もうすぐ11月が終わろうとしている。今月のハイライトはやはり高校ラグビーの中継だろう。実況は毎日放送の赤木アナウンサー、そして僕はリポーターとしてグラウンドレベルからの情報を伝えた。天理と御所工業・御所実業が全国大会への切符をかけて争った奈良県大会の決勝は期待通りの白熱したゲームに。両チームの選手の気持ちがぶつかりあう展開に真横で見ている僕の胸も熱くなる。どちらにも花園へ行ってもらいたい。レベル的には全国大会の3回戦あるいは準々決勝クラスといわれるほどの好カードだ。各地の全国大会予選を見ると、決勝とは思えないほどのワンサイドゲームになったケースもある。それを考えると天理と御所の対戦はもったいないと言えるだろう。試合は結局、チームの特徴を出しバックスの展開から得点を重ねた天理が勝利した。でも、今年も御所は強かった。御所の選手たちは思いっきり胸を張っていい。
高校ラグビーでは、大阪府予選も見逃せなかった。去年、僕が中学ラグビーの実況をしたときに出場していて選手たちが、啓光学園で1年生ながらさっそくレギュラーを獲得して決勝の舞台に立っていたのだ。1年前に取材したときから将来を期待させる選手たちだったが、まさか3人も1年生でメンバー表に名を連ねるとは。残念ながら啓光は負けてしまったが、この1年生たちはきっと成長して来年、再来年と全国の舞台で活躍するはずだ。また取材の機会がやってくることを楽しみにしたい。
ラグビーファンにとって複雑なニュースもあった。全国大会予選の決勝でぶつかった大工大高と啓光学園が提携し、事実上、同じ学校法人の高校となることが決まった。今年のように両校が対戦することになったらとてもややこしくなる。他の地域では同じ大学の系列校2校が対戦することもあるが、大工大高と啓光の場合、ともに全国大会での優勝経験がある強豪校だけに話は簡単ではない。両校が全国大会予選でぶつからないようにするには、来年の春の大会でともに別のブロックで優勝することが絶対条件。となると、その前の新人戦も重要になってくる。少子化の中、学校経営を最優先した結果で仕方ないとも言えるが、これでは選手も関係者も複雑だ。
他にもいろいろとあった11月だったが、ラグビー中心の内容になってしまった。小栗旬なみとまではいかないけど、かなり忙しかった今月。紅葉の美しさから“錦の里”と古くから呼ばれている正暦寺の取材も心に残っている。