ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ケトン体3,300に! 】難波先生より

2016-04-26 12:25:16 | 糖質制限食・ケトン食
【ケトン体3,300に! 】
 4/8(金)に診療所で受けた「血液検査」の結果が、4/14(木)にやっと郵送されてきた。遅い!
この前、福山の検査会社を訪ね、会長に会って「お宅のインスリンとC-ペプチドの値には、<基準値の範囲>も単位も書いてない」と指摘しておいたのだが、まったく修正されていない。

 「ケトン食」で暮らしているのだから高ケトン体血症になるのが当たり前で、予想したように3,300nMを超えた。正常値上限の27.6倍である。だが、ちっとも病的な自覚症状がない。
 それどころか、雑念が消え、集中力が増し、仕事がはかどる。
 毎日、昼と夜に焼酎を飲んでいるのに、
 AST(GOT) 34(8-40), ALT(GPT)23(4-45)、γ-GTP 33(80以下) と肝機能には何の障害もない。面白いのは空腹時血糖値(正午前採血)が、前夜から20時間の絶食なのに、137(70-109)mg/dLもあったことだ。
 これは炭水化物由来のグルコースとは考えがたく、タンパク質と脂質を素材として、肝臓でグルコースが新生され、血中に放出されたためであろうと思う。つまり「内因性グルコース」だ。驚いたことにHbA1cは、5.5(4.6〜6.2)%とまったく正常値の範囲にあった。これは過去4ヶ月の平均血糖値を示す指数である。

 インスリン(前回2.8)は3.3(5〜15μU/ml)に、C-ペプチド(前回0.74)は1.05に増加していた。β細胞で作られたプロインシュリンが、タンパク分解酵素により切断されると、インスリンとC-ペプチドになる。インスリンはホルモンだから、細胞がグルコースを取り込む時に利用される。よって血中レベルは産生量よりも常に低い。 
 C-ペプチドが高いということは、より多くのインスリン産生が行われ、そのかけらであるタンパク質が血中に多く残っていることを意味する。β細胞が機能していることの間接証拠だ。
(写真1)
 これで「Ⅱ型糖尿病は、ケトン食により完全回復する」という命題の検証実験に成功したと考える。「1例報告」なので、追試実験とか臨床試験は専門医にお願いしたいと思う。
 後は「ケトン体を5,000(胎児レベル)まであげたら、どういう症状が出るか?」をテストしてみたい。「ケトン体が5000になってもケトアシドーシスは起こらない」という宗田哲男説(宗田哲男「ケトン体が人類を救う:糖質制限でなぜ健康になるのか」、光文社新書、2015/11)を自分の体を実験台にして実証してみる予定だ。

 4/14(木)の食事は、13:00過ぎに写真1のようなものを食った。昨日は、オリーブ油が切れたので、「ごま油」を代用に用いてみた。さらさらしていて、まったく味がない。これはだめだ、と思った。そこで今日は昼前にスーパーでオリーブ油を買ってきた。イタリア産とスペイン産しかなかった。このBOSCOは粘稠度が高く、薄い緑色をしているので、気に入った。
 味付けには「塩胡椒」をたっぷり使うが、血圧、血中ナトリウム、カリウムともにまったく異常がない。余分のものは尿中に排出されているのだ。
 今日、食後にベランダで読む本は江部康二「人類最強の<糖質制限>論」(SB新書、2016/4)で、これは出たばかりの本だ。副題に「ケトン体を味方にして、瘠せる、健康になる」とある。

 これを読んだ感想として、以下の意見を書く。
 もともと「ケトン食」は「先天性小児てんかん」の治療法として開発された。「てんかん」というのは、脳細胞の1個または数個が異常に発火し、それが脳細胞全体に波及して、全身の痙攣が起こる病気だ。
 雑念とか集中力の低下は、いま集中作業に向けられているニューロンが、つい隣の別のニューロンを刺激してしまうことで起きる。つまりニューロン群が無作為に小範囲に発火するのが、雑念であり、そう病の「意想奔逸」であり、本質的にはてんかんの「大発作」と同じである。
 血中グルコース濃度が高いと、この発作が起きやすくなる。事実、私の糖尿病が発見されたのは「そう病」で入院中に「薬の副作用」を疑った主治医が血糖値検査を実施したからだ。
 逆に血糖値が下がり、ケトン体値が上がってくると、雑念が消え、心が穏やかになってきて、集中力が高くなる。(いわゆる「勉強がよくできる」状態。)

<4/21追記:
 4/19に客があり、レストランで普通のフルコース・メニューを食った。「尿糖試験紙」でその前後の尿糖を測定したので、以下に記載する。
 9:00=空腹時 、尿糖(-)
15:00=食後30分、尿糖(++)
19:30=食後4時間、尿糖(+/-)
 パンもライスも食っていないが、グラタンなどがあったので、その炭水化物由来のグルコース高値が正直に尿糖に反映されている。

 4/21に改めて(この日はケトン食を13:30に摂取した)尿糖を測定した。
12:30=空腹時、 尿糖(-)
18:30=食後6時間、尿糖(-)
 炭水化物を摂取すれば、食後高血糖となり、その一部が尿中に排出される。またケトン食では食後高血糖が起こらないので、腎臓から尿中に排出される余分なグルコースはない。これは理論的に予測されるが、実測値もその通りになった。この実験も成功である。>


 「小児てんかん」には脳腫瘍のために起こるものもある。江部先生が面白い例を紹介しておられる。1995年、脳腫瘍(アストロサイトーマ)のある2例の小児てんかん患者に、ケトン食を食べさせたところ、てんかんが抑制できただけでなく、脳腫瘍が退縮したというのだ。
 これは「腫瘍病理学総論」の視点からは完璧に説明がつく。「がん細胞」はグルコースを主な燃料としており、ケトン体を燃やすことは、ほとんどできない。(ケトン体の燃焼には、ミトコンドリアが必要だが、がん細胞にはこれが乏しい。)
 そこで2011年から米NIHとアイオワ大学が連携して「がんのケトン食治療」の臨床試験が開始されたという。

 生物学・医学には「DNA-遺伝子論」以外に、物理学のような「大統一理論」がなぜないのか、不思議に思ってきたが、いまやっとその可能性が見えてきたように思う。
 がん幹細胞=ケトン体とグルコース代謝の違い=糖尿病とアルツハイマー病の発生機序が、もう一元的に説明できる射程範囲に入った。(追い追いに説明したい。)
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