星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

京の冬の旅~頂妙寺・建仁寺霊源院

2015-01-11 | 散策・旅
「第49回京の冬の旅」非公開文化財特別公開から。
今日11日に訪ねたのは、頂妙寺と建仁寺霊源院。

リストアップされている文化財は毎回変わっているわけでは
ないので、未見のものを選ぶとなるとほんの一部になる。
今年は3つだけ。そのうちの2つに行ってきた。
初公開でなれていないせいか、公開内容や解説がちい~っと
ばかしさびしい気がする。こちらはありがたく見せていただく
立場なので何も言えないのだけれど・・・。
そういえば、今年は大河ドラマにちなんだ場所や史蹟がない。



●頂妙寺
仁王門には金剛力士ではなく、多聞天(左)と持国天(右)が
安置されている。どちらも運慶・快慶作伝。
寺の前からまっすぐ東に行くと南禅寺に突き当たる。その道が
仁王門通と呼ばれているが、その名前の由来となったのが、この
この頂妙寺の仁王門だったことを初めて知った。



大本堂の須弥壇は日蓮宗の仏像配置になっている。
織田信長の策謀により安土宗論で破れたが、秀吉の時代になって
布教を許された。



<寺宝>
琳派400年にちなみ、寺宝として俵屋宗達筆の「牛図」を展示。
宗達の没後に寄進されたものだそう。
墨のたらし込みという技法で、つなぎを解かれた牛を描いたもの。
掛け軸の牛の絵そのものはとても小さく、しかも二幅あるもの
を同時に展示せず前期・後期に分けて展示する。(ガックシ)
「蓮紙織画」は一定の幅で裁断した絵と白紙を縦糸と横糸に織り
込んだもので、これが伊藤若冲の桝目描きの着想のもとになった
のでは考えられている。な~るほど。宇多田ヒカルの「SAKURA
ドロップス」のPVにも登場したあのゾウの絵がそのひとつだ。
境内の墓地には俵屋宗達の墓と伝わる墓石もあった。



●建仁寺霊源院
建仁寺の塔頭寺院「霊源院」。
今回公開されている「中厳円月坐像」は五山文学を代表する高僧
の木像で、国の重要文化財。一部修復後の初公開。
南北朝時代の肖像彫刻の傑作といわれており、玉眼をはめた等身
大の像の表情があまりにリアルなのでびっくり!
修復中に見つかった胎内仏、小さな毘沙門天も同時公開。
どちらも慶派の仏師が手がけたもの。毘沙門天が手に持つ小さな
砲塔というか玉のなかには伝教大師が持ち帰ったとされる仏舎利
が入っているという。
室内には他に「也足軒」と「妙喜庵」の2つの茶席がある。




<メモ>
五山文学とは鎌倉末期から室町時代にかけて禅宗寺院で栄えた
漢文学のこと。霊源院はその最高峰の寺院のひとつ。

建仁寺周辺は十日戎で賑わい、大変混雑していた。


このあと冬の旅から離れて、京都三熊野の完結編。
熊野神社にお詣りして本日終了。


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