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2007年「灘町・宮内邸を守る会」トピックス

2007-12-31 17:11:59 | 日記・エッセイ・コラム

Img_0213  2007年「灘町・宮内邸を守る会」のトピックスを紹介。5月6日、「郡中まちぐるみ博物館めぐり」で灘町・湊町を歩く。「新聞屋さん博物館」の宮内新聞舗では、『海南新聞』(現在の愛媛新聞)に掲載された郡中の記事や古い町の地図などを展示。郡中財閥の第一人者・宮内治三郎は、明治16年この『海南新聞』の設立発起人だった。19年に郡中銀行を設立し、29年には南予鉄道(現在の伊予鉄道)を郡中まで開通させ、第4回衆議院選挙では自由党公認で郡中最初の衆議院議員となる。駆け抜けるように48歳で亡くなるが、伝えるべき明治の群像の一人である。Img_0220 「大西はかり店」には、郡中米騒動(大正7年)のとき被害にあった「米ます」が残されている。かつては綿屋。米屋・肥料店なども営み、当時湊町にあった郡役所前の店として大正・昭和の歴史を見つめてきた。「湊町・木下家」の奥には、庭に面した離れ座敷と美しい白壁の土蔵が残されている。商家の文化的な暮らしが伝わってくる貴重な空間だ。

Img_0280  7月28・29日、「住吉まつり」恒例の宮内邸での市民ギャラリーと夕涼みコンサートを開催。土間を活用したギャラリーに、日本画・洋画、俳画などを展示。今年は砥部・七折の天野薫さんの娘さんの作品も。宮内邸「建築の美」写真は、伊予市出身の武市基靖さんの作品である。Img_0288_edited 今年のコンサートは木管アンサンブル「蔵」の演奏。愛響メンバーによる構成でリーダーの花岡直樹さんは、県下の文化財保護にも携わる建築家である。地元・山惣商店の娘さんも出演してくれた。なつかしい日本の童謡メドレーに参加者も堪能。Img_0198

  今年最大のハイライトは、宮内小三郎家に残る江戸期の古隠居の調査で、建築年や施主・大工などを記した「棟札」が発見されたことだ。9月23日、松山東雲短大・犬伏武彦教授と愛媛建築士会伊予支部、「会」のメンバーらで古隠居屋根裏に上がって見つけた。国の登録有形文化財申請のための調査であったが、7月に訪れた文化庁技官からも「龍の天井絵」と座敷の建築時が分からないかと問われていた。Img_0204_edited 発見された棟札には「文化九壬申年 棟上 三月五日」、施主「宮内小三郎通徳」、棟梁大工「湊町 塩屋三右衛門」らとともに「欄間天井絵 火源屋忠太郎」の名も。文化9年(1812)は、宮内家が中心となり萬安港を築造をはじめた年であり、灘町最盛期の頃。天井絵も同じ時期に作られたもので、その勢いが伝わってくる。 犬伏先生をはじめ調査に関わった「会」のメンバーも大感激の一日だった。 翌日の愛媛新聞でも大きく紹介された。今後の調査で円山応挙とも伝えられる絵師の名が判明することを期待。Img001_5

 Img_0014_edited 12月16・22日の2日間にかけて、松山工業高校の建築学科の学生たちによる主屋の構造調査が実施された。伝統的な軸組工法で建てられた歴史的建築物の耐震性を調査することが目的。主屋は元文3年(1738)、270年前のもので郡中で一番古い建築物でもあり、千鳥破風のある大屋根を支えてきた。安政・南海の大地震などを経て現在までその風格を守っている。Img_0201_2 学生たちは牛梁などの大きな梁や小屋組みに驚きながら、日本の伝統技術の高さに感心していた。宮内邸の構造計算は初めてのこと。今後の成果が楽しみである。


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