森本光☆ラグビーが好きやねん

関西エリアで活動する森本光のブログ

筑波大学ラグビー部、責任を果たす

2013-01-14 00:58:00 | ラグビー

 父が語る大学時代の思い出は、ウソかホントかわからない話ばかりだ。マンホールを拝借して、それを鉄板にしてラグビー部の部室で焼肉を焼いたり、お金に困ったときに何度も学帽を預けるために質屋に行ったり…。昭和34年から38年にかけての話。わざわざマンホールなんて使わなくても、と思うし、学帽がどれだけの価値があるのかもしらない。だけど、当時のことを語る父は大学生のように若々しく、ちょっとやんちゃな顔になっていた。
 「俺は東京教育大の出身や。筑波とは関係ない」と照れ隠しに話す父。しかし、母校が初優勝をめざす戦いを見ないはずがない。最近の筑波大学ラグビー部の活躍を報じる新聞を切り抜きし、期待を持って後輩たちの試合を見守ったはずだ。
 しかし、結果は帝京が史上初の大学選手権4連覇を達成。筑波大学の初優勝の夢は来シーズンへと持ち越された。
 いま手元に筑波大学ラグビー部のOB会報「茗渓ラガー」がある。その中でもっとも印象に残ったのは、昨シーズンを振り返りいちばんの反省点として挙がったペナルティーについてだ。「なぜ規律を守れなかったのか。(中略)……私生活でも規律を守ることを徹底していかなければならないと気づかされました」と内田主将は書いている。そして、今シーズンのスローガンを、より個人に目を向け「責任」としたと続けている。筑波のラグビー部の選手たちは寮生活ではなく、ほとんどが学生宿舎などで一人暮らしをしている。栄養面を考えながら食事をつくり、ちゃんと授業にも出て、もちろん練習にもしっかりと打ち込む。それは、当たり前のことかもしれない。しかし、当たり前のことをするためには妥協しない心の強さがなければならない。きょうは授業をさぼろうかな、ご飯を作るのは面倒だしテキトーでいいや、なんてことが許されないのだ。このレベルになってくると昨今話題になっている体罰や強制的な練習など入る余地がない。
 楽しみだ。多くの選手が将来教員となって、ラグビー部を指導する。日本のラグビーがどんどん強くなるのではないかと。
 昨シーズンは大学選手権ベスト4、今シーズンは準優勝。確実に階段をのぼっている。来シーズンは初優勝となるか。選手もOBも、そしてOBの息子である僕も期待している。水色のジャージが国立競技場で躍動する「フューチャーブルー」の旋風はこれからも続きそうだ。