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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

Father's son

2010-08-09 23:31:44 | 日々随想
熊谷で仕事を終えて
母からの電話
病院に着いたのは19時を過ぎて





ナースセンターで名前を伝え
病室を教えてもらい
緊張の鎧を まとって入ってゆく


そこには 母も姉の姿もなく…


とりあえず
造りかけのアンドロイドみたいな
チューブだらけの父のベッドに歩み寄る


「父さん」


つぶやいてみれば
うっすらと目をあけてくれて
『なんだ 来たのか 呼ばなくていいって言ったのに』


あれ? 意識あるじゃん!


病人には 間違っても言ってはいけないセリフ
「大丈夫?」を 飲み込んで
「大変だったね」


『もう帰りなさい 大丈夫だから 家でママ達が待ってるぞ』
「うん 明日も来るよ… よかった…」
『…ありがとな』


ありがと? ありがとって言った?
あの寡黙で頑固な父さんから
そんなコト言われたの 初めてかも…


「明日 また来るから」
面会時間を過ぎた 病院のフロアーは
冷房より冷たいガラガラな空間


でも 嬉しくて 暖かかった


実家で スリリングな話を聞かされて
僕の病院嫌いは 血統であることを知った
検査の結果は 土曜日


夏と冬が めまぐるしく駆け巡った
そんな 半日だった
ありがとって いい言葉だなー 





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