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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

凪いでゆくB

2010-08-10 21:26:36 | 日々随想
ただの帰省と違って
あちこちを 移動してるから
気づいたんだけれど


僕の育った街は
こういう街だったんだ
セピア色よりも 鮮やかな天然色の方が
なんだか 寂寥に満ちていた


ふうん






大人になって
仕事上 いろんな街へ行く
車だったり 電車だったり


そんな中で 故郷は
記憶以上に 凪いでいた


それは 僕が変わったからなのか
それとも 街が変わったからなのか


少年時代の 好奇心を煽ることに
何一つ不足がなかったハズなのに
僕は もう ここでは 生きていけないことだけを悟った


でも 両親も 姉も
この街で 昔の瞳で生きている
なんだか 僕だけ 圏外な気分になってしまった


昆虫が たくさんいて
友達と サッカーをして
マセた頃には バンドをやったり 恋をしたり


まだまだ この街に通うことになりそうだから
この夏の宿題は 
もう一度 この街と 仲直りをすること


そういえば


昔 診断されたから 77年間 信じてきただろうに
父の血液型は ABではないことが 判明した
輸血用のパックには 大きく B と記入されていたそうだ


僕は 血を見ただけで貧血になるから
看護婦が入ってきた時点で ロビーに逃げ出したのだけれど
母と姉は そのBという字を見て驚愕し 
看護婦は 慌てて確認しに行ってくれたらしい


ふうん


左ききの ABだと思ってたんだけれどね
母も 姉も 複雑な表情で 考えこんでいた


僕が気になったのは
二組の祖父母の血液型と 両親の血液型を鑑みるに
どうやら 子供達の血液型の可能性は 4種類もあるということ


なんだか 面白くなってきた
でも さよならも 近づいてきた
さ 夏の宿題を 頑張ろう 

Father's son

2010-08-09 23:31:44 | 日々随想
熊谷で仕事を終えて
母からの電話
病院に着いたのは19時を過ぎて





ナースセンターで名前を伝え
病室を教えてもらい
緊張の鎧を まとって入ってゆく


そこには 母も姉の姿もなく…


とりあえず
造りかけのアンドロイドみたいな
チューブだらけの父のベッドに歩み寄る


「父さん」


つぶやいてみれば
うっすらと目をあけてくれて
『なんだ 来たのか 呼ばなくていいって言ったのに』


あれ? 意識あるじゃん!


病人には 間違っても言ってはいけないセリフ
「大丈夫?」を 飲み込んで
「大変だったね」


『もう帰りなさい 大丈夫だから 家でママ達が待ってるぞ』
「うん 明日も来るよ… よかった…」
『…ありがとな』


ありがと? ありがとって言った?
あの寡黙で頑固な父さんから
そんなコト言われたの 初めてかも…


「明日 また来るから」
面会時間を過ぎた 病院のフロアーは
冷房より冷たいガラガラな空間


でも 嬉しくて 暖かかった


実家で スリリングな話を聞かされて
僕の病院嫌いは 血統であることを知った
検査の結果は 土曜日


夏と冬が めまぐるしく駆け巡った
そんな 半日だった
ありがとって いい言葉だなー 





沈んだ氷

2010-08-07 23:37:12 | 日々随想
新しいシューズを買った
明日の フットサルの為に


新しい楽器の準備をした
来月の 約束の為に


新しい単語を覚えた
来年の 出張の為に





明日は どうなるか分からない
来年なんて どうなってるか分からない
口では そんなコトを呟いてみても


頭の中の ほとんどの部分では
まだ しばらく
今のままの 健康と社会力で
生きていられると 信じているんだ


ふうん


でも ちょっと前の この国では
いや 今だって どこかの国では
本当に 明日が分からない生活がある


当たり前という光の中で
目を細めてしまえば
その背後の影すら 見えなくなってしまう


だから
当たり前の 一日でも
頑張って到達できた 一日でも


大切にしなきゃなって 思うんだ


当たり前さえ 奪われた人達の分まで
頑張ることさえ 出来なかった人達の分まで
思い切り 悩んで 笑って 大切にしなきゃって

東京湾のオヘソ

2010-08-02 19:38:10 | 夜々懐想
うみほたる


初めて来たのは もう十年くらい前のこと
まだ 昔のエンジ色の車で
助手席に 彼女を乗せて


長い海中トンネルを抜けて
再び青空が見えた時
見渡す限り 四面海歌を眺めた時


僕らは うわーって 感動したっけ


あれは 確か 僕の誕生日の頃
だから 館山に着いても 水着は着なかったし
そうだ 彼女がケーキを予約していてくれてたんだ


翌日 南端の灯台に行って
フェリーに乗って 東京湾を横断して
僕らの ささやかな旅は あっという間に終焉


時間の速度は
充実に比例して
願望に反比例して


遠い思い出なんか
過ぎ去った時間の中で
濾過されて 結晶化して
今じゃ 琥珀のように優しい輝き


今朝の うみほたる 一人で見回せば
蒼い空 青い海
記憶より 遥かに大きかった


ふうん


八月のイエローカード

2010-08-01 22:33:06 | 日々随想
どうやら
熱中症になったようだ
悔しくて 情けないけど 真摯に認めることにした


過信してた
慢心してた


でも 冷房も扇風機もない生活はやめないよ
でも 寝るときも長袖長ズボンはやめないよ
でも 週末の炎天下の運動はやめないよ


改善するのは
自分も 暑さに負けることを認めること
それを意識して 運動すること それだけ


フットサルをやっていて
吐き気と 視界真っ白に見舞われて
率直に ちょっとヤバいと思って 怖くなった


うん 対等に付き合っていこうじゃないか 夏
うん イエローカードを ありがとう 夏
畏れるけど 屈服はしないぞ 夏

深紅のフラメンコ

2010-07-31 22:20:11 | 日々随想
新しい携帯
かなり 恋してるかも
日々 少しずつ 進化して


大好きな インターネットラジヲ
オッターヴァも 韓国TBSも 聞けなくて
ちょっと へこんだりしてたんだけど


見つけた!


フラメンコラジヲ!
一日中 どこにいても フラメンコ!
もう 他の放送が聴けなくても 御機嫌!



夏の強い日差しは
いつにもまして
深くて 濃い影を 描き出す


僕にとって フラメンコは
そんな 夏の影のような音楽
時々 魂にビリビリ ビリビリ


日本の音楽は 湿度に溢れている
でも フラメンコは カラカラに乾いてるんだ
熱くて 深い乾燥 そして 底


ますます この携帯にホレてしまう
ますます 名前がつけにくくなってしまう
今夜もフラメンコを聞きながら
電話が来ませんようにと 祈ったりして


ふうん

遠い近道

2010-07-29 23:33:51 | 日々随想
自宅から 目的地まで
幾つもの放射状のルート
頭の中には 蜘蛛の巣のような地図がある


でも 目的地から 別の目的地へ向かう時
頭の中の蜘蛛の巣は 全く役にたたない
だから そういう時は 地図とニラメッコ


今日の運転は 友人だったから
僕は ナビゲーター
地図と携帯を駆使して 最短距離のドライブ


でも 渋滞までは 予測できなくて
道の選択ですら 経験とセンスが問われるもの
現代の遠近は 距離よりも 時間で計られる


ふうん

静かな二次元

2010-07-28 22:47:41 | 日々随想
友人が 新しい楽器の図面を持ってやってきた
僕らの 夏休みの工作
2次元での御対面


テーブルいっぱいに
ふたつの図面を拡げて


彼は オリジナルの図面を 綺麗にアレンジ
見た目に 違和感も 強引さもなく
でも それが どれだけの試行錯誤の結果なのか
僕には ちゃんと分かるから


次は この図面が 立体になる
いろんな意見を出しあって
それぞれの 部材の材質や厚みを検討する


チェンバロでは
いつだって パワー優先だったから
贅沢に 丈夫に 重い楽器になっていたけど


でも 今回のクラヴィコードのテーマは コンパクト
そして 軽さの限界にも挑戦する
だから 弦の力に負けて 歪んでしまうかも


7月中に 材料を揃えなきゃ


浜松で修行してた頃 聞いたエピソード
先代の社長 大橋幡岩氏は
ピアノの図面を見ただけで 音が聞こえる と言ったそうだ


ふうん


まだまだだな
図面はおろか
楽器を眺めても 音は聞こえてこないもん


調律屋は
出来上がった楽器の音を
いかに 音楽的にしていくか が仕事だから


とりあえず 音が出てから
悔やんで 悩んで 大騒ぎしよう


「失敗とは 挑戦しないことであり 成功とは 自分を知ることである」

君の大きさ

2010-07-27 22:56:25 | 日々随想
「月はどうして 大きくなったり 小さくなったりするんですか?」
ラジヲから流れる 夏休み子供電話相談室
『それはね 月が低いとこにあると 比べるものがあるから錯覚するだけなの』


試しに 五円玉の穴から 月を見て
穴の大きさと同じになった距離を測ってごらん
低い時も 高い時も 月は同じ大きさだから


ふうん


誰かと比較して
周りの雑音は
君を大きくしたり小さくしたりするけど


いつだって 君は 君の大きさなんだ


ただ 光の反射で
真ん丸になったり
見えなくなってしまうけど


いつだって 君は 君の大きさなんだ

もうひとつの誕生日

2010-07-26 23:37:31 | 日々随想
また 名前をつけなくちゃ
面倒臭そうに 鼻を鳴らしてみたりするけど
本当は ひっそりと嬉しい


僕は 名前をつけるのが好き
車でも パソコンでも 腕時計でも
様々なものに 名前をつけすぎて 忘れてしまうくらい


ふうん


新しい子は 真っ赤っか
手のひらに乗る 薄っぺら
テレビも見れるし ブログを書けるし ナビにもなるし


さ 何て名前にしてやろうかな
何故か通話機能まで搭載されてる
僕の新しいケータイ