10月7日の開幕する大学ラグビーの関西Aリーグの記者会見が大阪市内のホテルで開かれた。出席したのはAリーグ8チームの監督、コーチ、キャプテン。記者会見では、昨シーズン、リーグ2連覇を達成した天理大学から順に、監督とキャプテンがチームの現状や抱負、注目選手などについて話した。
天理大学は、昨シーズン全国大学選手権で準優勝したメンバーから主力が抜け、不安を抱えながら新チームがスタート。その中で、夏合宿での帝京大との練習試合で今シーズンもある程度はやっていける手ごたえをつかんだそうだ。帝京大との練習試合のスコアは15-49。この数字だけ見れば完敗であるが、帝京の得点はスクラムトライなどほとんどがFWの力で奪ったもの。天理はこの試合でFWが耐えてキープしたボールを動かし、BKの展開で得点することができた。帝京大の印象について、「とにかくみんな体が大きいんですよ」と天理大の小松監督。レギュラーメンバーで構成されるAチームからDチームまで感心するほどサイズがあるそうだ。しかし、そうした大きな相手と対戦したときに、天理の小さなFWがこらえてBKにボールをまわせば何とかなるという手ごたえをつかんだ帝京大戦。昨シーズンは1年生から活躍してきた選手が多く、戦力を計算できたため大きな自信を胸にシーズン入りしたが、今シーズンは去年ほどの自信はないとのこと。「ボールが動くおもしろいラグビーをして、関西リーグ3連覇。大学日本一をめざしてがんばりたい」と小松監督は抱負を語った。
天理大学の芳野寛キャプテンも、夏の帝京大との練習試合で力の差を感じつつも、バックスリーを中心にボールが動けば得点できる手ごたえをつかんだそうだ。昨シーズンの主力メンバー9人が抜けたことについては、選手一人ひとりがスキルアップして穴を埋めていき、一戦一戦100%の力を出して勝ち抜きたいと力強く話した。
昨シーズン関西リーグ2位の同志社大学の山神ヘッドコーチは、レギュラーメンバーに1、2年生を多く抜擢する方針で、その若い力が上がってくることへの期待を話した。現在、ケガで戦列を離れているスタンドオフの森脇悠輔選手は11月ごろに復帰予定。ボールを動かして大きく展開し、ミスがないゲームを80分間することが課題とのこと。
同志社大学の西林宏祐キャプテン、「去年からやってきている宮本(監督)ラグビーを体現できるかが課題」。
昨シーズン関西リーグ3位の大阪体育大学。中井コーチ、「サイズの大きなFWを作ることができ、FWの力を全面に出していきたい」。蔵守吉彦キャプテン、「ヘラクレス軍団復活と言われるような体大ラグビーをやっていきたい」。大阪体育大学は36シーズンにわたってチームを率いてきた坂田好弘監督が今シーズン限りで勇退。特別な思いを胸に戦うシーズンだ。
昨シーズンは関西リーグの開幕前から天理大学が頭2つか3つ抜け出た存在だったが、今シーズンは各チームの強化も進み、実力の差は縮まっているという。大学選手権が制度変更され、関西から選手権へ進む5チームは4つのブロックに分かれたリーグ戦で3試合を戦い、残ったベスト4のチームがトーナメントで優勝を争う。関西の大学ラグビー、再び!その機運を高めるシーズンとなりそうだ。