日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の三陸へ 番外編

2011-02-22 23:21:09 | 旅日記
生業から帰るや否や倒れ込んで翌朝まで泥のように眠るという、マイカーでの活動帰りの後にはありがちな昨晩でした。二月ぶりにマイカーでの旅を再開して思うのは、汽車旅との時間感覚の違いです。座席にゆったり腰掛け、過ぎ去る明かりを見ながら道中を振り返る汽車旅の帰り道に比べて、マイカーでの旅は最後まで時間との戦いになります。迫り来る渋滞に急き立てられるような夜明け前の出発に始まり、旅先では常に先を目指して走り続けて、日が傾けば日没との戦いが、日が暮れたら暮れたで帰着時間との戦いが始まります。汽車旅では列車の時刻という適度な制約があり、どんなに先を急ごうとも、列車が来なければどうしようもありません。逆に、どんなに名残惜しくとも、列車が来れば次の目的地へ向かって進まなければなりません。ところがマイカーでの旅にはそのような歯止めが一切ありません。その結果、走りのペースを上げて余裕ができると、その分余計に活動してしまい、結局時間との戦いから一向に開放されないという呪縛にとらわれます。最後の牛タンなどがまさにそうで、最初の一軒で切り上げればあと一時間早く帰れたはずが、なまじ時間の余裕ができるともう一軒行こうという考えを起こしてしまいます。自由で気ままな一人旅のはずが、その自由を極限まで追い求めると、最後は時間の壁が立ちはだかる、それが久方ぶりにマイカーで旅した上での実感です。
このように、時間感覚の違いに戸惑う場面が多々あったとはいえ、そこそこ天候にも恵まれ、太平洋側の穏やかな陽気を体感できたという点ではよかったのではないかと思います。唯一誤算だったのは、主たる目的の一つであった三陸が、日没間際の申し訳程度に終わってしまったということです。紫色に染まった海もそれはそれで印象的ではあったものの、凍えそうな冷たい風が轟々と吹きすさぶ日本海とは対照的な、鏡のように凪いだ三陸の内海には違った趣があり、この海岸を明るいうちに訪ねてみたかったと思わずにはいられません。とはいえ、複雑に入り組んだ三陸海岸を心行くまで眺めるためには、一度や二度では全く足りません。これだけ東北が続くと、近日中に再訪しようという気力はさすがに起きませんが、津軽、静岡、北関東などと並ぶ冬場の旅の定番として、来年以降の予定に今から加えておきたいと思います。

今週末の予報は全国的に曇りで、この分だと三週ぶりの休養ということになりそうです。しかし、木曜金曜になって曇りの予報が突然快晴に変わるというのは、この冬には何度かあったことです。そのようなことが再び起こったとすれば、当然今週末も旅へ出るのですから、週の前半から休みの日の皮算用をするのは意味のないことです。週末の予定に関する限り、運を天に任せるしかありません。果たしてどちらに転ぶのでしょうか(ニヤリ)
コメント