今日は、久しぶりにエヴァの話題でも書いてみます。
以前、劇場でQを見た直後に、状況証拠から、14年の空白とQのアスカについて考察を書きましたが(※この考察については色々と粗が目立ちますが、とりあえず掲載時のままの状態で残したいと思います)、今回は『序』『破』を中心とした考察です。
まず、今回の考察の結論を書いちゃうと、
EVA新劇場版の『序』『破』では、2種類の地球と2種類の月が登場している。
ということを主張したいんです。
『何をバカなことをw』
と思われるでしょうが、私は真面目です。
ということで、判り易い根拠を見てもらいましょう。
・・・
先ず、第三新東京市において「要塞都市」は、「ジオフロント」の上殻部分に乗っているということを思い出して下さい。
んで『破』の一番最後、カヲル君が乗ったMark.06が満月を背にして空から舞い降りて来るシーン。

ジオフロントの内のネルフ本部の位置からこんな風に満月が見えるということは、要塞都市はジオフロントの上殻部分ごと吹き飛んでいるということになります。
しかし、その後の予告編の部分では、「廃棄される要塞都市」というセリフと共に以下のカットが映し出されます。

このカットを見ると、要塞都市が残っているのは一目瞭然だし、ジオフロントの上殻部分は十字に割れて捲れ上がっているだけで吹き飛んでいません。
これで、ジオフロント内部から月が見えると考えると・・・
『あれっ?』
って思いません?
・・・
次に、『序』の一番最後、カヲル君登場のシーンでは、かなりの広範囲に亘って血の跡があります。尚、このシーンは、月面の『静かの海』であることが明らかになっています。

しかし、その直前の、使徒を倒した後にシンジとレイが微笑み合ったシーンの満月には、血の跡はありません。

これって、極めて不思議な描写だと思いませんか?
・・・という感じで、『序』『破』には改めて考えてみると多くの不思議な描写があるんです。
そして、これらの描写をまとめて説明できるのは、地球と月が2個ずつある場合、具体的には以下のA・Bの2セットの場合と私は考えています。
A:海だけが赤い地球+通常の月
B:陸だけが赤い地球+血の跡のある月

そして、これらAとBの世界は同じ宇宙空間に存在しながらも、それぞれの世界の住人はネブカドネザル2世によって囚われたバビロン捕囚のように空間的に囚われているんじゃないでしょうか。
尚、この「囚われている状態」は、「Q」の冒頭で登場するフラーレンシフトと表現されている未知の防衛ラインそのものか、それに類似するシステムによって実現されているのではと私は考えています。

ちなみに、フラーレンとは、炭素の同素体の一つ(C60が代表的)であってサッカーボールのような中空構造になっており、何かを閉じ込めるにはうってつけの構造となっています。(2016/4/27追記)
また、『破』で登場する宇宙船↓を見て頂きたいのですが・・・

・・・この宇宙船、実は月への往復に必要なスペックを遥かに超えた惑星間航行用レベルのものとして描かれているんですよね。
ということは、上述のAとBの世界が正しい場合、それらは惑星間レベルで距離が離れている↓んじゃないかと私は考えているんです。
(2018/3/21追記)
・・・さて、ここまでが話の導入部分です。
ここからは、『序』『破』の各シーンと上記A・Bの世界との対応を順に見ていきます。
<『序』開幕~第6使徒撃破まで>
→Aの世界
『序』『破』のほとんどはAの世界での描写と考えています。
つまり、『序』『破』の登場人物の大部分はAの世界の住人。
<『序』カヲル君登場シーン>
→上述しましたが、月に血の跡があるのでBの世界
カヲル君の『わかっているよ。あちらの少年が目覚め、概括の段階に入ったんだろ』というセリフは、Aの世界のシンジのことを示唆しています。

また、カヲル君が『また3番目とはね、変らないなキミは。逢えるときが楽しみだよ。碇シンジ君』と言うシーンにおいて、カヲル君の目線は頭上の地球Bではなく別の方向を向いています。というか、地球Bの日本が目の前にあるのに何故か完全に背を向けています。
これは、頭上の地球Bには碇シンジが存在しないことの示唆と思われます。
・・・ちなみに、カヲル君の視線の方向に地球Aが存在すると私は考えていますが、地球Bへの太陽光の当たり方から判断すると、それは地球を基準として太陽とは反対側、つまり外惑星の領域に存在することになります。
※太陽を挟んで地球の反対側とかにあった方が面白そうですが・・・ (2018/3/21追記)
<『破』開幕~加持リョウジ登場シーン>
(2017/6/13ネブカドネザルの鍵の詳細について追記)
→Aの世界
加持リョウジがネルフに持ち込むネブカドネザルの鍵。

このネブカドネザルの鍵なんですが、ゼーレのような機械の身体を持った人間になるためのアイテム↓だと私は思っています。
そして、その副次的な機能として、AとBの世界を隔てる何らかの障壁を突破する通行証としての機能を持っているのではと私は推測しています。
(だから、ゼーレはAの世界にもBの世界にも登場する)
ちなみに話がちょっと逸れますが、ネブカドネザルの鍵の『ネブカドネザル』とは、単なる検体名だったりします↓
つまり、上で示したゼーレのモノリスの中にも同種のものがありましたが、『ネブカドネザル』以外の別の検体名が付けられているはずってことです。
<『破』月のタブハベース訪問シーン>
→Bの世界
ネブカドネザルの鍵を入手したAの世界のゲンドウと冬月が、
Bの世界の月を初めて訪問したシーン。

ここで、ゲンドウが『Mark.06の建造方式が他とは違う』と言います。

これは、Aの世界とBの世界とでは、EVAの建造方式が異なることの示唆と思われます。そして、Aの世界で造られたEVAは『XX号機』、Bの世界で造られたEVAは『Mark.XX』というルールで番号が付されているのではと私は推測しています。
<『破』第8の使徒~第9の使徒>
→Aの世界
第8の使徒との戦いで、地球Aを見下ろすシーンを確認できます。

<『破』カヲル君再登場>
→Bの世界

ここで、カヲル君は『時が来たね』というセリフとともに地球Bを掴むような仕草をします。これは、『Aの世界のシンジにやっと逢える』という意味であると考えられます。
何故ならカヲル君はBの世界の住人なので、通常であればAの世界には行けません。しかし、これから地球Bの上で起きる事象により、Aの世界への道が拓けます。
<『破』第10の使徒戦~初号機が覚醒するまで>
→Aの世界

初号機の覚醒と共に頭上にガフの扉(以下、『ガフの扉A』とします)が展開されますが、この段階ではガフの扉はまだ開いていません。
<『破』リツコが語るシーン>
→Aの世界

リツコの『・・・天と地と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で・・・』というセリフですが、天と地と万物を紡ぐものとは『世界』のことであり、『相補性』という言葉の意味を加味して考えれば、正に、Aの世界とBの世界の関係を示唆するセリフであることがわかります。
また、『巨大なうねり』という表現は、未来がまだ収束(確定)していないことの婉曲表現と思われます。といっても、この直後に未来が確定するんですけれどね。
<『破』シンジとレイのシーン>
→Aの世界

シンジの『・・・いいんだもう。これでいいんだ・・・』というセリフですが、穏やかな内容とは裏腹に、この後のストーリーを決定づけるものすごく重要なポイントと私は考えています。
つまり、先ほどのリツコのセリフには『・・・自らをエネルギーの凝集態に変身させているんだわ。純粋に人の願いを叶える。ただそれだけの為に・・・』という続きがあるんですが、シンジは、願いを言えば叶う状況下で、願いなど無いと言うかのように『これでいいんだ』と言い切ったんです。
<『破』要塞都市の上空にガフの扉が展開されるシーン>
→Bの世界

『これでいいんだ』というシンジの意志が提示された直後に、Bの世界の要塞都市上空にガフの扉(以下、『ガフの扉B』とします)が展開されます。
これにより、ガフの扉Aとガフの扉Bが繋がってAの世界とBの世界を行き来できる状態になりました。
これが、
ガフの扉が開いた
という状態です。
このとき、ガフの扉Aの下側とガフの扉Bの上側が繋がり、ガフの扉Aの上側とガフの扉Bの下側が繋がっていると考えて下さい。
尚、ガフの扉Bが、要塞都市の上空という一見すると特に意味も無いような位置に突然展開されていますが、この位置には極めて重要な意味があります。
この点については後編で説明します(2016/4/27表現修正)。
<『破』カシウスの槍投下シーン>
→Bの世界

このシーンにおいて特筆すべきは海が明らかに赤色ではないこと。
もし海が赤色ならば、大地も赤色なので同系統の色となるはずです。なので、このシーンは絶対にAの世界ではないんです。
そして、カシウスの槍は、ガフの扉Bの上側の中心部分に向かって降下していきます。
<『破』サードインパクト強制停止シーン>
→Aの世界
カシウスの槍が、ガフの扉Bの上側から入ってガフの扉Aの下側に抜けて初号機を縦に貫きます。

<『破』カヲル君が降下してくるシーン>
→Aの世界

Bの世界の住人であったカヲル君も、ガフの扉を抜けることによって、ついにAの世界に辿り着きました。その証拠に、このシーンの月には血の跡がありません。
<『破』結末>
Aの世界とBの世界の間で始まりかけたサードインパクトが中断され、Bの世界の『カヲル君』『Mark.6』『カシウスの槍』がAの世界に移動したところで『破』のストーリーが終了します。
そして、本記事の冒頭で紹介した、「破」の最後の予告編に出てくる「廃棄される要塞都市」ですが、

Bの世界の要塞都市の描写ということで辻褄が合います。(2016/4/27追記)
・・・
以上が、私が考えるEVA『序』『破』の世界構造です。
それなりに説得力のある考察だと自分では思っているのですが、いかがでしょうか?
しかし、ここまで読んで下さった皆さんはこう思うでしょう。
『何で世界がこんな構造になっているの?』
・・・と。
その答えは、『序』の最後、ゼーレのキールのセリフに隠されています。

『そう。死海文書外典は掟の書へと行を移した。約束の時は近い』
つまり、『序』『破』の世界は正典ではなく外典なんです。
では、正典とは?
・・・もう、想像できますよね。
『TV版』『旧劇場版』が正典だと私は考えています。
ここに至って、以前私が書いた考察が俄然現実味を帯びてきました。(2016/4/27表現修正)
この場合、上記考察の中で書いた①の世界が今回の考察におけるAの世界に対応し、②の世界が今回の考察におけるBの世界に対応すると考えると辻褄が合います。
つまり、以前の考察を絡めて要約すると・・・
旧劇場版でシンジがニアサードインパクトを起こした結果、世界がAとBの二つに分かれ、Aの世界はシンジの望んだ形でのやり直しが行われる世界(時間が巻き戻るわけではなく、2015年の時間軸上に2001年時の世界が「再生」される)となり、Bの世界は旧劇場版で生き残った人たちの世界となったんじゃないでしょうか。
よって、『Q』で登場したミサト、リツコ、惣流・アスカ・ラングレー、といった面々は、旧劇場版の登場人物であり、今回のBの世界の住人としてと14年という歳月を経験していたと考えられます。そして、Aの世界のシンジとは14年の時間差が生じるという寸法です。
<2020/4/25追記>
つまり、『Q』のアスカのこのセリフ↓における14年とは・・・

・・・旧劇の最後からの経過時間(新劇場版でシンジが14歳に成長するのに要した時間)を示したものであって、『破』の最後からの時間では無いと私は考えているんです。
私の予想では、『破』と『Q』の間の時間経過はせいぜい数週間とかそんなレベルだと思ってます。
尚、2014年末の日本アニメ(ーター)見本市で公開されたアスカは、『Q』のアスカが惣流・アスカ・ラングレーであることの証拠だと考えています。

つまり、前向きのアスカが『惣流』で、横向きのアスカが『式波』ってことです。(2016/8/22追記)
また、私の考えが正しいとすると、Aの世界である『序』『破』は、シンジが願ったシンジにとって都合の良い世界、つまりシンジにとって理想的で美しい世界と位置付けられるのではないでしょうか。
そう、『美しい世界』=『Beautiful World』ということで、『序』『破』の主題歌を思い出しませんか?
この『Beautiful World』、編曲の違いこそあるものの、何故か『序』『破』の両方の主題歌に同じ曲が設定されている訳ですが、『序』『破』がシンジの望んだ理想郷でしかないという、作り手側からのメッセージなのだと私は考えているんです。
ちなみに、皆さん、『Beautiful World』の歌詞↓をちゃんと読んだことありますか?
It's only love
It's only love
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful world 迷わず君だけを見つめている
Beautiful boy 自分の美しさ まだ知らないの
It's only love
寝ても覚めても少年マンガ 夢見てばっか
自分が好きじゃないの
何が欲しいか分からなくて ただ欲しがって
ぬるい涙が頬を伝う
言いたいことなんか無い ただもう一度会いたい
言いたいこと言えない 根性無しかもしれない
それでいいけど
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful world 迷わず君だけを見つめている
Beautiful boy 自分の美しさ まだ知らないの
It's only love
どんなことでもやってみて 損をしたって
少し経験値上がる
新聞なんかいらない 肝心なことが載ってない
最近調子どうだい?
元気にしてるなら 別にいいけど
僕の世界消えるまで会えぬなら
君の側で眠らせて
どんな場所でも結構
Beautiful world 儚く過ぎて行く日々の中で
Beautiful boy 気分のムラは仕方ないね
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて
Beautiful world
Beautiful boy
Beautiful world
Beautiful boy
Beautiful world
Beautiful boy
・・・どうです?
改めて歌詞を見直してみると、これって、TV版・旧劇場版のシンジの願いを表現しているようにしか見えなくないですか?
つまり、『TV版第23話で死んだ2人目のレイにもう一度会いたい』というシンジの願いを表現しているんじゃないかってことです。
んで、この願いは、『破』の最後において、使徒に吸収されてしまったレイ(つまり、死んだも同然のレイ)を自ら救出することで、形こそ違えど見事に成就することになります↓

このテキストの上の方で、シンジは、願いを言えば叶う状況下で、願いなど無いと言うかのように『これでいいんだ』と言い切ったんです。と書きましたが、願いが叶った直後なんだと考えると、うなずけるのではないでしょうか。(2020/3/8追記)
・・・最後にですが、私の考えに基づくと、旧劇場版の最後の場面で登場する地球と月が、Aの世界とBの世界に分裂する前の世界に相当することになります。

この地球(以下、旧地球とします。)が、今はもう存在しない原点であり、つまり無在原点なんだと私は思っています。
・・・
とりあえず、今回の説明を前編ということにしてここまでにします(2016/4/27表現修正)。
(ブログの字数制限で最後まで書ききれない)
次回の後編では、考察の最も重要な部分である『A・Bの世界構造がQの世界に与えた影響』について説明したいと思います。(2016/4/27表現修正)
後編へ続く
以前、劇場でQを見た直後に、状況証拠から、14年の空白とQのアスカについて考察を書きましたが(※この考察については色々と粗が目立ちますが、とりあえず掲載時のままの状態で残したいと思います)、今回は『序』『破』を中心とした考察です。
まず、今回の考察の結論を書いちゃうと、
EVA新劇場版の『序』『破』では、2種類の地球と2種類の月が登場している。
ということを主張したいんです。
『何をバカなことをw』
と思われるでしょうが、私は真面目です。
ということで、判り易い根拠を見てもらいましょう。
・・・
先ず、第三新東京市において「要塞都市」は、「ジオフロント」の上殻部分に乗っているということを思い出して下さい。
んで『破』の一番最後、カヲル君が乗ったMark.06が満月を背にして空から舞い降りて来るシーン。

ジオフロントの内のネルフ本部の位置からこんな風に満月が見えるということは、要塞都市はジオフロントの上殻部分ごと吹き飛んでいるということになります。
しかし、その後の予告編の部分では、「廃棄される要塞都市」というセリフと共に以下のカットが映し出されます。

このカットを見ると、要塞都市が残っているのは一目瞭然だし、ジオフロントの上殻部分は十字に割れて捲れ上がっているだけで吹き飛んでいません。
これで、ジオフロント内部から月が見えると考えると・・・
『あれっ?』
って思いません?
・・・
次に、『序』の一番最後、カヲル君登場のシーンでは、かなりの広範囲に亘って血の跡があります。尚、このシーンは、月面の『静かの海』であることが明らかになっています。

しかし、その直前の、使徒を倒した後にシンジとレイが微笑み合ったシーンの満月には、血の跡はありません。

これって、極めて不思議な描写だと思いませんか?
・・・という感じで、『序』『破』には改めて考えてみると多くの不思議な描写があるんです。
そして、これらの描写をまとめて説明できるのは、地球と月が2個ずつある場合、具体的には以下のA・Bの2セットの場合と私は考えています。
A:海だけが赤い地球+通常の月
B:陸だけが赤い地球+血の跡のある月

そして、これらAとBの世界は同じ宇宙空間に存在しながらも、それぞれの世界の住人はネブカドネザル2世によって囚われたバビロン捕囚のように空間的に囚われているんじゃないでしょうか。
尚、この「囚われている状態」は、「Q」の冒頭で登場するフラーレンシフトと表現されている未知の防衛ラインそのものか、それに類似するシステムによって実現されているのではと私は考えています。

ちなみに、フラーレンとは、炭素の同素体の一つ(C60が代表的)であってサッカーボールのような中空構造になっており、何かを閉じ込めるにはうってつけの構造となっています。(2016/4/27追記)
また、『破』で登場する宇宙船↓を見て頂きたいのですが・・・

・・・この宇宙船、実は月への往復に必要なスペックを遥かに超えた惑星間航行用レベルのものとして描かれているんですよね。
ということは、上述のAとBの世界が正しい場合、それらは惑星間レベルで距離が離れている↓んじゃないかと私は考えているんです。

・・・さて、ここまでが話の導入部分です。
ここからは、『序』『破』の各シーンと上記A・Bの世界との対応を順に見ていきます。
<『序』開幕~第6使徒撃破まで>
→Aの世界
『序』『破』のほとんどはAの世界での描写と考えています。
つまり、『序』『破』の登場人物の大部分はAの世界の住人。
<『序』カヲル君登場シーン>
→上述しましたが、月に血の跡があるのでBの世界
カヲル君の『わかっているよ。あちらの少年が目覚め、概括の段階に入ったんだろ』というセリフは、Aの世界のシンジのことを示唆しています。

また、カヲル君が『また3番目とはね、変らないなキミは。逢えるときが楽しみだよ。碇シンジ君』と言うシーンにおいて、カヲル君の目線は頭上の地球Bではなく別の方向を向いています。というか、地球Bの日本が目の前にあるのに何故か完全に背を向けています。
これは、頭上の地球Bには碇シンジが存在しないことの示唆と思われます。
・・・ちなみに、カヲル君の視線の方向に地球Aが存在すると私は考えていますが、地球Bへの太陽光の当たり方から判断すると、それは地球を基準として太陽とは反対側、つまり外惑星の領域に存在することになります。
※太陽を挟んで地球の反対側とかにあった方が面白そうですが・・・ (2018/3/21追記)
<『破』開幕~加持リョウジ登場シーン>
(2017/6/13ネブカドネザルの鍵の詳細について追記)
→Aの世界
加持リョウジがネルフに持ち込むネブカドネザルの鍵。

このネブカドネザルの鍵なんですが、ゼーレのような機械の身体を持った人間になるためのアイテム↓だと私は思っています。
※クリックで拡大↓


そして、その副次的な機能として、AとBの世界を隔てる何らかの障壁を突破する通行証としての機能を持っているのではと私は推測しています。
(だから、ゼーレはAの世界にもBの世界にも登場する)
ちなみに話がちょっと逸れますが、ネブカドネザルの鍵の『ネブカドネザル』とは、単なる検体名だったりします↓
※クリックで拡大↓


つまり、上で示したゼーレのモノリスの中にも同種のものがありましたが、『ネブカドネザル』以外の別の検体名が付けられているはずってことです。
<『破』月のタブハベース訪問シーン>
→Bの世界
ネブカドネザルの鍵を入手したAの世界のゲンドウと冬月が、
Bの世界の月を初めて訪問したシーン。

ここで、ゲンドウが『Mark.06の建造方式が他とは違う』と言います。

これは、Aの世界とBの世界とでは、EVAの建造方式が異なることの示唆と思われます。そして、Aの世界で造られたEVAは『XX号機』、Bの世界で造られたEVAは『Mark.XX』というルールで番号が付されているのではと私は推測しています。
<『破』第8の使徒~第9の使徒>
→Aの世界
第8の使徒との戦いで、地球Aを見下ろすシーンを確認できます。

<『破』カヲル君再登場>
→Bの世界

ここで、カヲル君は『時が来たね』というセリフとともに地球Bを掴むような仕草をします。これは、『Aの世界のシンジにやっと逢える』という意味であると考えられます。
何故ならカヲル君はBの世界の住人なので、通常であればAの世界には行けません。しかし、これから地球Bの上で起きる事象により、Aの世界への道が拓けます。
<『破』第10の使徒戦~初号機が覚醒するまで>
→Aの世界

初号機の覚醒と共に頭上にガフの扉(以下、『ガフの扉A』とします)が展開されますが、この段階ではガフの扉はまだ開いていません。
<『破』リツコが語るシーン>
→Aの世界

リツコの『・・・天と地と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で・・・』というセリフですが、天と地と万物を紡ぐものとは『世界』のことであり、『相補性』という言葉の意味を加味して考えれば、正に、Aの世界とBの世界の関係を示唆するセリフであることがわかります。
また、『巨大なうねり』という表現は、未来がまだ収束(確定)していないことの婉曲表現と思われます。といっても、この直後に未来が確定するんですけれどね。
<『破』シンジとレイのシーン>
→Aの世界

シンジの『・・・いいんだもう。これでいいんだ・・・』というセリフですが、穏やかな内容とは裏腹に、この後のストーリーを決定づけるものすごく重要なポイントと私は考えています。
つまり、先ほどのリツコのセリフには『・・・自らをエネルギーの凝集態に変身させているんだわ。純粋に人の願いを叶える。ただそれだけの為に・・・』という続きがあるんですが、シンジは、願いを言えば叶う状況下で、願いなど無いと言うかのように『これでいいんだ』と言い切ったんです。
<『破』要塞都市の上空にガフの扉が展開されるシーン>
→Bの世界

『これでいいんだ』というシンジの意志が提示された直後に、Bの世界の要塞都市上空にガフの扉(以下、『ガフの扉B』とします)が展開されます。
これにより、ガフの扉Aとガフの扉Bが繋がってAの世界とBの世界を行き来できる状態になりました。
これが、
ガフの扉が開いた
という状態です。
このとき、ガフの扉Aの下側とガフの扉Bの上側が繋がり、ガフの扉Aの上側とガフの扉Bの下側が繋がっていると考えて下さい。
尚、ガフの扉Bが、要塞都市の上空という一見すると特に意味も無いような位置に突然展開されていますが、この位置には極めて重要な意味があります。
この点については後編で説明します(2016/4/27表現修正)。
<『破』カシウスの槍投下シーン>
→Bの世界

このシーンにおいて特筆すべきは海が明らかに赤色ではないこと。
もし海が赤色ならば、大地も赤色なので同系統の色となるはずです。なので、このシーンは絶対にAの世界ではないんです。
そして、カシウスの槍は、ガフの扉Bの上側の中心部分に向かって降下していきます。
<『破』サードインパクト強制停止シーン>
→Aの世界
カシウスの槍が、ガフの扉Bの上側から入ってガフの扉Aの下側に抜けて初号機を縦に貫きます。

<『破』カヲル君が降下してくるシーン>
→Aの世界

Bの世界の住人であったカヲル君も、ガフの扉を抜けることによって、ついにAの世界に辿り着きました。その証拠に、このシーンの月には血の跡がありません。
<『破』結末>
Aの世界とBの世界の間で始まりかけたサードインパクトが中断され、Bの世界の『カヲル君』『Mark.6』『カシウスの槍』がAの世界に移動したところで『破』のストーリーが終了します。
そして、本記事の冒頭で紹介した、「破」の最後の予告編に出てくる「廃棄される要塞都市」ですが、

Bの世界の要塞都市の描写ということで辻褄が合います。(2016/4/27追記)
・・・
以上が、私が考えるEVA『序』『破』の世界構造です。
それなりに説得力のある考察だと自分では思っているのですが、いかがでしょうか?
しかし、ここまで読んで下さった皆さんはこう思うでしょう。
『何で世界がこんな構造になっているの?』
・・・と。
その答えは、『序』の最後、ゼーレのキールのセリフに隠されています。

『そう。死海文書外典は掟の書へと行を移した。約束の時は近い』
つまり、『序』『破』の世界は正典ではなく外典なんです。
では、正典とは?
・・・もう、想像できますよね。
『TV版』『旧劇場版』が正典だと私は考えています。
ここに至って、以前私が書いた考察が俄然現実味を帯びてきました。(2016/4/27表現修正)
この場合、上記考察の中で書いた①の世界が今回の考察におけるAの世界に対応し、②の世界が今回の考察におけるBの世界に対応すると考えると辻褄が合います。
つまり、以前の考察を絡めて要約すると・・・
旧劇場版でシンジがニアサードインパクトを起こした結果、世界がAとBの二つに分かれ、Aの世界はシンジの望んだ形でのやり直しが行われる世界(時間が巻き戻るわけではなく、2015年の時間軸上に2001年時の世界が「再生」される)となり、Bの世界は旧劇場版で生き残った人たちの世界となったんじゃないでしょうか。
よって、『Q』で登場したミサト、リツコ、惣流・アスカ・ラングレー、といった面々は、旧劇場版の登場人物であり、今回のBの世界の住人としてと14年という歳月を経験していたと考えられます。そして、Aの世界のシンジとは14年の時間差が生じるという寸法です。
<2020/4/25追記>
つまり、『Q』のアスカのこのセリフ↓における14年とは・・・

・・・旧劇の最後からの経過時間(新劇場版でシンジが14歳に成長するのに要した時間)を示したものであって、『破』の最後からの時間では無いと私は考えているんです。
私の予想では、『破』と『Q』の間の時間経過はせいぜい数週間とかそんなレベルだと思ってます。
尚、2014年末の日本アニメ(ーター)見本市で公開されたアスカは、『Q』のアスカが惣流・アスカ・ラングレーであることの証拠だと考えています。

つまり、前向きのアスカが『惣流』で、横向きのアスカが『式波』ってことです。(2016/8/22追記)
また、私の考えが正しいとすると、Aの世界である『序』『破』は、シンジが願ったシンジにとって都合の良い世界、つまりシンジにとって理想的で美しい世界と位置付けられるのではないでしょうか。
そう、『美しい世界』=『Beautiful World』ということで、『序』『破』の主題歌を思い出しませんか?
この『Beautiful World』、編曲の違いこそあるものの、何故か『序』『破』の両方の主題歌に同じ曲が設定されている訳ですが、『序』『破』がシンジの望んだ理想郷でしかないという、作り手側からのメッセージなのだと私は考えているんです。
ちなみに、皆さん、『Beautiful World』の歌詞↓をちゃんと読んだことありますか?
It's only love
It's only love
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful world 迷わず君だけを見つめている
Beautiful boy 自分の美しさ まだ知らないの
It's only love
寝ても覚めても少年マンガ 夢見てばっか
自分が好きじゃないの
何が欲しいか分からなくて ただ欲しがって
ぬるい涙が頬を伝う
言いたいことなんか無い ただもう一度会いたい
言いたいこと言えない 根性無しかもしれない
それでいいけど
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful world 迷わず君だけを見つめている
Beautiful boy 自分の美しさ まだ知らないの
It's only love
どんなことでもやってみて 損をしたって
少し経験値上がる
新聞なんかいらない 肝心なことが載ってない
最近調子どうだい?
元気にしてるなら 別にいいけど
僕の世界消えるまで会えぬなら
君の側で眠らせて
どんな場所でも結構
Beautiful world 儚く過ぎて行く日々の中で
Beautiful boy 気分のムラは仕方ないね
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて
Beautiful world
Beautiful boy
Beautiful world
Beautiful boy
Beautiful world
Beautiful boy
・・・どうです?
改めて歌詞を見直してみると、これって、TV版・旧劇場版のシンジの願いを表現しているようにしか見えなくないですか?
つまり、『TV版第23話で死んだ2人目のレイにもう一度会いたい』というシンジの願いを表現しているんじゃないかってことです。
んで、この願いは、『破』の最後において、使徒に吸収されてしまったレイ(つまり、死んだも同然のレイ)を自ら救出することで、形こそ違えど見事に成就することになります↓

このテキストの上の方で、シンジは、願いを言えば叶う状況下で、願いなど無いと言うかのように『これでいいんだ』と言い切ったんです。と書きましたが、願いが叶った直後なんだと考えると、うなずけるのではないでしょうか。(2020/3/8追記)
・・・最後にですが、私の考えに基づくと、旧劇場版の最後の場面で登場する地球と月が、Aの世界とBの世界に分裂する前の世界に相当することになります。

この地球(以下、旧地球とします。)が、今はもう存在しない原点であり、つまり無在原点なんだと私は思っています。
・・・
とりあえず、今回の説明を前編ということにしてここまでにします(2016/4/27表現修正)。
(ブログの字数制限で最後まで書ききれない)
次回の後編では、考察の最も重要な部分である『A・Bの世界構造がQの世界に与えた影響』について説明したいと思います。(2016/4/27表現修正)
後編へ続く
ですがQの人類=旧劇のキャラクター達とする上で2点問題点に
気づいてしまったのでお話させて頂きたいと思います。
まずアスカですが、Q冒頭のUS作戦時でのヘルメット装着時に
「Pilot:Asuka Shikinami Langlay」の表示がありました。
惣流説とは矛盾してしまいます。
もう一つが冬月がシンジに語った碇ユイの設定が旧劇とは違っていること。(旧姓など)
もし、Qのゲンドウ・冬月のみがネブカドネザルの鍵を用いて
序・破の世界(世界A)から来た人物であったとしても、
冬月にはヴィレの人々同様に加齢による容姿の変化が見られ、
やはり世界Aのやり直した2015年時点が世界Bの2029年時点と合流したという説に
矛盾が生じるように思われます。
以上、無粋な横槍ですがもんさんの考察に役立てば幸いです。
私の考察(酔狂)につき合って頂きましてありがとうございます。
しかも、ご指摘の内容からすると、かなり読み込んで頂いたようで恐縮です。
さて、ご指摘頂いた件についてですが、まず、アスカの識別名(式波or惣流)についてお答えします。
これについては、『その5』でも書きましたが、ヴィレによる初号機の強奪が行われたのは、おそらく改2号機が建造された直後くらいのタイミングであると私は考えています。理由は、ヴンダーを起動するためには、内部エネルギーで活動できるエヴァが必要だからで、それは第10の使徒を吸収した初号機しかあの時点では存在しなかったため、最優先事項として遂行されたのだと思います。ヴンダー起動時のギリギリ感を見て頂ければ、ヴィレの人達がどれだけ逼迫した状況に置かれていたのかわかるのではないでしょうか。
よって、私の考えが正しいのであれば、改2号機は、エヴァとして稼働しさえすれば良いレベルでしか手を加えられていないはずです。実際、改2号機は、生体パーツで補修する手間をかけることなく機械パーツで荒っぽく形を整えられていますし、8号機の様にカラーリングも変更されていないし、アスカのプラグスーツに至っては新調されていないどころか破損個所をテープによる応急処置で済ませているレベルです。そして、おそらくですが、エントリープラグも新劇場版の2号機の使い回しでしょうし、システム廻りの修正なんて間違いなく後回しにされているはずです。
そう、つまりシステム廻りの修正が後回しなんだから、搭乗者の識別名の変更も行われていないはずということになり、ビッグボーイ様ご指摘のシーンで『アスカ(式波)』の方の識別名が表示されることは、私の考察からすると、むしろ状況に合致した妥当な表現なのではと思います。
次に、ユイの名前が旧劇場版と異なる点と、冬月の関係ですが、悩ましい話題ですねー
ただ、ユイの名前については、私のエヴァ考察シリーズの最終回において触れる最重要事項の予定です。
一方、冬月の方は・・・一応、自分の中では説明付けられているのですが、考察として公開するだけのクオリティがあるか微妙なところです。
なので、スルーしようかなと思っていたのですが・・・
どこかで考察にまとめたいと思いますです(笑)
*サードインパクト有りver
序→破A→旧劇[途中まで]→Q→新作映画A
*サードインパクト無しver
序→破A→破B→新作映画B
Qアスカのイラストが初公開された時に、プラグスーツの破損箇所や眼帯が、旧劇で量産型に襲われた時のものと一致すると騒がれたのを思い出しました。
実際に公開されたQは、これでもかと旧劇のネタをバラまいてましたね。プラグスーツなど些細なレベルでしたw
破とQが繋がって無いというのも当時から言われてましたが、設定云々よりも、シンジ君が可哀想でしたからね。
ところで、ナディアも世界が繋がってるらしいですが、ナディアの楽器が使われたのは、ファンサービスなのか、何かの裏設定でもあるのか。考え出したらキリがありませんね。
失礼しました。
お?
ひょっとして何かの考察ですか?
破とQの間は繋がっていないというか、跳んでいるという感じだと思います。
詳細は、2017/3/4に投稿した閑話休題に書いてみました。
あと、ナディアに関しては、元ネタで重複している部分はありますが、ストーリー的にはたぶん繋がってないと私は思ってます。
尚、楽曲については、破でカレカノの曲も使われているので、あんま関係ないかもかも。
(not)などの表示で、シンジの選択によって変化した破とQは別世界線みたいな考察は結構見かけましたが
この二つの世界の方がしっくりしました。
ゲンドウがキールと似た格好になっていたのもボク個人が気になっていたのですが、そことネブカドネザルが関係していると触れていて嬉しい気持ちです。
シンゴジラの発表により、庵野さんのシンに対しての表現が少しわかりましたよね
すなわち、世界観をゼロにして設定などはそのまま、現代の科学なども取り入れ再構築する。
それこそ漫画エヴァの冬のエヴァがスタートすると思っているのですがどうでしょう?
惣流がBに移動した方法も気になりますし、即ち正典の方のアスカの首絞め世界は今も繰り返さずどうなってるか不明という事ですよね?
これから考察の続き楽しみにしております。
序・破の表現の矛盾するシーンをうまく説明するためには、世界が二つあると上手くいくな~
というのが出発点でした。
楽しんでいただけたならよかったです~♪
Qアスカが惣流なら、確かに書けないかもですね。
まあ、スパロボとかも含めればQアスカに式波表示をしないというのが徹底されているとまでは言いがたいですが。