本日の晩酌

今年もひやおろし、秋上がりの季節が訪れました。一夏を越して旨味と色艶を増した酒がいただける、呑兵衛にとっては最も楽しみな季節の到来です。
自分にとって冬場の酒の定番が飛露喜ならば、この季節の風物詩となるのが山形正宗の「秋あがり」です。今年から四合瓶がラインナップに加わり、「雄町」と「稲造」に次ぐ定番商品として認知されつつあることがうかがわれます。ほんのり緑に色づいた酒はバナナのような上立ち香を漂わせます。それでいながら含み香には「正宗」の名の通り切れ味があります。豊かな果物香と切れ味の鋭さが絶妙なバランスで両立しているのがこの酒ならではの味わいです。瓶詰めから時間が経っていないこともあり、例年に比べてエッジが立っている印象があります。四合瓶のメリットを活かして、来月あたりにもう一度味わいの変化を試してみるのもよさそうです。

★山形正宗純米吟醸秋あがり
水戸部酒造(山形県天童市)
原料米　山田錦
精米歩合　55％
アルコール分　16度
東京都港区　鈴木三河屋にて購入