終日のたりのたりかな

帰宅しました。半日で250kmあまりの小旅行でした。土曜の早朝から日曜深夜まで、48時間のうち45時間前後にわたる普段の週末に比べると、当然ながら物足りなさはありますが、年に一度か二度はこのようなまったりした活動もよいものだということにしておきましょう。
半日限りになってしまうと分かっていながら強行したのには理由があります。来週以降は関東近辺で梅が見頃にさしかかるのです。偕楽園を始めとして、安中、越生、青梅など名所には事欠きません。来週と再来週を観梅にあてて、それが終われば春分の三連休、そこから帰ればいよいよ都内で桜が咲くことになります。これで4月下旬までの予定は決まりました。旅の季節はいよいよ後半最大の山場を迎えようとしています。

終日のたりのたりかな

銚子連絡道路、千葉東金道路と有料道路を乗り継いで千葉市内に入りました。その筋では知られた名店「いまでや」に立ち寄ります。瀟洒な構えの建物を中へ入ると、量販店も顔負けの広大な売り場が現れ、手前には酒が、その先に焼酎が、さらに一段下がるとカフェを備えたワイン売り場が配されます。雑誌に何度も載るほど知られた店だけに、品揃えが半端ではありません。量販店がプレミアを乗せて売るであろう銘酒が何事もなく売られており、酒販店の実力のほどがうかがえます。
先ほど申した酒屋の分類からすると、この店は紛れもなく「何でもござれの店」に属します。よって自分自身、この店に初めて出会った時ほど高揚することはなくなりました。しかし、それはあくまでかつてとの比較であって、この店の価値をいささかも減じるものではありません。千葉へ行くなら多少寄り道してでも立ち寄りたいと思う名店の一つです。

★いまでや
千葉県千葉市中央区仁戸名町714-4
043-264-1200
1000AM-2000PM(日祝日 -1900PM)

終日のたりのたりかな

とっぷりと日は暮れましたが、温泉空白地帯の北総ゆえに、この後は行くあてもありません。せっかくなので鰯をいただいて帰ります。大きめの丼に鰯がこれでもかというほどに敷き詰められて、なかなかご飯が見えません。850円という値段以上の満足感が残る一品です。

終日のたりのたりかな

九十九里浜の北端、飯岡の漁港に着きました。砂浜が視界の彼方へ弓なりに続き、その向こうへ日が落ちようとしています。わざわざ九十九里浜まで来たからには、せめて半日は過ごしたかったところですが、この夕日が拝めるだけでもよしとしておきましょう。日没までのわずかな時間をこの浜辺で過ごします。

終日のたりのたりかな

銚子の名店「酒のたかしま」に立ち寄ります。地酒が1に対して県外酒が3から4といった品揃えは関東の地酒専門店の標準といったところですが、古くから知られた銘酒、あるいは目下世間の耳目を集める人気銘柄よりも、むしろ通好みのする銘柄を多く揃えるのがこの店の特徴の一つです。東北から九州まで地域的な偏りが少ないのも特徴で、ざっと見渡しても近畿と中国が見当たらないといった程度ではないでしょうか。
酒屋探訪と酒場探訪には、字のごとく相通ずるものがあります。入り口では、広い店内に全国のありとあらゆる酒を並べた何でもござれの店に傾倒します。しかし、全国各地の様々な店を訪ね歩くにつれて趣向が変わり、品数はそれほどでもないものの、その土地の名もなき、しかし並々ならぬ愛情と情熱を込めて造られた酒を揃えた、店主の造詣の深さを感じる小さな酒販店に惹かれるようになります。この店はまさに後者の部類に属する店の一つです。

★酒のたかしま
千葉県銚子市野尻町164
0479-33-2075
900AM-2000PM(日曜定休)

終日のたりのたりかな

佐原を後に銚子方面へ向かって移動中です。半日限りの活動で時間もありません。こんな時のお昼はすき家に限ります。注文してから一分と待たずに運ばれ、十分とかけずに食事ができるこの店は、旅先で時間が切迫した時の強い味方です。

終日のたりのたりかな

佐原の町に着きました。都内の渋滞を抜けるのが大変でしたorz
小野川に沿って古式ゆかしい水郷の町並みが残っているのは大変結構なのですが、観光客が多いのが玉に瑕といったところです。やはり人手が増え出す前の朝方に訪ねるべきでしたorz

終日のたりのたりかな

案の定寝坊してしまいましたorz
とはいえ外は快晴、一日無為に過ごすのももったいないので今更ながら出発します。近場なので今から出ても半日は活動できます。冬場のような透明な青空なら栃木、春先の眠たげな晴天なら千葉と決めていましたが、結果は後者と出ました。まずは佐原の町を見物してから銚子方面へ向かい、そこから時間の許す限り九十九里浜を南下します。蕪村の名句のごときのどかな春の海を眺められるのではないかと期待しています。前置きはこの辺にして出ます。後ほどお会いしましょう…