別司芳子 著者
ながおかえつこ 画家
くもん出版
小学校のイベント、お花見給食の
招待状を届けた6年生の大地。
このイベントは地域のおじいさん、おばあさんを招待して、交流をするイベントで
毎月企画されていた。
地域のおばあさん佐山さんの家は、真っ暗でひっそりとしていたので、招待状の入った封筒を郵便受けに入れて帰ってきた。しかし、佐山さんからの返事はなく、教頭先生には、直接渡したか聞かれ、責められているようで嫌な気持ちになった大地だった。
当日お花見給食に佐山さんはこなかった。
次の交流会の手紙を届けに行った大地。
家は留守で、何回か出直して訪ねて行った。
すると佐山さんが帰ってきた。施設の名前が書いてある車から降りた佐山さんは、白い杖をついていた。目が見えない佐山さんは、手紙が読めなかったのだ。佐山さんは、交流会に来ても楽しめないんじゃないかと考え込んでしまう大地だった。しかし、学校でその話をすると、先生は、どんな人ともクラス全員で助け合って交流を深めたいという。ふたたび、佐山さんの家の前まで行った大地は郵便局の人が点字の手紙を手にしているのを見た。大地も点字で手紙を書こうと心に決めた。
大地は消極的に見える男の子だが、実は先日亡くなった自分のおばあちゃんのことを思い出しては、胸を痛めていた。そんな優しい気持ちが、大地にパワーをくれたのだった。