実は、
今回の「奈良行き」、
メインはここ。
奈良国立博物館
この日初めての休憩は一階の
野点お茶会場。
着物姿のお嬢さんがたが
お運びしてくれます。
正倉院展の為に創作された
お菓子・・・
『天平の鈴』
紫芋のやわらかーい甘さ。
おいしー。
+ + +
今回、もう1つの大きな感動。
運慶作 無著(菩薩)立像
興福寺北円堂パンフ写真から
屋外でさえ薄暗いような日に、古い建物の中でみる菩薩像は、
図録で見るより傷みが目立ち色もあせていました。
けれど、自然に還っていこうとする木の塊に目をこらすと
対の世親菩薩といっしょにしっかりした体躯の
僧侶が浮んできます。
とりわけ無著菩薩のまなざしや表情、手の動き、姿・・・
法衣の端に触れたくなるような、本物の存在感。
テキストで白黒写真に
出会って以来、
「いつか実物を見たい。」
と思っていました。
友人の手前、これは次回に廻すつもりでしたが 興福寺北円堂の前を何度も通りがかっては我慢限界。
― ああ。見られて良かった。
運慶といえば、東大寺の金剛力士像・・・
当然、一生懸命見てきましたが・・・
あの視界を妨げる金網と無惨な傷み方・・・。
当時の場所で本物を見られるということは
すごくいいとは思うのですが、レプリカでも置いて
そろそろ保存と見せ方を考えてもいいのではないでしょうか?
夜のライトアップだとその姿は昼間より
浮かび上がるそうですが・・・それも、どうなんでしょう?
【展示品 MY BEST3】
左:羊木臈纈屏風
(ひつじきろうけちのびょうぶ)
博物館HP画像から
異国風なデザインが現代的。
しかもデザイン的でありながら、
硬くならず木で遊ぶサルにある、
リアルな動感が魅力的。
聖武天皇の遺愛品。
下:紫檀金鈿柄香炉(部分)
(したんきんでんのえごうろ)
『奈良国立博物館だより』写真から
東大寺 仏具。
実物の細工は想像以上小さい。
側面の繊細な金象嵌、
振り返る獅子や
水晶を花芯にした花、
感嘆する見事さ。
上:墨絵弾弓(すみえのだんきゅう) 部分
『読売新聞』掲載写真から
私は、これが1番好き。
墨で描かれた人物がとにかく活き活きしていて
センスがよく、弓自体の色艶もなんとも味が
あって、黒い絵とよく合っている。おまけに
なにやら楽しげなのだ。絵のモチーフは
「散楽図(さんがくず)」という古代中国で
流行した奇術、軽業、滑稽なおどりなどを
取り入れた民間芸能だということだ。