今回は、越境交通にかかわる仕事だったので、
いくつか越境地点の視察へ行ってきた。
実は、陸続きの国境地点に行ったのは、はじめて。
一つ目は、ベトナム中部のラオスとの国境地点Lao Bao。
フエから北に70km走ったDong Haから西へ曲がり、
80kmほど山を上ったところにある国境地点だ。
Lao Baoは、ミャンマーからタイ、ラオスを通り、
ベトナムのダナンへつながる東西コリドーの通過ポイントである。
先月、このコリドー沿いの第二メコン架橋が開通し、
バンコクーハノイの陸上貨物輸送の時間が可能になった。
これまでは、航路で2週間かかるところが、陸上なら4日で
輸送可能ということで、注目が集まっているのだ。
ダナンを7時に出発し、12時にLao Bao到着。
Lao Baoの街は想像以上に開けていた。
幅広い道路、TOYOTAの車のショールーム、
立派な税関の建物と国境ゲートにびっくり。
メコン地域の数ある越境ポイントの中でも、
越境手続きの簡素化がパイロット事業的に取り組まれて
いることもあり、越境施設の整備も進んでいるのだ。
現地視察ということで、税関職員に突撃インタビューを実施。
(もちろん、通訳を通してだけど)
ベトナムの税関なんて、全然答えてくれないと思いきや、
英語の話せる人がいて、懇切丁寧に答えてくれた。
さらに、税関のDeputy Directorの方にまで通してくれ、
話を聞くことが出来た。感謝感謝。
さらに、国境地点あたりで、のんびり休んでいた、
ベトナム人商売人にも突撃インタビューを実施。
「何を買って来てるんですか?」
「ラオスから、タイのお菓子を買って来てるんだよ」
インタビュー後に、写真も撮らせてもらった。
(手前がラオス、奥がベトナム。国境ゲートの後ろが税関施設)
道路が整備され、通関手続きが簡素化されると、
物流が活発化し、経済は発展するだろう。
でも、その経済はだれに裨益するのだろうか。
今まで、トラックの積み替えが必要だったものが、
必要なくなれば、積み替えをやっていた人は仕事を失う。
輸入が簡単に出来るようになれば、国境で出会った
おばさんの商売も成り立たなくなってしまうだろう。
そして、生活道路と一体化した今の道路にトラックが通れば
交通事故が増え、その犠牲を伴うのは、地元の人だ。
さらには、経済発展が遅れているラオス。
タイからベトナムまで、そんなに簡単に通過できるようになったら、
誰もラオスには止まらないし、何も残らないのではないか。。
「経済開発によって、短期的には格差は生まれる。
でも、全体の経済がのびれば、辺境地域の経済も引っ張られ、
長期的には格差はなくなるのだ。
ラオスを通る交通量が増えれば、ラオスの便益も増えるはずだ」
という理論。確かに論理としては通るんだけど。。
そして、国や地域が発展しなければ、社会開発が進まないのも事実。
今回の出張中も、どこの国でも、この話が大前提だった。
でも、やっぱり、経済発展一辺倒の考え方には、疑問が残る。
せめて、開発から取り残される人に、マイナスの影響が
出ないような対策を考えなくては、と思う。
いくつか越境地点の視察へ行ってきた。
実は、陸続きの国境地点に行ったのは、はじめて。
一つ目は、ベトナム中部のラオスとの国境地点Lao Bao。
フエから北に70km走ったDong Haから西へ曲がり、
80kmほど山を上ったところにある国境地点だ。
Lao Baoは、ミャンマーからタイ、ラオスを通り、
ベトナムのダナンへつながる東西コリドーの通過ポイントである。
先月、このコリドー沿いの第二メコン架橋が開通し、
バンコクーハノイの陸上貨物輸送の時間が可能になった。
これまでは、航路で2週間かかるところが、陸上なら4日で
輸送可能ということで、注目が集まっているのだ。
ダナンを7時に出発し、12時にLao Bao到着。
Lao Baoの街は想像以上に開けていた。
幅広い道路、TOYOTAの車のショールーム、
立派な税関の建物と国境ゲートにびっくり。
メコン地域の数ある越境ポイントの中でも、
越境手続きの簡素化がパイロット事業的に取り組まれて
いることもあり、越境施設の整備も進んでいるのだ。
現地視察ということで、税関職員に突撃インタビューを実施。
(もちろん、通訳を通してだけど)
ベトナムの税関なんて、全然答えてくれないと思いきや、
英語の話せる人がいて、懇切丁寧に答えてくれた。
さらに、税関のDeputy Directorの方にまで通してくれ、
話を聞くことが出来た。感謝感謝。
さらに、国境地点あたりで、のんびり休んでいた、
ベトナム人商売人にも突撃インタビューを実施。
「何を買って来てるんですか?」
「ラオスから、タイのお菓子を買って来てるんだよ」
インタビュー後に、写真も撮らせてもらった。
(手前がラオス、奥がベトナム。国境ゲートの後ろが税関施設)
道路が整備され、通関手続きが簡素化されると、
物流が活発化し、経済は発展するだろう。
でも、その経済はだれに裨益するのだろうか。
今まで、トラックの積み替えが必要だったものが、
必要なくなれば、積み替えをやっていた人は仕事を失う。
輸入が簡単に出来るようになれば、国境で出会った
おばさんの商売も成り立たなくなってしまうだろう。
そして、生活道路と一体化した今の道路にトラックが通れば
交通事故が増え、その犠牲を伴うのは、地元の人だ。
さらには、経済発展が遅れているラオス。
タイからベトナムまで、そんなに簡単に通過できるようになったら、
誰もラオスには止まらないし、何も残らないのではないか。。
「経済開発によって、短期的には格差は生まれる。
でも、全体の経済がのびれば、辺境地域の経済も引っ張られ、
長期的には格差はなくなるのだ。
ラオスを通る交通量が増えれば、ラオスの便益も増えるはずだ」
という理論。確かに論理としては通るんだけど。。
そして、国や地域が発展しなければ、社会開発が進まないのも事実。
今回の出張中も、どこの国でも、この話が大前提だった。
でも、やっぱり、経済発展一辺倒の考え方には、疑問が残る。
せめて、開発から取り残される人に、マイナスの影響が
出ないような対策を考えなくては、と思う。