-13 11:36:
CDBの解体だけで済まされる問題ではない。この問題には、生命科学系大学院の濫造により、Twinsに代表されるような、いいかげんな教育機関が、安易に博士号を乱発している実態が背景にある.レベルの低いドクターは、就職にありつけないので、ポストを得るために捏造に手を染める.この状況を変えない限り、第2,第3の小保方やCDBが出てくるだろう。大学院の定数減により、大きな節税が期待できる.>とある。
基本的には同感だ。医師免許のない人に「医学博士」を授与するのを止めること、4年生の学部教育はすべて「教養教育」にすること、大学院の「修士課程」を廃止し、すべて「博士課程」にすること。榎木英介さんが『博士漂流時代』(ディスカバー21, 2010)で問題にし、毎日新聞科学環境部『理系白書』(2003)が指摘した「みじめな理系の状況」を変えるには、需給バランスを変え理系から法経系の学部に容易に移動できるようにするがよい。
「理系白書」の冒頭には、ある団地の駐車場造設問題が起き、対策委員となった、ある理系の東大名誉教授が「法律や行政に詳しい団地住民」を探したら、「安い団地に残っているのは理系ばかり。かつて団地にいた文系の大手企業の社員は一戸建ての主となって引っ越した」と気づく話が出てくる。彼はこういう。「日本の技術がもたらした巨大な富は、技術者ではなく、銀行や不動産の関係者に流れた…」。
この構造を変えるには、古賀茂明氏(『官僚の責任』)がいうように、明治期に成立し1940年の「国家総動員法」で強化された、官僚制度そのものの改変が必要だ。それは別の機会に論じたい。
6/16月曜日に「日経」科学部の記者が取材に来るそうだ。事前に質問を提出してもらった。その中に<1.先生は2月初めの時点でパブピアでは「7本しか小保方氏がヒットしない」などの点を指摘しています。最初に少し引っかかりのようなものを感じたのは、いつごろでしょうか>というのがある。
このメルマガ2/3に「今までは「下働き」的な研究で、自前でやった研究の論文がいきなりNatureに2本も同時掲載されるというのはきわめて珍しい。
ただこれがマウスだけに起こる現象か、他の動物やとりわけヒトにも起こることなのか、そのへんの詰めは恐らくもう行われていると思うが、他の研究者による追試と再現性の確認を待つべきだろう。(マウスでは起こるがヒトでは起こらない、という現象もままある。)
一般論として述べると、科学研究は他者による「再現性の追試」があって初めて事実として認定されるべきだ。2/1「読売」社説は、すでに事実として認定した上で、「メカニズムの解明を」と呼びかけているがいかがなものか…。」と書いたように、私は1/30のメディア報道を初めから信じていなかった。ヴァカンティ兄弟がユダヤ人だということもあって、ネットでは「ユダヤ陰謀説」も流れていた。豊富な資金力をもつ理研が目を付けられて、小保方が送り込まれたという説だが、私は陰謀史観には組みしない。
ただ証拠もなしに批判的コメントを発表できないので、いろいろ調べるのに3日かかったというわけだ。
「武田ブログ」に、
<Unknown (Unknown) 2014-06-13 14:58
筆頭著者は懲戒免職くらいでは足りない。今後一生STAP細胞を作り続ける罰。もちろん自費で。
略して、「Sisyphean Task As a Penalty」 >、とある。
これはカミュ『シジフォス(Sisyphos)の神話』のことだろう。山の頂上まで岩を運び上げると、その岩がまたひとりでに転げ落ちるので、また運ぶという罰を食らったのが神話のシジフォスだ。原話はアポロドーロス『ギリシア神話』(岩波文庫)にある。ドストエフスキーはシベリアで似たような刑罰をくらった。「意味のない労働がいかに人間をダメにするか」を『死の家の記録』に書いている。最初のメディアをすっかり信じこんだ人の中には「かわいさ余って憎さ百倍」という人もいるだろう。メディア関係者もそうかもしれない。が、行き過ぎてはいけない。
私は小保方を信じていなかったから、憎んでもいない。むしろ「平成の安部定」事件になることを懸念していた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%83%A8%E5%AE%9A#.E5.A4.B1.E8.B8.AA
事実、「機密保護法案」、「福島汚染水問題」、「改憲なしの集団的自衛権行使」、「国民投票法」改正など、日本の運命を決める重要な問題が、ほとんど議論なしで決められたり、あるいはこれから決まろうとしている。これらは喩えれば、昭和の初めに「統帥権」が政府権限から切り離され軍部の権限とされたのにも等しい。
6.14の新聞は「中国」社説が5段1本記事で「理研の改革、幕引きを急ぎすぎでは」と取り上げていてびっくりした。
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=62960&comment_sub_id=0&category_id=142&category_list=142&localfrom=column&pl=339717227
あの「毎日」でさえ2本社説の1本が3段で、「理研の改革、覚悟を決めて取り組め」である。「もしやひな形は共同通信の配信か?」と札幌、新潟、四国、沖縄の新聞を調べたが、「中国」オリジナルとわかってホッとした。
ハワイから戻った娘は、アメリカの大学と大学院で生物学を専攻したのに、日本の「STAP騒動」をまったく知らなかった。確かPh.D.はショウジョウバエの「ホメオボックス遺伝子」の仕事でもらったはずだ。まあ「コップの中の嵐」で済んだようでよかった。
彼は誠意を持って、この件の解明を自分なりにやろうとしたのは、十分に伝わる。
あとは理研内部の自浄能力と、笹井氏が研究者として真実を正直に語ることに尽きる。
彼の研究者としての能力を尊重する理研や周囲の気遣いは理解できるが、ここは竹市氏を始め、皆が正直になるしかない。もちろん理研の他の重鎮達がした行動も、それぞれが正直に話して貰いたい。真実尊重は科学者の基本なのだから。
小保方さんは自己認識能力が欠如しているので、今後も幻想に浸って生きるのだろうと思われる。
”平気で嘘をつく人達”
著者 M。スッコト、ペック 草思社刊
*どんな町にも住んでいる、ごく普通の人
*自分に欠点がないと思いこんでいる
*罪悪感や自責の念に耐えることを絶対に拒否する
*異常に意志が強い
*他人をスケープゴートにして責任転嫁する
””””””””””””。
是非一読乞う! (PCでの検索可)
内部告発は天の声。品性と廉恥をもち、知的表現(日本語は実に表現豊かで品格有り)でどんどん事実を投稿いたしましょう!。
一滴の水は、いずれ大海の大波となり、悪を制覇いたしましょうぞ!!!!
追伸
先程、投稿いたしましたが、不成功で失礼いたしました。御免あそばせ。
”平気で嘘をつく人々”
(著者 M。スコット.ペック 草思社刊)
*どんな町にもすんでいる、ごく普通の人
*異常に意思が強い
*自分に欠点がないとおもいこんでいる
*罪悪感や自責の念に耐えることを絶対に拒否する
*他人をスケープゴートして責任を転嫁する
’’’’’’’’’
一読の価値大! (PCにての検索おすすめ)
内部告発は天の声、善良な市民よ、廉恥を知り知的好奇心で事実のコメントを品性をもって投稿しましよう。 油断大敵、決して手加減、手抜きのございませぬ様に!!!
継続は力!!
それにしても、女性は徳ですね。時間が読めなくても、ポエムしか書けない博士号でも、女性であれば許されるから
て言うか、07:15のあとの06って何?
「129/sv-GFPから作ったはずのもの」は、129B6F1、GFPは18番でホモ、各一コピーだから、なんのことは無い、若山先生のところの、129B6F1-GFPのESそのものだったということでしょう。」
予算ですが、笹井氏と小保方氏の2人の出張費が500万円、小保方氏は論文執筆に私用PCを使っていたはずなのに購入記録があったPC29万円、高額なラボチェアーなど、つじつまが合わない使い道が多数報じられていました。これだけの不正流用の証拠が挙がっていれば、教授会でクビは確実でしょうし、横領罪で逮捕される可能性もあるでしょう。
FLSは、トランスフェクションで可能だと思う。
↓ 参考
オホホポエム(3/9)
CD45 OCT3/4::GFPはニョロニョロに頼んでもエア増えない万能ワカメオホホ細胞や増えるワカメオホホ細胞のb6ゲノムは無理だったの。でもね、頑張り屋
さんだからOCT3/4::GFPリンパ球はb6ね。cag-GFPエアオホホステムは129/b6ESトランスフェクトだからショットガンリードの周辺配列はスナフキンも困るカオス理論かな。
(翻訳)
B6ゲノムを持つCD45 OCT3/4::GFPのSTAP細胞やSTAP幹細胞を作るのは無理だった。
B6バックグランドのOCT3/4::GFPリンパ球のゲノムやRNAを抽出してNGS解析に用いた。
cag-GFP由来STAP幹細胞は129/B6-F1由来ES細胞にCAG-GFPをトランスフェクトしたものだから、(実際には15番染色体にGFPがタンデムに入っていて、若山研の18番染色体挿入とは異なるので)若山さんには説明がつかないだろう。
日本語がおかしかった・・・
ES細胞って、内部細胞塊を適当に培養したら誰でも簡単にできるものなの?
と書きたかった。
この疑問点、不思議ですね。ES細胞って、内部細胞塊を適当に誰でも簡単に培養したらできるものなの?そもそも小保方氏はOct4-GFPの妊娠マウスにアクセスできる状態だったの?
この文章を読んだだけで、この人には論理性が皆無であることが分かりますね。「責任」という言葉の意味を理解してから書き込みましょう。それができないならROMに徹しなさい。見苦しい。
アノニマスさん、花職人さん、および一部のUnknownさんの書いているとおり、若山さんは共著者としての責任を、可能な限り果たされていると思います。
理研内部からの告発とかいう文章、本当だろうか?内部の人が竹市先生の名前を誤変換するかなあ。
>大学教授が不祥事で辞めることなどいくらでもある。論文不正は重大な不祥事である。
不正をしたのは小保方氏。若山さんは共著者として不正を見抜けなかった責任はあるが不正はしていないと推定される。事実の歪曲はやめましょう。
>若山氏にとっては、ポストよりも、研究者生命の危機のほうが重大だと思いますから。
これはそのとおりだと思います。若山さんなら受け入れ手に困らないので、山梨大の職に固執しているとは思いがたい。むしろアノニマスさんの仰るように理研の処分とのバランスを勘案し(もしかしたら理研からの圧力も受けて)現状のような判断をされていると思います。
ああ、代わりがいくらでもいて、いつでも辞められる責任感のない仕事の人はうらやましいですね。こっちは、次の夜のシフトの人が入らないから、辞めたくても何ヶ月も辞めさせてもらえない。
そう言えば小保方さんも会見の時にもう一人実験に成功した人が居るって言ってたわ。若山さんの言い分と珍しく一致!
だから、組織の管理監督という意味では、小保方氏の上司である笹井氏らCDBトップクラスの責任が大きいと思います。
従って、若山氏の責任は、あくまで論文の共著者であることから生じていると考えます。
若山氏が、山梨大学に処分を求めると言っているのは、辞任も視野にいれたものと推測しています。若山氏にとっては、ポストよりも、研究者生命の危機のほうが重大だと思いますから。今、若山氏が辞任を表明すれば、責任を取ったと世間は納得するし、余計な中傷を受けることもなくなります。だけど、今、若山氏はそれを言えないのだと思います。理研の懲戒委員会の処分決定が出ていない状況で、若山氏が辞任表明をしたら、懲戒委員会は必然的に、笹井氏や竹内氏、丹羽に若山氏と同等かそれ以上の処分をせざるを得なくなるからです。改革委員会が厳しい処分を求めていますが、これは拘束力がありませんからね。
ご心配をおかけしており大変申し訳ありません。再現出来ないという文句はいずれ来るだろうと思っておりましたが、図のミスがいくつかあるとは思っていませんでした。再現性より図のミスの方が痛いです。
新聞やインターネット上でいろいろミスを指摘されていますが、結果を否定するものは一つも有りません。電気泳動の指摘も、コントロール(リンパ球)のレーンの位置であり、実験区は指摘されていません。胎盤の写真は、おそらく僕が同じ試料をピンセットで向きを変えて撮ったものだと思いますが、そもそもこの図は再投稿のさいに削除するのを忘れたミスで、テキストの方では触れていません。したがって、ミスしたことは申し訳ないと思っていますが、本筋の結果に関して問題なくすでにnature側と修正を交渉中です。次に再現性の問題ですが、理研の発表で簡単ということを強調しすぎたのも原因です。(2日でできる)
僕自身、理研では再現していますし、学生の一人も成功しています。でも試した他のメンバーは失敗です。(2/5人成功) [学生の一人も成功]
第三者機関(放射線医学研究所)の結果が出るまで待って、解析結果を元に
会見をひらいた。その間いらぬ事は一切言わずに。
責任はあると思いますが彼は説明責任は果たしていると思います。
これからの研究者人生の中で責任は取らざるはえないと思います。
茨城大学で大切な事は学んできたのでしょう。
小保方氏はたしか早稲田大学AO入試第一期生でしたね。
若山氏は疑義が出た段階で山梨大学の学長に辞表を提出していました。小保方の不正をもっと早く見抜けなかったのは彼の能力の限界なのでしょう。しょせん茨城大
私が若山さんの責任が重いと言った訳が分かりますか?もっと早くご自分で決断するべきでした。何度でも言います。論文の共著者には責任があります。不正論文ならなおのことです。特に最初の会見をした三人は。
内部でSTAP細胞の遺伝子解析はしていて、結果を「出すな」と圧力を掛けていたとのこと。
出所の疑われる細胞が存在するときに真っ先に行うのが遺伝子解析なので、CDBは疑義が生じたときに真っ先に遺伝子解析をしたことだろう。
小保方が素直に論文撤回をするとの誤算があったので、あの笹井氏の記者会見で有耶無耶にするつもりだった。しかし、小保方が弁護士を4人も雇って論文撤回
に断固反対したため、騒ぎがここまで大きくなった。
小保方が素直に論文撤回に応じていれば、小保方の不正の証拠もポエムノートも世に出ることがなかっただろうから、CDBも存続し、笹井氏も無事センター長に就任していただろう。
理研の隠蔽体質を考えると、不正論文は小保方が最初のケースではなくこれまで何度もあったが、闇に葬り去られていたのかもしれない。
http://critic20.exblog.jp/22244113/
>内部のものです
>CDB三銃士の先生方の奮闘には頭が下がります
>またラストサムライである若山先生もちゃんと説明を果たしたと思います。少しブログ主様が勘違いされているようですが
>Kahoさんと若山先生が解析した細胞は作成日が違います
>Kahoさんのは2013年半ばに解析に出されたサンプルであり
>そもそも若山さんは山梨に行ってしまった後なので彼の関与は全くなく、そもそものstap細胞がTSとESの混ぜ物であったことが判明。
>若山先生の結果は2011-2012の時点で彼女が渡したstapがESで有ったことの証明になります
>有り体にいいえば、その場その場で自分の持っているインチキの細胞を渡していたことになります。
>武市先生は直前まで若山先生の第三者機関の放医研からの発表をするなと強く圧力をかけていました。それどころか、CDB内の三銃士たちの解析結果も絶対出すなと言っていたのです。もちろん小保方冷凍庫からES細胞が見つかった事など、口が裂けても言うなという感じだったのです。しかし、何処かからかリークが起こり、結果的に理研は公表した形になりました。
>そんなのまでして何を守りたいのでしょう。
ロバート・ゲラー先生が良いことを言っておられます。
「生物科学分野に優れているがちゃんとしたポストにまだついていない若手研究者がたくさんいる。かれらを冷遇して、不正が認定された人を優遇する必要性・必然性を理解出来ないのはぼくだけでしょうか?」
「仮に理研は甘い処分を下すとしたなら、研究不正を温存した、ということになりますね。世界の三大不正とされているのに、、、、、、
そのうえ、不正防止を強化するというのであるなら全世界の笑いものになります」
ただ、FLSという名前のOct4-GFPを持つ「STAP幹細胞」がどうやって作られたのか、疑問に思います。小保方氏にOct4-GFPマウス由来のES細胞が樹立できたとは思えませんし。もしかして、Oct4-GFPマウスからはSTAP細胞が作れるのか? だとしたら、Oct4-GFP(Oct4のプロモーター+GFP)の挿入によって細胞が初期化されやすくなっているのか? プロモーターがリプレッサーのようなものを本来のローカスと奪い合った結果、Oct4が発現しやすくなっているとか?
小保方さんがあるというなら論文出しなおすしかない。
共著者としての責任は十分果たされたと思います。
PIとしては、実験ノートのチェックを怠り実験ノートを正しくつけさせる義務を遂行できなかった事、コンプライアンスについて日常的に指導が十分できていなかった事の2点が過失といえるかと思います。これらの点については会見で謝罪されていたと思います。
辞表を出す、というのは相当の覚悟がいる事と思います。税金が使われている事は若山さんも十分過ぎるほど認識しておられることでしょう。公金によってまかなわれている事業であるからといって、一般人が納税者であるということを「錦の御旗」のようにかざして必要以上に批判するのは異常であると感じました。
古代ローマでは、納税(当時は軍役という直接税ですが)した量に応じて発言権があったようです。単純に仮想的に私の納税額から試算すると、理研の800億のうち、800円分くらいは発言できるのかなぁ、と思いました。少ないなぁ。
私は、大学も出ていない一般市民で60代の女です。科学研究もコンピューターも知識はありません。
長くした仕事は事務屋でした。
STAP論文の問題についても、ニュースとネットで得た付け焼き刃の知識を基に、事実と感情論を分けて、乏しい脳みそを総動員して一生懸命自分なりに考えているだけです。
だから、この事件の登場人物の誰かに肩入れするのではなく、冷静に事実を見つめたいと思っています。
人間は社会生活を送る以上、何歳になっても騙されます。どれだけ人生勉強を積もうと万能にはなれません。皆が東大に入れる訳でない。上下関係をわきまえることは社会人必須です。若山教授の会見を見た後でも責任の所在以外の人間性の部分について口汚く罵る人達こそ不用意で不注意な人達なのだろうと思います。国民の税金、と仰るのは当然ですが、若山教授は悪意が無く、責任を取る為の最善の努力を実行表明されておられる。若山教授が研究に邁進出来る日が早く訪れることを祈ります。
今回の例では、若山さんはletterのコレスポンディングオーサーなので、一般的な共著者よりは責任が重いため、他の著者の実験内容は知りませんという言い訳は通らないですね。でも彼はその責任をとった行動をされていると思いますよ。
「悪意」(故意)がある共著者に騙された場合、普通の研究者には不可抗力の場合も多い、と思います。今回の例では、ノートさえチェックしていれば見抜けたと思いますが、テレビに映る小保方氏の演技力からいって、日常の研究活動で見抜くことは不可能だったと思います。騙された若山さんを気の毒に思います。
共著者の責任について、というのは難しい問題です。共著の論文を執筆することはよくありますが、「ノートを見せろ」と共著者に要求した事、された事は一度もありません。生データを頻繁にやり取りするので、おおよそ、相手の実力は分かるつもりですが、「悪意の有無」が分かるかどうかというと全く自信がありません。共同研究は、基本的に相手との信頼関係によって成り立ちうるものだと思います。
シェーン事件では、共著者の責任については結論が出されずじまいでした。3大捏造の1つになるであろう今回の事件で、なんらかの共通認識や公的な見解が示される事はあるのでしょうか? 難波先生のご見解やいかに?
何かの上場までの時間稼ぎかな?と思いました。
若山教授の会見、見ました。
解析結果をきちんとモニターにうつしてお話をされていました。
質問にも丁寧に答えていて好感をもちました。
この件ではじめて科学者としてマスコミに出られた方と思います。
これから、若山教授が幸せでありますように。
全体では、悪魔の証明と同じでないという証明はできないので、あるというなら小保方さん自身が証明してくれと突き放した会見だったのですが、マスコミ(TV局)のピント外れの質問と丁寧に答えた言葉のあやで「本当だったら素晴らしい発見ですが」といったのが一人歩きした感じ。
それよりこの期に及んで下村文部科学大臣が小保方さんの活用やSTAP 実在証明にこだわって発言しているのがあり得ない。日本版研究公正局作った方が後々のためになるのに。
若山氏は、山梨大を早く辞めたいというのが正直なところだろう.こんな状況では、これ以上日本に居たくないだろう
ここからは、私の推測で根拠はありません。
小保方氏、笹井氏の二人が若山氏に向ける視線は、非常に上から目線に感じますし、以前、ネイチャー論文の作成に関しては、笹井氏と小保方氏によって進められて若山氏は入れなかったという話もあったことから、若山氏は、キメラマウスの作成技術のみが必要とされたのではないでしょうか?
理研にいた頃の若山氏は、招聘研究員で理研と雇用関係がなかった(この意味は私はよくわかりませんが)と改革委員会の報告書に述べられていますし、途中なら山梨大学に移っているので、果たして小保方氏、笹井氏の二人に対してどれだけ発言力や影響力があったのかと思います。
何も研究の世界に限ったことではないが、アカデミックな世界も階級社会だ.笹井氏は36歳で京大教授に就任し、若山氏が山梨大教授に就任したのは46歳だ.業績から言えば教授になったのはかなり遅く、旧帝大出身であったら、もっと早かったであろう.
大学の偏差値は茨城大よりも早稻田のほうが上であるし、小保方は医師ではないが、女子医科大やハーバードの系列のブリガム婦人病院に出入りしていたので、若山氏は、小保方との生命系研究者としての「格」の違いを感じていたに違いない.このため、小保方を怪しいと感じていたとしても、
「研究室の大学生に指導するように、『実験ノートを見せなさい』とは言えませんでした」
この発言は事実であろう.
また、若山氏は、昨年、共著者を降りたいと、京大医学部元教授の笹井氏に言ったが、笹井氏に説得されたとも言った.笹井氏は、若山氏を見下していたが、マウスの第一人者である若山氏を共著者の一人に入れてSTAP論文の信頼性を高めたいという打算があったのだろう.若山氏も、笹井氏からの依頼を断れなかったに違いない.