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サスティナブル・ツーリズムとまちづくり

2008-03-18 22:31:14 | 日記・エッセイ・コラム

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 『いーよ ぐるっと88』の発刊を機に、合併後の伊予市のサスティナブル・ツーリズムを考えるフォーラムが、3月15日伊予商工会議所で開催された。サスティナブル・ツーリズムという言葉には、次世代へ環境や資源を維持・発展させたいという願いがこめられている。国連世界観光機構は、「持続可能な観光開発とは、未来の人々の機会を守り強化しつつ、現在の旅行者とホスト地域がもっている要求にこたえるもの。あらゆる資源を、もとのままの文化、生態系が必要とするプロセス、生物の多様性、生活支援システムを維持しつつ、経済的・社会的・美的なニーズを満たすことができる仕方で管理すること」と定義している。Img_0292_edited

  鈴木茂・松山大学教授は、基調講演でグローバル化・ポスト工業化社会のもとで観光サービス産業の必要性とともに、愛媛の地域開発の歴史から観光政策の課題にふれ、産業振興との調和、衰退地域・合併後の総合的な観光振興計画の立案・実施にどう挑戦するかが課題とした。とりわけ観光産業の特徴として第6次産業としての多様性、女性が主役になれる地域密着型のサービス産業、観光客の視線を意識したホスピタリティある地域づくりをあげ、これからは交流・学習型観光、ソフト・ツーリズム、サスティナブル・ツーリズムの道をめざすべきとした。また都市と農村が共生するイギリスの美しい農村、ナショナル・トラスト運動を例に、都市から農村への所得循環の仕組みをつくることを強調。伊予市が拠点都市として都市的機能を再生すること、歴史的建造物の保存、水辺景観・農村景観の保存・利用などによって住民の生活の質を高めることが地域づくりであり、観光開発はその手段であり結果であるとした。合併効果として海・山・里・まちの未利用・遊休化している地域資源を観光客の視線で再発見し、松山圏域・「エミフルMASAKI」のインパクトを活用する重層的なネットワークで、住民が誇れる美しいまち・むらづくりをとしめくくった。Img_0236_edited

 フォーラムでは、編集にかかわった各委員から伊予市の歴史文化・観光資源の豊かさが報告され、観光カリスマ・若松進一さんは、心の中の夕日の思い出がまちづくりの原点だったこと、子どもたちがふるさとを誇れるようにしたいと語った。今後の提案として、パネラーからモデルコースや観光ボランティアの育成、学べる観光・「伊予市学」の発展、漆の梅の里の保全、夕日ばかりでなく朝日も美しいこと、五色浜のさざえ掘に海水を、自然海岸を楽しむ森の遊歩道、拠点施設をインフォメーションセンターになどと多くの具体案が述べられた。Img_0307_edited_2

 「観光まちづくり」とは、住民が主体となって自然・文化・歴史・産業・人材など、あらゆる資源を活かし、交流を振興し、美しいまち・むらをつくることである。サスティナブル・ツーリズムという知的ソフト戦略によって、環境や景観、経済・社会・文化を含めた総合的なまちづくりへと発展させていくことが重要と思われる。「観光まちづくり」は学習であり地元学でもある。そして次代を担う子どもたちにふるさとを伝えていくことでもある。21世紀型の持続可能な都市と農村の共生のために『いーよ ぐるっと88』がテキストとして活用されるよう期待したいものだ。 Img_0310_edited_2

 春の日和に誘われた次の日、閏住の菜の花街道、翠小学校区の「石窯香房みどり」を訪ねた。ここでもふたみグリーン・ツーリズムをすすめる岡田博助さんや西岡農園の西岡さんとフォーラム実践編の話。石焼の紫いもやいちごまでいだいた。シーサイド公園では、パネラーの中嶋都貞さんともばったり。「観光まちづくり」の知的エネルギー溢れる面々ばかりである。Img_0321_edited 23日は郡中の五色姫まつり。今年から地域の女性たちによって商店街に雛人形が飾られるようになった。まちを歩くと、宮内邸の格子戸からもお雛さまが覗いていた。『いーよ ぐるっと88』が、新伊予市の人々をつないでいく。


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