主演は中井貴一さん。
主人公・白鳥貞美(中井貴一)は、東京にある医大病院の麻酔科医。貞美の父・貞三(緒形拳)は、北海道・富良野市で訪問医をしています。貞美を勘当して、ルイ(黒木メイサ)、岳(神木隆之介)の孫2人と暮らしている、という設定。
このドラマは、本当にいいですね。
中井貴一さん演じる麻酔科医は、本当に実在する人みたいに見えます。緒形さんはじめ、他の出演者の方もそう。
一人の麻酔科医の色々な日常、仕事の様子、医大生への講義の様子、家族関係、恋人、過去、病気、、と様々な側面に光が当てられます。
医学用語も色々出て来ますが、ストーリーに沿っていて、流れで理解できるようになっていますね。
とても興味深いです。
主人公は、とても明るい性格で人望がある感じですね。麻酔科医としても実力があるし、上司からも、後輩からも信頼されてる人物、というのが伝わってきます。
昼間は病院でバリバリ働いて、夜はホテルのラウンジでお酒を飲み、ピアノの弾き語りをしている若い女性(平原綾香)とデートをする、というリッチでおしゃれな男性、、だな、と思ってました。。
でも本当は、末期癌を抱えていて、勤め先の誰にも秘密にしている。。そして、家族関係、私生活もワケありみたい、、妻とは死別し、父からは勘当され、2人の子供とも別居・絶縁状態、、なんですよね。
これから、この物語はどんなふうに進んでいくのか、、第1回、第2回と見ましたが、とっても中身が濃い感じがします。人の「生」と「死」に真正面から向き合った作品だな、と感じますね。
時にお茶目で、賢くって、頼りになる祖父役の緒形さん。
富良野の美しい自然の中で、知的障害を抱えるという、繊細な14歳の孫(神木隆之介)への接し方が、とても素敵です。。温かくて、優しくて、ユーモアがあって。
「愛犬の死」という、受け止めきれないような状況に際して、二人分のお茶を淹れた祖父が、愛犬が今、天国でどんなに楽しく過ごしているか、生き物の死とガーデンの花々の死との違い、、本当はそれらに共通点があること、などをゆっくりと話して聞かせます。。
このシーンの台詞は、とっても素晴らしくて、、もう1回、この「第2回」を見直そう、、と思っています。
素晴らしい台詞も、緒形さんが演じられるからこそ本物になる、という感じがします。
第1回=スノードロップ、第2回=エゾエンゴサク、、とガーデンの花々をモチーフにした、ドラマ展開も素敵ですね。
しかも、緒形さんは勝手に花言葉を作って、14歳の孫に教え込んでいる、という役なのです。(笑)
汚れない美しい白い花、スノードロップは、、、「去年の恋の名残の涙」。
プルモナリア・ラズベリースプラッシュ(ラズベリー色の小さな花が菜の花のように集まって咲いている)は、「小学生の淡い初恋」。
プルモナリア・ルイスパルマー(同じプルモナリア。こちらはミステリアスな紫色)は、「早熟な乙女は、割とすぐ老ける」、、だって(笑)。
これを不倫の恋にハマっている、21歳のルイ(黒木メイサ)の前で言うもんだから、煙たがられてますね(笑)。
花言葉も面白いし、緒形さんがお茶目で、いい感じです♪
俳優さんは、作品の中でずっと生きていらっしゃるんだな~、と思いますね。
3ヶ月間は、毎週会えますね。。
40代も70代も、、ずっとカッコイイ、素晴らしい俳優・緒形拳さん。
心よりご冥福をお祈りします。