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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

もう一度 反射の中で

2009-11-30 20:12:06 | 日々随想
太陽とか 炎を 見つめることが出来なかった頃
人間は 反射だけを見ていた
光源を見つめることがなかった時代


でも 現代
テレビや パソコンなど
反射でなく 光源を見つめている


液晶画面の中の写真と
紙に印刷された写真は
同じように見えて 全く異なるもの


それが 同じように錯覚するくらい
人間の感覚は 麻痺させられている


ふうん


プリンターで 写真を印刷する時代が来る前
フィルムには ネガが 焼き付けられ
印画紙には ポジが 焼き付けられていた


まず ネガティブ そして ポジティブ
そんな工程を通して
僕らは 遠い日の景色を 引き出しにしまうことができた


でも今 光源の中に
データとして たくさんの景色を記録していて
ほとんど 反射の中で 懐想することすらなくなった


音にしても 空間の反射が無いまま
イヤホンで 鼓膜へ直接 音波が届けられる
これでは 心の三半規管が麻痺するワケだ


だから 出来るだけ 反射の中で生きていたい


栄養を 点滴だけで補給しても 
人は生きていける


でも 咀嚼しながら 感じることのできる
食感や 温度や 匂いや 味なんかは
食べることでの反射なんだと思う


新しい楽器の 塗料を試しながら
そんなことを 考えていた
そして 太陽と 蛍光灯の下で
同じ塗面が 全く異なった色に見えたのが おかしかった


だから 反射は 面白い

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