
Sonyα7RM2+VoigtlanderNOKTON35mmF1.2Aspherical
今回の写真展のテーマのひとつが「自分がよく見る光景」で、
そこらの町並みを撮ったものが大半となりました。
「美しい」といわれる場所を撮るのも楽しいのですが
それはもう他の人達がやまほど撮ったあとで
「それを自分が撮ってもどうなんだろう」と危機感を持っていたからでもあります。
偶然、写真展の打ち上げで、そんな話にもなりましたが。
ところが、市街地となると存外に、難しい。
写真になるかどうかというのは天候にも左右されるし
なにより、実際絵になるかどうかというと。
そこらへんを考察するとやはり、地形から整理しないといけないと思い
地形、形状に対してつきつめていきました。
その過程で「谷戸」という地形につきあたり、
それを調べていくうちに「横浜にはかつて、乞食谷戸と呼ばれる地域があり」
という事にぶつかりました。
谷戸、というのはつまり、
山と山がぶつかり谷がなくなる場所をさしていて
こういう所は俗にいう、貧民街になりやすい。
ならば、道も理路整然としていないだろうし、
よい写真が撮れるのでは、と、足を運んだ結果が、この写真です。
もう、これ以上ない写真が撮れたと思っています。
毎回、このレベルの写真が撮れればとも思うのですが、
なかなかそうもいかないかな、と。
しかし、調べて勉強して、足を運んで。
その積み重なりが写真をつくる。
なんとなく、自分の目指す場所が見えた気がしました。