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モナリザ珈琲館~ダイアリー

ほっとコーヒーブレイクする感じで、ついつい話が盛り上がる、そんなブログを目指してます。映画や本の話題などなど・・・

原作と映画

2008-09-30 23:46:11 | 映画のこと
映画「闇の子供たち」が、バンコク映画祭で上映中止になったというニュースについて。

梁さんの原作(02年刊行・内容的には97年と設定している)から考えると、全く人身売買問題を解決する気が無いように思えるタイ政府、警察。97年当時と今とでは、状況は変わっているのでしょうか。。

小説では、タイの社会福祉センターで、命がけで活動に取り組むナパポーンが音羽恵子に、

「国内と国外のNGOの人達と話し合って、この国の経済を支援している国に圧力をかけるのよ」
「経済援助の10%~20%を、政府や軍や警察の高官たちが懐にしているのは誰もが知ってます。ただ、その裏の実情が掴めないし、掴んだところで公表できないので、あらかじめ支援国に情報を公開してもらうのよ」
「社会福祉関係にどれだけの予算を使っているのか、それを援助国から確認してもらって、もし正確な数字が提出されないときは援助を減額するとかの方法を取らせる。つまり私達の意見を聞き入れてもらえないときは減額してもらうよう援助国に圧力をかけるのよ。そうすれば政府も私達の意見に少しは耳を傾けるかもしれない」

という発言をするなど、現地での心ある人々の苛立ちが描かれています。
日本からタイへの経済援助、、それをカードにこういう「子供の人権」「福祉」への対策を求める、、こんな原作どおりの台詞が映画にあれば、タイでの上映などわずかな可能性すら無かったでしょう。。

映画には、こういう台詞は全く無かったです。

また、原作では警察とマフィアの癒着を描いた部分は絶望的でしたね。。

「政府の中に見識と良心を持った人間がいないとは言わない。だが、そういう人間はたいがい影響力が無い。2年前、社会民主党のスッシィ議員が何者かに暗殺された。全身に18発の銃弾を浴び、脳みそは吹っ飛んでいた。彼は確かに見識と良心を持っていたし、影響力もあった。だから暗殺されたんだ。政府に期待するのは馬鹿げている。政府や軍や警察には人を殺したくてうずうずしている連中がごまんといる。」

という台詞があったり。。
社会福祉センターのボランティア達のほうがに命を落としていくんです。。

人身売買で利益をあげる組織のボスは、

「ボランティアの連中に何が出来る。何もできゃせんよ。一人か二人の子供を助けるという名目で騒いでいるが、我々のような組織の勢力争い、宗教戦争、資源の争奪、国益などの問題を解決しない限り、この問題は解決できやしない。連中はそのことをわかっていない。」

などと、複雑な利益の絡んだ問題である、と指摘するような台詞もあります。


一方で、パンフに載っていた斉藤百合子さん(恵泉女学園大学)の意見。
「小説を映像化するには、事実誤認と思われる箇所もあったし、何よりも、国として日本よりもずっと先進的な人身売買対策を行っているタイ政府に対して失礼ではないかと思われる箇所もあった。また、タイ国内の臓器密売についてはほとんど知らなかったので、あいまいな情報を映像化されることに大きな抵抗があった」

とのこと。

97年と08年では、状況も変わっているかもしれないし、小説自体に事実誤認があるそう。
また、日本よりタイが先進的な人身売買対策を行っている、、というのは意外でしたね。

阪本監督はネット検索し、「日本の男性たちがまるで罪の意識もなく、軽い文体で、タイや中国で子供を買った体験や写真を自慢し合っているのを目撃した。それがすごい数なんですよ。無防備な書き込みを読むにつれ、社会性とはなんたるものかを考えざるを得なかったし、そもそも日本はアジアの一員なのかと疑問を持たざるを得なかった。」と感じられたそうですが、日本の人身売買対策が甘いから、そういう事態になるのだとしたら、児童買春者は一部の人だと思いますが、やはり「厳罰化」などの法整備を求めたいですね。(ホント、厳しく取り締まって欲しいです。)

また、こうした過酷な環境にある子供たちの為に活動しておられる団体を幾つか調べましたので、次回のブログ記事に載せたいと思います。

高校時代の友人達と久しぶりに会ったら、何人かの子がとても熱心に取り組んでいた「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」。
社会企業家としてTVで紹介されていたサフィア・ミニーさんの「フェアトレード」、NPO法人「かものはしプロジェクト」の若き代表、村田早耶香さん。
また尊い、若い命が犠牲になってしまったニュースが記憶に新しい中村哲医師の「ペシャワール会」、
ワタミのテーブルで見つけたNPO法人「スクール・エイド・ジャパン」など、です。

HPなども見に行ったりして、その行動の素晴らしさに共感を覚えました。
一気にたくさんの団体に寄付をするような事は出来ませんが、本当に幾らからでも寄付を募っておられるので、わずかばかりの金額ですが、半年に1回でもお役に立てたらいいな、と思っています。


最後に、映画の主題歌(桑田圭祐さんが担当)ですが、この映画の感想を書いているブログを幾つか覗いてみたのですが、映画の内容と合ってない、シリアスな映画なのに違和感を感じる、とキビシイ意見がほとんどでしたね。。
「映画のミスマッチ主題歌ランキング」というのがもしもあれば、ぶっちぎりの1位を10年くらいキープしそうなほどの合ってなさでした。。ひどかったです。
(桑田さん自体は、好きなミュージシャンベスト5の中に入る人なんですが。ワタシ的には。)

「篤姫」宮崎あおいちゃんの公開中映画ですが。。

2008-09-29 23:34:27 | 映画のこと
大河ドラマ「篤姫」、、13代将軍が亡くなってから、かなり地味になってしまったとはいえ、やっぱり面白いドラマだなぁ、、と思って見てます。
若い未亡人役のあおいちゃんの、凛とした雰囲気と上品さ、そこはかとなく漂う色っぽさ、、大河ドラマの間にも、すっごく女優として成長してるんだなぁ、、と感じますね。
しかも高視聴率をキープし続け、絶好調。

そんなあおいちゃんが、次に出演する作品ってどんなだろう、ってずっと思ってました。
やっぱり大作映画かな?(TV局が製作に加わるような。。)とか、結構規模の小さい、スタイリッシュで作家性の強いものかな、とか。(次はクドカンの映画が控えているんですよね。。)

実際は、、

ほとんど映画公開のテレビCMなど無く(少なくとも、私は1度も見てません。。)、本屋さんで原作本が並んでいて、帯にあおいちゃんが出てるのを見て、この映画の事を知ったぐらいで。。
本当に、ショッキングな内容の映画でした。。

「闇の子供たち」
監督・脚本:阪本順治 原作:梁石日(ヤン・ソギル) 
出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市



かなり残酷ですが、国際的かつ社会性の強い作品だと思ったので映画を見る前に原作本も読み始めました。。
映画を見終わってから改めて思うのですが、原作本の凄まじさ、恐ろしさは想像を超えていました。
逆に、映画の子役さん達の顔を見てるとほっとするくらいで。。(いや、子役さん達も頑張って大変なお芝居してるんですが)

と、いいながらも映画を見ている間にも、あまりに見るのが苦痛で、「もう、途中で出ようかな」と思ったシーンもありました。。

阪本監督も、タイの子役さん達に、どうしてこの役を演じてもらうのか、など一人一人にじっくり説明、コミュニケーションをとり、子役の保護者の方達にも理解を得て、撮影していったそうです。
「なぜ、あなたにこんなことをしてもらうのか。なぜ、この映画が必要なのか。この映画が上映された時に、何が期待できるのか。」と。

オーディションで100人くらいの子供たちに会ったそうですが、大半の子供たちが、映画で描かれているような、自分達と全く違う環境で生き、虐待されている「子供」がいる事実を知っていたそうです。

残酷な児童売買春について描かれていますが、阪本監督がタイの子供達に寄せる温かい気持ち、コミュニケーションをとったうえでの信頼感、使命感、、などが伝わってきました。

そして、アジアの子供たちの苛酷な環境に詳しい斉藤百合子さん(恵泉女学園大学)のアドバイス通り、「子供たちへの暴力シーンは極力描かない」「子供たちの非力や無力を強調するのでなく、醜い買春者達の表情や体を画像に出す」「子供たちが本来持つ伸びやかな生命力を表現する(児童売買春はそれらの力を奪う犯罪であることを観客が認識するため)」といった製作意図も、丁寧に表現されているように思いました。タイの満月や、ヤイルーンを抱きしめてくれるかのような南国特有の大木、、こういった演出は小説には無いものだったので、心に残るシーンでした。

*******

私は友人とこの映画を観にいったのですが、本当にお客さんがいっぱいで関心が高かったのに驚かされました。夕方の回に間に合うように行ったのですが、満席だった為、夜20時からのチケットを購入。まあまあ大きな映画館ですが、夜20時以降の上映で満席だったのは、この作品だけでした。
それでも、ロビーにいる間に「満席だから見れないね。信じられない。。」と言いながら帰っていく人達も見かけた程でした。

映画上映後も、「原作本では、こうだったよ。」とか、「今度、原作貸してあげる。途中で読み進めなくなるかもしれないけど。」などと話している人達が多かったのも驚きでした。
私も友人に「原作の描写より、だいぶん抑えた映像だったけど、見ていて辛かったね。。」と話していた所でした。
多くの人が関心を持ち、『どうして、こんな恐ろしいことが起こるのか』と真剣に考えているんだ、、という実感を持ちました。

こんなにも苛酷な環境で生きている命があるのだ、、と思うと、本当に辛く、何かこの人達の為に自分に出来ることはないだろうか、、と切羽詰った気持ちにさせられます。

「心臓移植を待つ日本の子供が、お金で、タイの健康な子供から心臓をもらう」という話はまさか、、と思いつつも「やはり闇の世界では、、」とも感じてしまい、本当にやるせない、苦しい気持ちになります。友人も、「やっぱり日本人はひどいね。。」と言ってました。

ただ、あとからパンフレットを読むと、阪大病院の医師がハッキリと「日本の子供たちの臓器移植はタイでは行われていない」「タイの子供の臓器をお金で買おうとするほど、日本の親達の心はすさんでいない」と書かれていました。。

そりゃ、そうですよね。。

もし現実だったとしたら、もっと大変な社会問題になって、ハッキリと誰かが委託殺人で裁かれるんじゃないんでしょうか。色々想像して本当に恐ろしくなりました。

友人にも、パンフにこう書いてるよ、と言ってあげると「あぁ!そうなんだ。やっぱり、そうだよね。いくらなんでもねぇ。公式見解としては、そうだよね。」と言って、ちょっとホッとしていました。

この映画は、ノンフィクション映画、と映画の紹介サイトでも書かれていますし、映画のポスターにも「これは事実か、真実か、現実か」と書かれてますので、本当に心臓を買う日本人がいるのか、と信じ込んでしまいそうになるんですよね。。

例えば、gooの映画サイトでは以下のように紹介されています。。

日本新聞社バンコク支局で、幼児人身売買を取材する記者、南部は、日本人の子供がタイで心臓の移植手術を受けるという情報を得る。知人に金を握らせ、臓器密売の元仲介者に接触した南部は、提供者の幼児は、生きたまま臓器をえぐり取られるという衝撃の事実を知る。取材を続ける南部は、ボランティアの少女、恵子と知り合う。純粋すぎてすぐ感情的になる恵子に苛立つ南部だが、善悪に対する感覚が麻痺している自分を恥じてもいた。

幼児の人身売買、売春というショッキングな真実を描いたノンフィクション映画。闇社会の現実を世に暴くことで、子供たちを救おうとするジャーナリストと、目の前にいる一人の子供を守ろうと命を張るボランティアの少女の、二つの視点からやりきれない事実を描いている。タイを舞台にしているが、一方では彼らを“買う”客たちもいるのであり、その多くがタイを旅行する外国人。日本人にとっても、決して他国の話ではないのだ。衝撃のラストシーンが、その事実を語っている。『亡国のイージス』、『魂萌え』などの阪本順治監督が、江口洋介、宮崎あおいら、豪華キャストを集結させ、極めて深刻な問題を世に提示している。真の意味での問題作。

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ただ、9月の後半からでしょうか。。映画紹介文の後半は以下のように変更されていました。
現実的な描写の中に、明白なフィクションを織り交ぜているのに、「真実」「ノンフィクション」と紹介してしまうのはメディア、表現者としては致命的な失策だと思います。

幼児の人身売買、売春というショッキングな内容を描いた、梁石日の同名小説を映画化した問題作。『亡国のイージス』、『魂萌え』などの阪本順治監督が、江口洋介、宮崎あおいら、豪華キャストを集結させ、極めて深刻な問題を世に提示している。

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この映画が持つ「社会問題」を提起する力、人々が思わず足を止め、その現実に目を覆いそうになり、それでも「何かしなければ」と思わせる力を持っていることは、十分評価したいと思いますが、こういった「心臓移植を待つ日本の子供達と親達」に対する間違った描き方には疑問を感じます。

また、原作とは違った南部(江口洋介)の描き方、ラストシーンにも嫌悪感を覚えました。

梁石日さんの「闇の子供たち」は、一人の作家が取材も行ったうえでの、あくまで小説であって、どこにもノンフィクションと書かれてないし、読む側もある程度「フィクション~グレイな闇の部分~ノンフィクション」の間を行ったり来たりしながら、考えていけるような作品になってると思うんです。
でも、それを何人もの製作者が関わって、合意の上で、まるで実際にあったことのように映像作品にし、映画のラストに「日本の子供たちへの臓器提供はタイでは行われていません」もしくは、「この作品はフィクションです」というテロップさえ流さないというのは、こんな大変デリケートで重要な問題について、間違った認識・印象を生んでしまうと思います。

一人の作家が作り出す小説という形式と、多くの製作者が関わって、なおかつほとんどドキュメンタリータッチで撮られている映画という形式とでは、与える影響の大きさが全く違うといえるでしょう。

例えば、村上龍の「半島を出よ」という小説がありますが、これをストレートに映画にしてしまっては国際問題になってしまうと思います。北と日本との交渉の進展に相当の悪影響を及ぼすでしょう。
相手国に、しょうもない攻撃箇所を与えてあげるだけ、、という感じなので、原作どおりの映画は作るべきではないと思います。

やはり、一人の作家が作り出す小説という形式には、映画に比べ、相当に自由な表現が許容されていると思うのです。

*******

阪本監督は、「タイの恥部を暴くことが目的ではない」「自分を正義ととらえた告発者としてではなく、映画で描く出来事が日本人自身と私にはね返ってくるような作品にしたい」とおっしゃっていて、映画の撮影はタイの警察の全面協力のもと、行われたそうです。

梁さんの原作では、タイ政府、警察、役人達、マフィアへの批判がかなり厳しく書かれているので、タイで撮影させてもらうには、そういったタイへの批判部分を出来る限り削り、「日本人」を醜悪に残酷に、究極の利己主義として描く手法を取ったのかもしれません。
NGOボランティアの音羽恵子(宮崎あおい)のような人物も描いてはいますが。。

でも、結局9月の後半になってバンコク映画祭での上映中止が決まったそうです。


人身売買描いた「闇の子供たち」、バンコク映画祭で上映中止 2008年9月20日 ヨミウリ・オンライン


「タイの暗部を強調し、国のイメージを損なう」との主催者側の判断。最近になって同作品を見た主催者のタイ国政府観光庁関係者が「観光地タイをアピールする映画祭にふさわしくない」との見解をしめした、とのこと。


「日本」が相当泥をかぶったような内容に変わっているにしても、、やはり、タイでは上映できないんでしょうね。。

また、次回の更新でもこの映画に関して書きたいと思います。
「原作」と「映画」の違い、、という視点で。

宮崎あおい@ジョン・レノン・スーパー・ライヴ

2008-09-28 23:08:10 | キーワード、TV日記
******* MSN産経ニュース 2008.9.4

12月8日のジョン・レノンの命日に東京・北の丸の日本武道館で開催される冬恒例のイベント「第8回ジョン・レノン・スーパー・ライヴ」に女優の宮崎あおい(22)が初出演することが3日、分かった。かねてからビートルズファンだったという宮崎が、ジョンの作品を自ら選んで詞の朗読を行うもので、その“選曲”もファンの興味をそそりそうだ。
宮崎が大のビートルズファンだということは、意外と知られていなかったのではないか。実は、iPodにはほとんどのビートルズとジョンの作品を入れて、常に持ち歩いて聴いているという。
宮崎はジョン・レノン夫人のオノ・ヨーコ(75)の提唱で始まったこのイベントの収益金が、アジア、アフリカの恵まれない子供たちのための学校建設資金に役立てられるということでヨーコの活動に共鳴した。
また、世界平和を希求する歌として、イベントでも毎年歌われている「イマジン」のような、ジョンのメッセージ性の強い歌にも惹かれた。ジョンとヨーコへの共感がきっかけとなり、ビートルズの歌も興味を持って聴くようになったようで、参加の依頼は二つ返事で承諾したという。
元々は、主催者側が以前から宮崎の演技力に注目していて、関係者がヨーコに宮崎の映画やドラマのDVDを送ったところ、ヨーコも宮崎の幅広い演技力に感激し出演依頼に至った。いわば相思相愛の関係から夢のコラボが実現したわけだ。
当日は、宮崎自らお気に入りのジョンの詞を選んで朗読する。宮崎は、「ジョン・レノンの残した言葉や想いを少しでも多くの方に伝えるお手伝いができればと思っています」と話しており、出演を心待ちにしている。 また、同ライヴの収益金でアジア、アフリカに建設された学校の報告などについても、宮崎がナビゲーター役となって行う予定だ。

*******

先日、映画「アクロス・ザ・ユニバース」を見て、改めてビートルズって凄いな、と思いました。
12月8日のジョン・レノンのイベントに「篤姫」宮崎あおいちゃんが参加する、とのこと。

ジョンの作品を選んで詞の朗読、って、すごく注目されるスペシャル・ライヴになりそう。
いわゆるビートルズ世代とはかけ離れた年代であっても、時代を超えて人々を魅了する力があるんですよね。。

「アジア、アフリカの子供たちのために学校を」という趣旨も素晴らしいですね。
実は、最近見た映画で、アジアを舞台にした非常にショッキングな内容のものがあって、近いうちにブログにもUPしようと思ってたんですが、、なかなか考えがまとまらない、というか、本当に精神的に辛いというか、何か自分に出来ることはないか、と思っていた所だったんですね。。

その映画のことは、たぶん次回あたりにUP出来ると思うんですが、「何か、自分に出来ること」は、こうしたビートルズイベントも含めて、ささやかな自分の貯金の中から、実際に行動している方達に託すわけですから、じっくり活動報告なども読ませてもらってから、託していきたいな、と感じています。

ふしぎ発見!で、「シルク・ドゥ・ソレイユ」特集

2008-09-21 23:08:56 | 演劇、コンサートetc
草野仁さんのTV番組、「ふしぎ発見!」でシルク・ドゥ・ソレイユの特集をやっていました。
10月1日、東京ディズニーリゾートに常設劇場がオープンしますよね☆

番組の内容は、ラスベガスの常設劇場、「O(オー)」や「KA(カー)」、「ミスティア(ミステールとも表記される)」、「ラブ」などの様子が映し出されていて、とても面白かったです。
やっぱり、「O(オー)」のプールの構造は不思議としか言いようが無かったです。
「KA(カー)」の舞台設備も、、大きくて、ただただ圧倒されました。どこからどこまでが舞台なのか、、舞台自体がどんどん動いて傾斜がつき、アクロバットを披露するパフォーマー達の動きが重力から解放されたようになっていく様子が、少しだけ伝わってきました。
(ちょうどコントで、家の天地が逆になったり回転できるようにセットを組み、家が90度回転し壁が地になった時、カメラも同じように90度回転させたとすると、TVを見ている人には、芸人さんが重力の抵抗を全く受けず、壁を下から上へ歩いていくように見えますよね。180度回転させた場合も同じく。。大掛かりな仕掛け&驚異的な身体能力を使って、そういう不思議なトリックアートを生で見せてくれる感じなんじゃないでしょうか♪)

この舞台は、「サンドクリフデッキ」といって、広さ70畳、重さ175トン。舞台自体が、ある時は宙に浮き、ある時はスクリーンになり、またある時は山になったりと自由自在にその姿を変えるのだそうです。(←理解不能ですよね~。笑。でも、とてつもなく凄いショーなんだろうな~♪)

また、シルク・ドゥ・ソレイユ発祥の地モントリオールの、フランス文化の雰囲気たっぷりの様子(住民の3分の2がフランス系で会話もフランス語なのだそうです。)や、シルク・ドゥ・ソレイユ本部で衣装やカツラを製作しているスタッフの皆さんの仕事ぶり、「O(オー)」や「KA(カー)」に出演している日本人アーティストへのインタビューなどもあり、充実した内容だったと思います。

「O(オー)」に出演しているのは、シンクロ元日本代表メンバーの女性達。
北尾さん(アテネ五輪・銀メダリスト)、河野さん(アトランタ五輪・銅メダリスト)、河辺さん(ワールドカップ・銀メダリスト)という豪華な顔ぶれ。

「KA(カー)」に主要キャストとして出演しているのは、バトントワラーの高橋典子さん。
高橋さんが、シルクのことを「想像していたものが創造出来る場所」というふうに表現していたのが印象的でした。。
「そうぞう」日本語で口に出すと、同じ響きの言葉なんですよね。なんだか面白いな~、と思ってしまいました♪

英語だと「イマジン」とか「ファンタジー」、もう一つは「クリエイト」ってハッキリ違う言葉になるんですよね。

まぁ、会話の中で「そうぞう」と出て来たら、普通「想像」を指す場合が多いですよね。
芸大とか、アーティストの場合だったら違うかもしれないけど。
なんというか、、会話の文脈から聞き分けるものですよね~。というか、やはり「創造」の方はめったに使わない言葉なんでしょうね。
「天地創造」みたいな感じで。。(^_^;)。

とにかく、番組を見て、益々シルク・ドゥ・ソレイユが好きになったというか、、素敵だな~♪という気持ちが強くなりましたね☆

香住・城崎、、日本海

2008-09-20 22:05:26 | walk along a seaside



連休で日本海沿岸のドライブに行ってきました。
9月から香住の紅ズワイガニは解禁になるんですね~、今回初めて知りました♪
旅館の方も、「9月の紅ズワイガニと、冬場の松葉ガニではやはり味も値段も違いますよ。」とおっしゃってました。
「でも、9月のカニも十分美味しいですね!」と言うと、
「ありがとうございます。僕等は紅しか食べません(笑)。」とのこと。

松葉ガニの味、、しばらく食べてないなぁ。どんなだっけ。もっと身がギッシリ詰まってるんだったかな。。でもホント、茹でがに、焼きがに、かに鍋、かに刺し、かに味噌、かにの天ぷら、、と、かにづくしの紅ズワイガニコースもすごく美味でしたよ。冬場より、かなり安いですし♪

 

 

↑カニの天ぷらがついてるのは、ポイント高いです☆
カニ味噌も好きですが、あつあつの天ぷらのまろやかさは、絶品でした。
これは、私の周りの「かにファン」達に教えてあげたい、また誘って来たい、、と思わせるものでした♪

   

この辺りの日本海沿いの道路は、すごく好きです。何度かドライブに来てるんですが。。
海の近くに住んでる人は、いつでも来れてうらやましいな、と思います。

 



沿岸に点在している「かに」のお宿(夏場は海水浴の宿)。
ちょっと歩ける砂浜も多くて、綺麗な風景にはうっとりしてしまいます。。

城崎の温泉街も大人気でした。ここの町並みは情緒があって素敵ですよね。
円山川のすぐ傍を走るのは、海に近づくほど怖かった。。水位、めっちゃ高かったです!

城崎マリンワールド。
初めて行ったのですが、イルカショーも日本海が見える場所で行われていて、ロケーションが最高だな~♪ と思いました。

   

あまりの可愛さに溜息がもれる、フンボルトペンギンのお散歩タイム、トドのダイビング(←大迫力!)、セイウチのランチタイム(←こちらも、迫力!)などなど、面白いイベントがいっぱいで、たっぷり時間をかけて楽しめる場所でした。

  

海の生き物って、ホント面白いです。イルカもペンギンも好奇心旺盛でカワイイ。
別料金で、ドルフィンタッチ、ドルフィンスイム、トレーナー(餌やり)もあったのですが、体験しておけば良かったかなぁ、、と今さら、ちょっと後悔してるかも、、デス(笑)。


ルーシーとマックス

2008-09-13 00:06:24 | 映画のこと
映画「アクロス・ザ・ユニバース」では、ルーシーとマックスは兄妹です。

ルーシー役のエヴァン・レイチェル・ウッドは、20歳の女優さん。とっても綺麗で可愛い人なので、すごく印象に残りました。久しぶりに、米国人女優っていいなぁ、と思いましたね。
この映画の中で見てると、何故かすっごく新垣結衣ちゃんと似ているように感じました。。

髪型がまず、ロングのストレートで一緒だし。目がパッチリしていて、純粋そうな所も似ているなぁ、、と。違うといえば、金髪か黒髪か、、っていうくらい?なーんて(笑)。

ちょっと意外な一面、、と言えば、私生活での恋人が19歳年上のマリリン・マンソンであること。
なんで?! (@_@;)



マックス役のジョー・アンダーソンは、一度見たら忘れられないような、強烈なインパクトのある俳優さん。キレたら怖そうな感じ。ジュリー・テイモアも「目立ちたがり屋で、何をしでかすかわからない危険人物(笑)。そこがマックスにはピッタリだった。」と、言ってますね♪

「いまの若いアメリカ人俳優のほとんどは、ワイルドじゃないと思うの。彼らはみんな、トビー・マグワイア症候群にかかってる。ぼそぼそしゃべって、ちょっとエネルギーが欠如している感じね(笑)」

「でも、ジョーはすごく60年代的なものをもっているの。あの時代の若者がもっていた、男の子っぽい感じをね。」

穏やかそうなキャラのトビー、、じゃなかったジュードとは、対照的な雰囲気でした。
彼は、好きなように生きるタイプなので、なんの未練もなく大学をやめ、ジュードを誘い、自由を求めてNYに向かうのですが、大学中退者にほどなく降りかかってきたのは「徴兵」の知らせでした。。



ジュード役のジム・スタージェスは、お約束☆の英国人。
今どきの若者って感じもするし、60年代の若い労働者の雰囲気もピッタリでした。

リバプールの造船所で働くジュードは、その職業ゆえに兵役を免除されている、という役どころです。
映画の中では、リバプールは、灰色の重工業の町として、マックスやルーシー、セディ、ジョジョ、プルーデンスと過ごしたNYは、カラフルで華やかな町として、ハッキリ色付けされて描かれてましたね。。

********

ジュリー・テイモア監督の方は現在、「スパイダーマン」のブロードウェイ・ミュージカル版(来年開幕予定)に向け、アイディアと情熱を注いでいるそうです。。
またまた、あっと驚く舞台になりそうで楽しみですね♪
ここではやっぱり、トビーみたいなキャラの人を描いてくれるんでしょうか。。(笑)

「ライオン・キング」がそうだったように、劇団四季で日本公演をすることになるんでしょうね。
「ライオン・キング」の時も、テイモアやディズニーオリジナルスタッフが来日し、日本公演キャストオーディションをしたそうです。

アクロス・ザ・ユニバース

2008-09-12 23:43:31 | 映画のこと


1997年、ミュージカル「ライオン・キング」の演出・デザインでブロードウェイに衝撃を与えた、ジュリー・テイモア監督作品。
33曲のビートルズナンバーをベースに、60年代アメリカの若者達の姿を描く。

観に行ってホントに良かったな~♪ と、思える作品だった。
この監督さんって、本当にスゴイ。
出演している俳優、女優も、歌がすごく上手くて、ルックスも良くって、ストーリーとかキャラクターにもピッタリで、ノリにノッてる感じだった。素晴らしい作品だった。

登場人物もナルホド!なネーミング。(^O^)/

ルーシー=エヴァン・レイチェル・ウッド
ジュード=ジム・スタージェス
マックス=ジョー・アンダーソン
プルーデンス=T.V.カーピオ

などなど。

俳優さんたちは、60年代の若者にも見えたし、2008年の普通の若者にも見えた。つまり、単なる懐古趣味な映画ではなかった。。
そして、何というか、、映画の中で、とても自由に、60年代の若者を生きている感じだった。

ビートルズナンバーを上手に歌える、というのがキャスティングの重要なポイントだったんだろう、とても自信に満ちて、しっかりと名曲を自分のものにして歌っていた。

<↓↓↓ 以下から、ネタバレ注意です。>

映画の最初の「Girl」は、なかなかドキッとして引き込まれたものの、その後の5、6曲は、よくあるミュージカル映画という感じで、正直「あ~、やっぱりこういう映画なんだ~。。」と、少しがっかりしてしまった。
「I Want To Hold Your Hand」のシーンは、たしかにオリジナリティがあったけど、やっぱり男性ヴォーカルで聞きたいナンバーだったし。

もう一回ドキッとさせられたのは、「I've Just Seen A Face」辺りから。
これが天才演出家が見せる映画の世界なんだなぁ~、、と思わせられっぱなしだった♪
「こんなのアリ?」という感じで、普通の映画だったら絶対に動かない場所が、動き出すんだよね(笑)。
なんだかワクワク感がありました。

マックスの徴兵検査での「I Want You (She's So Heavy)」なんて、思いもつかない発想の連続に圧倒されたし。
アートとしてユニークで面白いばかりでなく、非人間的な徴兵制度やら、アメリカ国家自体への痛烈な皮肉、とも感じられた。

感動したナンバーやシーンを挙げていったらきりが無いけれど、「Dear Prudence」なんかも聞き惚れてしまい、涙が出そうになった。
10代後半~20代前半の頃の友達って、こんなふうにお互い大きな影響を及ぼしあっていけるんじゃないかなって思ったりした。すごく純粋に、友達を励ましたり、「遊びに行こうよ」なんて言ったりして、ね。

「I Am The Walrus」「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」辺りは、マジカル・ミステリー・ツアーを意識したバスツアーやら、サイケデリックな世界、ドラッグトリップを連想させるシーンが続く。
えらい歌の上手いオジサンが出てくるなぁ、、と思ったらU2のボノだった。やっぱり、ずば抜けた歌唱力だった。。





私は、それほどビートルズに詳しいわけでなかったんだけれど、友人に凄いビートルズファンがいて、その子の家に遊びに行く度にビートルズの曲を聞いたり、色んなエピソードを教えてもらっていたので、映画を見ていると色々な知識がつながっていく感じで、なかなか楽しかった。
見る人によっては、この辺のトリップ感は悪酔いしそうな映像(幻覚?)みたいで、気持ち悪いらしい。

「Something」も良かった!「Revolution」もいい感じ!
映画タイトルでもある、「Across The Universe」も、凄く良かった♪

書いてたらきりないけど(笑)、、

一番良かったのは「Strawberry Fields Forever」だったかな。
イチゴをモチーフに、こんな風に歌の世界観と時代背景を描いてしまう創造力には、しばし息がつけないほどに感動してしまった。「Strawberry Fields~」1曲だけでも、映画館に来た値打ちがあったと思う。

ホントきりがないんだけど、「Hey Jude」も心に残った。恋愛のときめきや、反戦活動に熱くなる若者の姿も描きながら、人が人を思いやるシンプルな「友情」も、歌に乗って伝わってくる所が素敵だな、と思った。バーでの1杯のウィスキー。あいつ、どうしてんのカナ、、みたいな。

ラストに流れる「All You Need Is Love」は、結構ふつう(笑)。
(というか、期待度が高くなりすぎていたかもしれない。)

でも、ルーシーが屋上に上がって、ちゃんと青空をバックに立ってるラストシーンといい、、本当に嘘みたいに、映画のストーリーとビートルズナンバーがピタリと嵌っていて、最後まで驚きと感動に満ちた作品だったと思う♪

エンディングは、「Lucy In The Sky With Diamonds」♪