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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.3.15 wbs・ワールドビジネスサテライト

2016年03月15日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

米国の商務省が中国の通信機器メーカーZTEがイランに対する経済制裁措置に違反したとして処分を発表しました。商務省はZTEが規制対象となっている米国製のハイテク製品を第3国を経由するなどしてイランに輸出していると指摘しました。そのうえで、米企業がZTEに製品を販売する事を原則禁止ました。ZTEは拡大するスマートフォン事業を米国からの部品供給に依存しているため、大きな影響を受ける可能性があります。米国には再輸出規制といって外国企業が米国の製品や、米国製の部品などを用いた製品の輸出を規制する法令があります。米国はイランに対する制裁を緩和したものの、再輸出規制は基本的に続けているため、外国企業は規制に従う必要があるのが現状です。アメリカは財政的負担が少なく、戦争を避けながらも効果が期待できる経済制裁を近年多く発動す傾向があるため、こうした規制には一層注意を払う必要があります。
中継担当:ジェトロNY 前中康志氏


■ニュース特集

“ライドシェア”は広がるか?
京都の北に位置する京丹後市丹後町。そこで新たな取り組みがスタートしました。やってきたのはアメリカのIT企業、ウーバーです。地元のNPO団体と協力して一般の車を使った有料送迎サービス“ライドシェア”を展開します。実は日本でも公共交通が機能していない「交通空白地域」に限りライドシェアは違法ではないケースがあるのです。11日には交通空白地域限定ですが、訪日外国人向けのライドシェアサービスを解禁する方針も決定しました。こうした動きに対し、猛反発しているのがタクシー業界です。タクシー用の免許を持たないドライバーが増えれば、事故が起きやすくなると主張します。また、国交省はウーバーに対して事故などの責任をウーバーがとらず、運転手にだけ背負わせるのが問題だと指摘します。今後、ライドシェアはどこまで広がるのか、その行方が注目されます。
取材先
・ウーバー
・NPO法人 気張る!ふるさと丹後町
・全自交労連
・国土交通省



■大和総研チーフエコノミスト/熊谷亮丸氏

・日銀金融政策決定会合マイナス金利の影響.JPG
--個人マネーの動きはまだまだ貯蓄から投資へという流れになっていないようですが、マイナス金利の経済全体への影響を見た時にどう見ていますか。
かなりプラスだと思っています。金融機関、企業、家計でそれぞれの主体にどれくらい影響があるか。表の最下段が合計で、全ての主体で1年間でプラスの影響が出ます。
--金融機関に悪影響が出ると言われていましたが、かなりプラスですね
一番上の段-656億円、マイナスの影響ですがヨーロッパに比べると4分の1以下の額で、非常に金融機関に配慮しています。もう一つ重要なのは、日銀が金融機関から高く国債を買ってくれる(2段目15,714億円)ので巨額の利益が出る。全体としては金融機関にとっても企業にとっても家計にとってもプラスである。
--ということは金融機関にかなり配慮したマイナス金利を日銀は導入したということですか。
ヨーロッパの経験から、金融システムが傷んではいけないので非常にきめの細かい配慮をしているということです。
--その場合、マイナス金利を下げ得る余地はありますか。
極端には下げられませんが、おそらく-0.5~-1.0位までは下げられると考えています。


・ライドシェアは日本に必要? -安全と規制緩和の狭間で-
--安全安心をどう担保していくかという課題がまだまだ残っていますが、その上でライドシェアは日本でどのくらい可能性を持っていますか。
基本的な方向性は拡大していくべきである。過疎地への対応や観光立国という観点からは拡大する必要があるわけですが、他方で日本の特殊性というのを一定程度、配慮しないといけない。日本の場合にはタクシーの質が非常に高くて普及している。最近の稼働率で見ても実車率が5割を切っていると言われていますから、供給過剰で車が余っている。そう考えるとまずは地方で段階的、試験的に規制緩和をやる。都市部については安全に対する規制強化もしくは既存業者との競争条件に対する配慮を考えて、かなりゆっくり規制緩和する必要がある。


・グラノーラ
1991年にカルビーが開発したのですが、その後売れずに鳴かず飛ばずだった。松本会長が2009年に就任されたときに、カルビーの60年間の資産を洗い出して、グラノーラで行こうと決めてから大ヒットした。商品としては健康に良くて非常においしいので、その良さを企業が認識をしてそれを消費者に地道に伝える、企業に眠っていた資産を掘り起こして活性化したのが最大のポイントです。日本企業にはそういうものがいろいろあると思うので、それを発掘することが日本経済の再生のカギになると思います。


■ニュース

白物家電 中国大手に売却へ
不正会計問題などで業績不振が続く東芝は、社内での内部通報や監査により、2010年度~14年度に新たに7件、計58億円の税引き前利益の水増しがあったと不正会計を発表しました。不正会計発覚後、売上全体の16%を占める東芝の家電事業は5期連続の赤字の見通しです。こうした中、経営再建に向けて白物家電事業を中国の大手家電メーカーに売却する方針で最終調整していることがわかりました。売却額は数百億円規模とみられています。交渉相手として浮上しているのは中国で家電の売上高約2兆4600億円とトップを誇る「美的集団=ミデアグループ」です。東芝は当初は白物家電をシャープと統合する案を検討していたが、鴻海精密工業がシャープを買収することになり、海外メーカーへの売却に動かざるを得なかった。東芝は18日にも、中期経営計画の発表と合わせ、白物家電事業の売却について発表する予定です。

《大浜キャスター》東芝.JPG
冷蔵庫・洗濯機・エアコンと白物家電の世界シャアの順位を表示しました。ベスト4に日本メーカーはなく、いまや中国メーカーが強いという状況です。こうした中、中国のグリーは日本のダイキンと提携しています。また2012年にハイアールが三洋電気から冷蔵庫と洗濯機の分野を買収しました。そして今回、美的集団が東芝の白物家電事業の買収を検討しているということです。既に世界シェアの上位を占めている中国が、さらに日本メーカーを買収する狙いはどこにあるんでしょうか。
いま世界的に注目を集めるスマート家電には、IT面の技術と従来のアナログ的な白物家電のノウハウが必要だ。中国ではIT技術の人材は豊富だが、ものづくりの人材が不足しているのだという。
《サークルクロスコーポレーション主席アナリスト/若林秀樹さん》
「東芝のインバータやコンプレッサーなど、キーテクノロジーが欲しかった。実はITの方が技術的には差が無くなってきていると思います。白物家電は信頼性も必要だし、ノウハウの塊だし、まさにアナログ的なところも、機械もメカも材料も比較的いい人が揃ってますが、韓国や中国は優秀な人がハイテクのIT系の方に皆行ってしまい、アナログ的な方面は見向きもしなかった。そこは日本が結構強いし、シニアの人でも欲しいだろうと思います。」


カルビー “フルグラ”の新生産ライン公開フルグラ.JPG
グラノーラでトップシェアを誇る「フルグラ」のカルビーが、4月稼働予定のフルグラの新生産ラインを公開しました。70億円かけて2ラインを増やし、生産能力を現在の1.7倍、350億円規模に拡大します。
2011年度の売上げが37億円だったフルグラ。健康志向の高まりなどから人気が急拡大し、フルグラの2015年度の売上高は220億円近くになる見通しで、さらに500億円規模に伸ばす考えです。マルエツ勝ちどき六丁目店では、シリアル売り場だけでなく、豆腐売り場でも新商品が販売されていました。11日から先行販売している「豆腐にカルビーのフルグラをかける」商品です。特に女性に人気で、店側の期待も高まります。フルグラに合う豆腐を開発したのは相模屋食料。フルグラ商品用の生産ラインを約7,000万円かけて増設し、先週から本格稼働しました。これまではフルグラの供給が追い付いていなかったため、カルビーの増産を待望していました。相模屋の鳥越社長は、フルグラの力を借りれば豆腐の消費を増やせると考えています。


マイナス金利 黒田総裁「金利面では効果」日経.JPG
 日銀はきょう金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定、金融緩和は見送りとなりました。日銀の黒田総裁は会見で先月導入し
たマイナス金利政策について「金利面で効果は出ている」と自信を示しました。しかし「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さが見られる」と日銀は景気判断を約2年ぶりに引き下げています。また日経平均はマイナス金利の導入の決定後1ヵ月半で400円ほど下落しています。貯蓄から投資へという流れが定着していません。そこで日銀は証券口座が一時的に置かれる時の配当金を支える「MRF」をマイナス金利の対象から外し下支えする狙いです。


MRF.JPG
 「MRF」とは・・・投資家が証券会社の口座ににお金を入れると、特別に指示を指定していない分のお金は、実は裏側で国債などに運用されています。この運用ファンドがMRFです。投資家は証券口座にお金を預けておくだけで配当金を受け取れます。MRFは投資家向けの普通預金とも呼ばれています。ただマイナス金利の影響でMRFが元本割れになる恐れが出てきています。もしそうなれば投資家は証券口座にお金を置くだけで損をする。これを回避するためにMRFで預かったお金をマイナス金利の対象から外したわけです。そして今日、日銀の黒田総裁は記者会見
で、個人の株式投資の便宜という意味で非常に重要だと述べていて、貯蓄から投資への流れを作る狙いが滲みます。




REIT.JPG
 一方、盛り上がるのが不動産投資信託=REIT、ビルの賃料などを収益とし、配当を得る金融商品です。東急リアル・エステート投資法人のREITの価格は、マイナス金利導入ン発表以来大幅に上昇しています。会見を開いた投資法人は「個人の反響はある」とします。
銀行が押し出すのが外貨預金。銀行には円が対象のマイナス金利適用を逃れるメリットもあるようです。ただ日本円から外貨へ貯蓄の通貨は変わっても、株などの投資に回りません。「貯蓄から投資へ」という日銀の思惑通りには進んでいないようです。




電力自由化目前! 新プラン続々登場
家庭用電力に参入する大手商社・丸紅はスタジオジブリと組んで新たなプランを打ち出しました。電気料金の一部を森と緑の保全活動にあて、環境意識の高い顧客の獲得を目指します。今後、ジブリと連携した特典や環境プロジェクトを検討していきたいとしています。一方、ソフトバンクグループは、再生エネルギーを約6割使うプランを発表しています。4月1日の電力自由化を前に、競争が激しさを増しています。
《大浜キャスター》新電力.JPG
新電力に参入する企業は昨日14日現在で、225社あります。それぞれの思惑や戦略を見てみましょう。
①電力会社系は生き残りをかけ、これまで独占してきた地域から飛び出して人口の多い地域を攻めようそしています。東京電力の子会社は関西へ、中部電力や関西電力の子会社は関東へとお互いに攻めこもとしている状況です。
②ガス会社系は、2017年度にはガスの小売りも自由化されますから、電力会社などがガスの小売りに乗り出す可能背は十分あります。そこでガス小売り自由化前に、ガスと電気を一緒に売ることで、今のうちにお客をを囲い込んでおこうという考え方です。
③通信会社系は、電気料金の割引を武器に長期契約の客を取り込んでおきたいという考え方です。
④石油会社系は、ガソリンなどの需要減少が続く中で、電力の小売りで収益源を多様化しようとしている。
各社それぞれ狙いや事情があるんですが、完全自由化の勝ち組になれるのか。


トヨタ ベア月1,500円に
トヨタ自動車はきょうことしの春闘で、賃金の水準を底上げするベースアップについて月額1,500円と回答する方針を固めました。月額3,000円を要求していた労働組合側も回答を受け入れる方向で労使交渉は事実上決着しました。世界経済の減速など景気の先行き懸念を反映し、3年間で最も低い水準となりました。


民泊 「同居型」を届け出制に
厚生労働省などはきょう、住宅の空き部屋などを宿泊施設にする民泊の新たなルールを話し合う会議を開きました。この中で、家主が同居する「ホームステイ型」について将来的に審査や営業許可がいらず、届け出だけで営業できるようにする方針を決めました。また、これまでに4月から民泊を自治体の許可制にする一方で、客室の面積などの規制を緩和することにしています。


高校生バイトへ未払い金支給
埼玉県のコンビニエンスストア「サンクス」で働く高校生がフランチャイズ加盟店に対して未払い賃金の支給を求め、およそ4万2,000円が払われたと明らかにしました。団体交渉に成功した高校3年の男子生徒などによりますとこの加盟店は15分未満の勤務時間は切り捨てて、給与計算をしていました。運営会社の「サークルKサンクス」は「店舗への指導が十分でない部分があった」とコメントしています。


自民 外国人労働者を検討
自民党はきょう、外国人を単純労働者として受け入れることを検討する特命委員会の初会合を開きました。議員からは、外国人労働者を受け入れることで「賃金上昇が鈍るのではないか」などと、慎重な意見が相次ぎました。4月末までに提言を取りまとめる方針です。


米トランプ氏 指名大手か
アメリカ大統領選挙に向けた民主党と共和党の候補者指名争いは15日、フロリダなど代議員の数が多い5つの州で予備選の投票が始まりました。共和党の指名争いで首位を走る実業家のトランプ氏が勝利を重ねて指名獲得に王手をかけるのかどうかが焦点です。世論調査によりますとフロリダ州ではトランプ氏が先行しています。


■【トレたま】ただのイスですが・・・

【商品名】 コ・ベンチ
【商品の特徴】避難所などにコンパクトに収納できるイス。テーブル、踏み台などの用途でも使える。
【企業名】 岩田鉄工所
【住所】  岐阜県羽島市正木町新井319
【価格】  7,200円(税別)
【発売日】 発売中
【トレたまキャスター】 大澤亜季子



2016.3.15 Newsモーニングサテライト

2016年03月15日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

世界の金融政策に注目
今週は世界の金融政策に注目です。日本、アメリカをはじめイギリスやスイスなどでも会合が予定されています。こうした中株価は様子見ムードが強い展開でした。先週、ダウが年初来高値を更新し、今日は重要指標も無い事で一服感が漂い易い地合いです。それぞれの中央銀行がどのような見通しを示し、その結果、為替がどう動くのか、市場は見極めようとしています。原油の増産凍結協議の行方が不透明になったほか中国の鉱工業生産の数字も冴えず、原油価格は下落。ただ、先週のECBの追加緩和もじわじわ評価され、株価の下値も限定的でした。さてアメリカは夏時間に入り、日本時間の午前5時に取引は終了しています。終値確認します。小幅に高安まちまちでした。ダウが続伸です。15ドル高、1万7,229ドル。ナスダックが続伸、1ポイントの上昇、4,750。S&P500が4日ぶりの小幅に反落です。2ポイントマイナスの2,019でした。
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【NY証券取引所中継】米選挙と株価NY1.JPG
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
朝方は原油価格の下落を受けまして安く始まりましたが、下値には買いが待っているということで、引けにかけてダウはプラスに転じています。明日はミニスーパーチューズデーで、フロリダ・オハイオなど注目の5州で予備選が行われます。選挙というのは一般に不透明要因です。結果よりも何よりも、選挙が終わって不透明感払拭されることが重要です。実際3月1日のスーパーチューズデーも結果を待たずに株式相場が大きく上昇しました。グラフ見ますと、2期続いた大統領の後、株式相場が比較的大きな調整が起こったことを示しています。2期比較的安定していたあとに不透明要因で起こるものです。今回もオバマ大統領が2期続いたのでそういう調整が年初からあったのかもしれません。こういうときこそ不透明要因の選挙が近づくにつれ、明日のミニスーパーチューズデーも含め一つ一つ払拭されていきますので、株価にはサポート材料になると思います。


【NY証券取引所中継】相関関係は崩れる?NY2.JPG
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
--原油価格と株価の相関性が高い中、この関係が続かないと見ているようですね
確かに最近は順相関の関係が続いておりますが、順相関が始まったのが2005年の初めからで、原油価格が50ドル近辺に行ってからなんです。その前はほとんど相関関係はありません。
--相関性が続かない理由は何ですか
第1に、市場の原理として、大きな市場が小さな市場に振り回されるというのは本来ないはずです。もしそれが可能なんだったら、まず大きな市場(株式市場)で空売りしておいて、原油相場をつぶして大きな相場の方で下NY2-2.JPGで買い戻して利益を得るといことがいつまでもできてしますわけですから、市場原理としておかしいということが言えます。
第2に歴史的に経済と原油価格の相場の関係を見ると、原油価格が高騰した後にGDPののマイナス成長が出ているのがわかります。ですからいまはむしろ経済にとってはいい状況と言えます。
--逆に今、連動してしまっているのはなぜですか。
これは時間差の問題だと思います。原油価格が下落すると、資本価値はやはり下落します。石油開発プロジェクトの価値であったり、銀行がエネルギー会社に貸し出しててその担保が減るとか、そういう資本の低下によるものだと思うので、瞬時に出てくるので株価も影響を受けざる得ないです。一方で、メリットは瞬時に出てこなくて、かなり時間をおいて出てくる性質のものです。メリットが一番出てくるのはアメリカの個人であり消費者で、これから徐々に効いてきてデメリットを上回るメリットとなっていくはずです。つまり現在は資本価値を損ない株価が下落していますが、今後は原油安の効果で株価は上昇します。


【為替見通し】注目ポイントは「クロス円の上昇」
解説はSMBC信託銀行プレスティアの尾河眞樹氏為替見通し.JPG
今週の日銀やFOMCのイベントを控えまして様子見、小動きだったと思います。
113.20-114.50
日銀の金融政策は据え置きだと思います。もともとそんなに期待されていないのでドル円相場に対する影響はないと思います。
そんな中で、注目ポイントは「クロス円の上昇」
最近の原油価格の反発や市場心理の改善で、ブラジルレアルなど新興国通貨が軒並み対円で上昇しています。ドル円だけが円高なのでわかりにくいですが、全般的に円安傾向になっています。その理由は、3月末までに本邦税のリバトリエーションがドルの上値を抑えやすいこととFRBの利上げ期待の後退があります。ただそれについてはFOMCのイエレン議長の会見でハト派色が後退しているとか、景気に対して比較的楽観的な見通しであったり、あとはFOMCメンバーの政策金利の予想が0.25%づつ引き下げられると見られていますが、それより小幅な下げにとどまった場合には6月の利上げが意識され、徐々にドルが買われると思います。
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【日本株見通し】注目ポイントは「日本企業の稼ぐ力」
解説はニッセイアセットマネジメントの三国公靖氏株見通し.JPG
予想レンジは17000~17500
昨日は機械受注の上振れが好感されましたが、海外では欧州株がしっかり、ニューヨークでは原油下落、為替横ばい、米株横ばいなので、おとなし目のスタートでしょう。一方、日銀の政策金融決定会合は現状維持の見込みで相場への影響は限定的、株式市場は比較的落ち着いた値動きになるものと見ています。
そして、注目ポイントは「日本企業の稼ぐ力」。
年度末にかけて日本企業の稼ぐ力を確認したいと思います。この図は財務省法人企業統計調査をもとに企業の固定費の推移を示したものです。固定費は企業の損益分岐点を決めるコストですが、固定費が下がれば損益分岐点も下がり、収益力が高くなることを意味します。企業が効率的に設備投資を実践し、減価償却費を削減してきたことで、固定費水準は低下トレンドにあります。現段階でも日本企業の利益を稼ぎ出す力は維持されていると思われます。
--今後稼ぐ力が見直されれば、日本株の買い戻しにつながるんでしょうか
足下少しずつマーケットが落ち着きつつあり、個別銘柄の選別にあるようですが、今後は3月決算も見据え稼ぐ力のある企業を中心に買われる動きが明確になっていくと思います。



【世界の株価】14日の終値



■【プロの眼】5月に円安局面入り!?
日銀の金融政策決定会合は追加緩和見送りと予想。追加緩和に踏み切るなら、5月の伊勢志摩サミットに向けて緊急経済対策が発表された後の6月か7月になる可能性がある。6月に米国が再利上げとなれば、5月ごろから夏場にかけていったん円安・ドル高が加速しやすい環境になるだろう。解説はSMBC信託銀行プレスティアの尾河眞樹氏
--日銀の追加緩和はどうですかプロ1.JPG
今回は金融政策据え置きだと思います。為替や株はマーケットが落ち着いてきていますが、債券市場の方がまだマイナス金利を消化しきれていないという状況でまだ落ち着いていないです。2013年の量的質的緩和導入の時も長期金利が乱高下するような動きが見られましたが、だいたい完全に落ち着くのに2カ月くらいかかっています。今マイナス金利の効果、金融市場への影響を日銀は見極める段階にあると思いますので、今日は動かないということです。
--ドラギ総裁の発言があったり、マイナス金利の限界説があったりする中でその評価はどう考えますか。
円高が進んでるからそういう意見もあるんですけど、ただ今までの動きだけで効果なしと言うのは早いと思います。そもそも為替市場のボラティリティが上がっているときというのは、通貨間の金利差は関係なくなってしまいます。マイナス金利導入後2月にドル安が9%位進んで下落しています。為替差益で9%取られると、日米の金利差は1%に満たないですから、マイナス金利でも円を買って為替差益で儲けたほうが儲かるわけです。短期の投機筋が円を買っているというのはそういうことです。
--それがグラフに出ている投機筋の円ポジションなんですけども、実に8年ぶりの買い越し額です。これだけ円の先高感があるわけですね。
ただ一方でドル円のボラティリティも下がってきて、ヴィックス指数も下がってきて、マーケットが落ち着いてきています。これだけどんどん円を買い越すというのもそろそろ終わりに近づいてきています。これ以上円高に行かないと見るようになると、今度は円を売り戻す動きが出てくる可能性が高いです。
--となるとボラティリティが一旦下がっているというのは良いわけですね。じゃあその次のきっかけというのは金融政策が大きな力になるのですか。とすれば追加緩和があるとすればいつですか。プロ2.JPG
G20で緩和だけじゃなくて景気対策もやろうという話になったので、景気対策の後になると思います。
《今後の重要スケジュール》
4月 日銀金融政策決定会合
5月 伊勢志摩サミット 経済対策?
6月 日銀金融政策決定会合 米・FOMC
7月 日銀金融政策決定会合 参議院選挙
景気対策をいま議論しているところだと思いますので、それが出てきた後に、もし金融緩和をやるとすれば、6月か7月の決定会合の可能性が高いと思います。その頃FOMCが利上げの話になっていると、5月以降夏場にかけてドル高円安の方向に向かい始める可能性が高いと思います。



■SMBC信託銀行プレスティア/尾河眞樹氏

・ドイツの政治不安
--ドイツの地方選の結果、新興右派が躍進です。
原油とか中国とかいろいろ不安材料があるんですが、欧州が一番不安材料が多いと思います。難民問題を巡っては中でいろいろ不協和音があることやイギリスのEU離脱問題など、外に向かっていて肝心のドイツの政治がおかしくっなっています。しかも来年連邦議会総選挙があります。それを控えて支持率が落ちてきているとなるとかなり不安感は高いです。


・ブラジル大規模デモ
ブラジルは政治も経済も今が正念場です。通貨は売られ過ぎの反動であったり、資源価格の反発などで、ブラジルレアルは買われていますが、政治がまだまだ不透明感が高いので、まだ通貨も行ったり来たりでしょう。


・経済視点 「政治のスケジュール」
アメリカ大統領選、イギリスの国民投票、参院選等あります。政治というとグローバルに「反体制」がテーマになっていますが、これらは蓋を変えてみると結局は無難に終わると思います。しかしその前の段階では市場ではボラティリティが高まったりする局面があると思いますから、投資家の方はスケジュールをきっちり抑えて投資してください。



■今日の予定

日銀金融政策決定会合 結果発表
米・FOMC(~16日)
米・ミニスーパーチューズデー
米・2月小売売上高
米・3月ニューヨーク連銀製造業景気指数


■ニュース

中国企業 米ホテル買収に名乗り
シェラトンホテルなどを運営するアメリカのホテルチェーン大手、スターウッドホテルに対し中国の企業連合が買収を提案しました。スターウッドホテル&リゾートは、去年11月に同業のマリオット・インターナショナルと122億ドルで買収を進めることで合意しています。こうした中、中国の企業連合はマリオットの買収提示額をおよそ6億ドル上回る128億ドルでの買収を提案しました。今回の買収提案を主導しているのは、2014年にニューヨークの高級ホテル=ウォルドーフ・アストリアを買収した中国の保険大手だということです。これに対し、マリオットは14日声明を発表し、「動きを注視しているがスターウッドの買収に変更は無く今年半ばには買収が完了する予定だ」としています。


露大統領 シリア撤退開始を命令
ロシアのプーチン大統領は14日、シリアに駐留するロシア軍の部隊に対し、撤退を開始するよう命じました。ロイター通信によりますと、プーチン大統領はシリア派兵の目的は達成されたと判断したもようです。


独地方選で与党大敗 政権に打撃
難民の受け入れ是非が最大の争点となったドイツの地方選が13日、投開票され難民の受け入れに反対する新興の右派「ドイツのための選択肢」が躍進し、メルケル首相率いる与党が大敗を喫しました。ドイツが政策転換すればEU=ヨーロッパ連合の他の国の難民政策にも影響する可能性がありますが、メルケル首相は、今のところ従来の政策を継続する考えを示しています。


増産凍結会合 4月中旬に開催か
原油の増産凍結を話し合う産油国の会合が、今月ではなく、4月中旬に開かれる可能性が浮上しました。ロイター通信によりますとロシアのノバクエネルギー相は14日、増産凍結会合を4月中旬に、カタールのドーハで開催する見通しになったと述べました。ただ、イランは増産凍結に難色を示していることから会合に加わるか不透明です。


モルガン・スタンレー「景気後退も」
アメリカの金融大手モルガン・スタンレーは14日、投資家向けのレポートの中で世界的な景気後退の危険性が高まったとの見通しを示しました。今年の経済成長率について、アメリカは1.9%から1.7%にユーロ圏は1.8%から1.5%に下方修正し、世界的な景気後退入りの可能性は30%に高まったと分析しています。また、モルガン・スタンレーは「今後、株の保有は減らした方が良い」としています。


食品の飲料の大手でベア実施
あすの集中回答日を前に2016年春闘が本格化する中、食品と飲料の大手企業では、毎月の基本給を底上げするベースアップ実施の回答が出ています。牛丼チェーンの「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスはアルバイトやパート、およそ10万人の時給を、4月から一律に引き上げると発表しました。時給の引き上げは2年連続で、引き上げ幅は平均2%となります。また、正社員およそ900人についても毎月の基本給を底上げするベア=ベースアップを4年連続で実施します。ベアは、月1,500円で、定期昇給と合わせて昇給幅を2%とします。正規、非正規従業員ともに賃金を引き上げ、人手不足の解消につなげます。キリンビールも、2001年以来、15年ぶりとなる「ベア」を実施する方針を固めました。キリンは去年、ビール類の国内市場シェアが6年ぶりに増加に転じていて、ベアの実施で、社員の士気向上に繋げたい考えです。


民維新党名は「民進党」に
今月中の新党結成を目指す民主党と維新の党は新しい党名を「民進党」にすると発表しました。新党名をめぐっては、維新の党が「民進党」を民主党が「立憲民主党」をそれぞれ提案したため、2日間にわたり世論調査が実施されました。世論調査では、民主党の支持者からも「民進党」を推す意見が多かったということです。両党は党内手続きを経て、今月27日に正式に「民進党」を発足させます。


米駆逐艦「バリー」横須賀に配備
アメリカ海軍はきのうミサイル駆逐艦「バリー」を横須賀基地に配備しました。バリーは、最新鋭のミサイル迎撃システム「ベースライン9」を備え、複数の敵からの攻撃に同時に対応することができるということです。アメリカ軍は去年も横須賀基地に2隻のイージス艦を追加配備していて、ミサイル発射を続ける北朝鮮や、南シナ海などで海洋進出を強める中国をけん制する狙いがあるとみられます。


新電力大手が破産手続きへ
経営難に陥っていた新電力大手の日本ロジテック協同組合が、破産申請手続きに入ったことがわかりました。東京商工リサーチによりますと、負債総額はおよそ71億6,000万円と見られています。日本ロジテックは2010年から電力小売り事業に参入し、15年3月期にはおよそ555億円の売上高がありました。その後資金繰りが悪化し、電力販売の事業者登録申請を2月下旬に取り下げ、電力販売に必要な送電網の使用料も支払えなくなっていました。


エステTBCに是正勧告
エステサロン大手「TBC」の福岡市内の店舗が従業員に違法な残業をさせた上、賃金の一部を支払っていなかったとして労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。記者会見した従業員は、6時間半の時短勤務にも関わらず、1日10時間以上働かされ、残業代も支払われなかったと訴えました。TBCは「事実関係を確認中でコメントできない」としています。


劇団員殺害 突発的犯行か
去年8月、東京・中野区で劇団員の女性が殺害された事件で、逮捕された男は「事件の直前に見かけて、家までついて行った」と供述していて、突発的に犯行に及んだ可能性があることが新たにわかりました。この事件は、劇団員の加賀谷理沙さんを殺害したとして、職業不詳の戸倉高広容疑者が警視庁に逮捕されたものです。その後の捜査関係者への取材で、戸倉容疑者が、「事件の直前に見かけて、気になったので家までついて行った」と供述していることが新たにわかりました。また、殺害方法についても、「最初に手で首を絞めた後、部屋にあったもので絞めて殺害した」と話しているということです。警視庁は、戸倉容疑者が、突発的に犯行に及んだ可能性もあるとみて捜査を進める方針です。


巨人選手 勝敗で“金銭”
野球賭博への関与が発覚したプロ野球巨人の選手が、自らのチームの公式戦の勝敗に絡み、現金のやりとりをしていたことが分かりました。試合ごとに現金を出し合い、勝てば、試合前の円陣で「声出し」を担当した選手が、総取りするルールだったということです。読売巨人軍は事実関係を認め、「『声出し』についてはチームの士気を高めるという験担ぎの目的があり、賭け事とはまったく異質な行為」とコメントしています。


“ミニスーパーチューズデー”迫る
15日は「ミニスーパーチューズデー」と呼ばれ注目州での予備選を迎えます。共和党では「不動産王」、トランプ氏が指名獲得を確実にできるのかが焦点です。民主、共和両党の予備選が開かれるのはノースカロライナやフロリダ、オハイオなど5州でいずれも代議員が多い大票田です。ノースカロライナ州では14日トランプ氏の集会会場で支持派と反対派がそれぞれデモを行うなど選挙戦は熱を帯びています。最新の世論調査ではフロリダ州でトランプ氏が地元のルビオ上院議員を大きくリードする一方オハイオ州では地元州知事のケーシック氏が僅差で上回っています。トランプ氏が2つの州で勝利すれば指名獲得に向け大きく前進します。一方、民主党ではクリントン前国務長官がライバル・サンダース氏を4つの州で上回り優勢です。


■【ネタのたね】

男性の身だしなみをトータルケア
ユニリーバ・ジャパンが展開する男性用化粧品ブランド「アックス」の新シリーズ発表会が行われました。今回、ボディースプレーや整髪料などの新商品に加え、新ブランドイメージに合わせたシャツも作り、発売しました。男性用化粧品市場は30代から40代がけん引し、年々拡大しています。ユニリーバ・ジャパンはファッションも含めた総合的な身だしなみの提案を行うことで、20代の新たな顧客層を獲得したいとしています。


キューブ型ドアストッパー
ドアストッパーが床との隙間にうまく挟まらずイライラしたことありませんか?そっと置くだけでドアがしっかり止まるキューブ型のドアストッパーを紹介します。


■【リーダーの栞】グンゼ 児玉和社長
今回のリーダーは、肌着やストッキングなどを作り続けて今年で120周年を迎えたグンゼの児玉和社長。紹介する本は、「マリガンという名の贈り物」。ゴルフを通じて人生を学ぶ1冊。「マリガン」とは、ゴルフでミスショットをした際に、ミスした本人が「マリガン」と言って周囲がOKすれば打ち直せるという、アマチュアゴルフのルール。本の中では、人生においても「マリガン」を使い、周囲の力を借りるべきと説いています。人とのつながりを大切にする児玉社長は、そうした人間関係を重視する点に共感したということです。

■ビジネス書 最新ランキング

1.幸せになる勇気 岸見一郎/古賀史健
2.嫌われる勇気 岸見一郎/古賀史健
3.結局「すぐやる人」がすべてを手に入れる 藤由達蔵
4.世界経済のトレンドが変わった 朝倉慶
5.一流の育て方 ムーギー・キム/ミセス・パンプキン

■日経超特急

①東芝、中国・美的に白物家電売却へ、アジアで再編加速
東芝は冷蔵庫や洗濯機などの白物家電事業を、中国家電大手の美的集団(広東省)に売却する方向で最終調整に入った。会計不祥事を契機にリストラを進める東芝と、日本や東南アジアで家電事業を拡大したい美的の思惑が一致した。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収する協議を進めるなど、アジアの新興企業が参画する形で日本の家電再編が加速する。


②日銀、景気判断の下方修正検討 中国減速で輸出停滞 
日銀は15日まで開く金融政策決定会合で、これまで「緩やかな回復を続けている」としてきた景気判断を下方修正する検討に入った。中国など新興国経済の減速で輸出が停滞し、円高の影響も重なって企業収益の伸びが鈍りつつあるためだ。判断引き下げは消費税率を8%に引き上げた直後の2014年4月以来、1年11カ月ぶりとなる。


③長谷工、高齢者事業を開拓 認知症向けデイサービス買収 
長谷工コーポレーションは4月にも認知症を対象にしたデイサービスの運営事業者を買収する。有料老人ホームなどの高齢者住宅は2020年までに現在の3割増となる計50施設まで増やす。主力の国内マンション建設は今後、市場縮小が予想される。長谷工は拡大が見込まれる高齢者向け事業で幅広いサービスを用意し、新たな収益源として育成する。

■日刊モーサテジャーナル

①欧米の新聞は1面で、ブラジル各地で13日に起きた大規模なデモについて大きく報じています。ブラジルでは経済低迷や汚職事件について不満が高まっていて、デモの参加者はルセフ大統領の弾劾とルラ前大統領の逮捕を要求、ルセフ政権は重大な転換点を迎えたと報じています。このデモはサンパウロ市だけでも少なくとも45万人が参加、1984年の独裁政権反対デモの規模を上回りました。ブラジルでは今月初めから国営石油公社の汚職事件に関与したとして、ルラ前大統領が警察の取り調べを受けていて国民の怒りが爆発。さらにルセフ大統領はブラジル経済を立て直せていないと不満を持つデモ参加者も多く、フィナンシャル・タイムズは連立政権が崩壊する可能性さえあると指摘しています。


②WSJ サブプライム自動車ローンに問題の兆し
比較的信用力の低い人を対象にした自動車のサブプライムローンで最近滞納が増えていることから、好調な自動車販売に暗雲が立ち込めていると報じています。記事によると、過去5年間、資産担保証券に組み入れられた自動車のサブプライムローンで、滞納日数60日以上の割合が5%を超えました。5.16%でこれは過去20年で最高だと言います。原油危機の発端となった住宅ローンとは異なり、自動車ローンが経済全体に与える影響は限定的だとの見方が大勢です。しかし記事は過去最高の販売台数を支えていたのは、過去最高の水準に達していた自動車ローンの件数だったのに、という投資家の懸念の声を掲載しています。


③WSJ 5分で10万ドル(1140万円)融資
アメリカの銀行が融資するときに行う審査の自動化を進めた結果、中小企業向けの融資が5分もかからずできるようになったと伝えている。このサービスを始めたのは創業200年のアメリカのイースタン銀行。融資の審査に必要な信用履歴や産業などの情報を自動的に収集する一方、売上高などを除外しこれまで55あった審査項目を8に減らしました。JPモルガン・チェースなど大手銀行も審査時間の短縮に乗り出していると言います。記事は、技術革新によって銀行の伝統が変わってきていると報じる一方、リスク高い融資が増えてしまうのではないかと懸念する見方も伝えています。