
CanonEOS5DMarkII+RodenstockRodagon-N60mmf/4.0
このレンズなのですが、じつは何度も何度も、持ちだしています。
しかしなかなか、写真になりません。
難しいな、と思っていたのですが、原因がなんとなくわかったのは
デジカメWatchでのニコン映像カンパニー 開発本部 本部長の山本哲也氏のインタビューに
写真は止め絵の中で、空間をどう表現するか、
あるいは空間を平面に圧縮してすべてを撮し込むか、といった撮り方をします。
立体的な風景を、空間周波数の使い方や階調の見せ方で表現する。
という記述を見出してからで。
インタビュー:ミラーレスの「今」と「これから」【ニコン編】 - デジカメWatch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20111219_498293.html
なるほど、カメラのレンズというのは空間周波数で魅せるチューニングをしてあって
引き伸ばしレンズというのはその対局にあるものなのか、と。
よく考えたら人間はふたつの瞳でものを立体的に捉えるけど
カメラのほとんどは文字通り一眼で、それをそのままコピーしたら
立体感が、つまり抑揚の無い絵になるということか...と。うーむ。
私は昔から各メーカーはもっとレンズのデータを公表すべき
と思っていましたが、メーカーはデータ以外の部分で苦心していたので
その公表をためらったのかもしれません。
いままで(データに出る)性能を指針としてきた私ですが
それ以外の、むしろ絵作りの部分に注視してもいいかな、と思い始めました。
もっとも、その双方を備えたレンズがあればいいのですが。
と、各社MTF表の見方はこちら。
MTFによる光学機器の性能評価#1 空間周波数とコントラスト応答 - oblique view
http://aquila2664.hatenablog.com/entry/2012/03/23/190906
文面として各社の説明文は読んだのですがどうにもストンと落ちてくるものが無く
このブログのエントリを読むまでは、いまひとつ理解できないでいました。
それ以外にも例えば、なぜレンズの性能を解説するのに分解能を使わなくなったか等
カメラに携わるひとなら一度は読んでおいて損は無い、と思います。
ちなみに
先月をもってはてなダイアリー版 "oblique view"は公開を終了しましたが、
再度の公開を求める声を頂きました。過分な評価をいただき恐縮です。
リクエストいただきましたエントリーを再度公開いたします。
とありますが、ええ、復活をお願いしたのはワタクシメで御座います。
私はこのエントリが好きで、何度も何度も読み返していたりしました。
この場を借りて、御礼を。