穴
ルイス・サッカー
幸田敦子 訳
講談社
グリーン・レイクキャンプに行くのは、悪いことをした少年たちだ。日差しの照りつけるなか、毎日穴を掘らせれば、悪い子もいい子になると、考えている大人がいた。
スタンリー・イェルナッツは、スニーカーを盗んだ罪で(本当は盗んでいない)ここに来た。毎日ひとつ穴を掘る。大きさは直径1.5メートル、深さ1.5メートル。1日目は手に豆ができ、つぶれ血がにじんでいた。次の日は、体が痛くてもっと苦しいものだった。水筒の水を飲み、管理の男が給水車で水を水筒に入れにやってきた。何か変わったものを掘り当てたら、報告するようにと言われていた。スタンリーは、中指ほどの金色の筒を掘り当てた。しかし、この班のx線と呼ばれている少年に取られてしまった。その金属を見た社長が飛んできてもっと穴を徹底的に掘るように命令されたが、それ以上何も見つからなかった。スタンリーは、だんだんたくましくなり、友達もできるが、
少年の中に脱走者が出て・・
なぜ、穴を掘らせるようになったのか