当時は「ライブハウスで何かを表現するために
名目上 バンドということにしておこう」という、
本末転倒な状態で作られたバンドが沢山ありました。
とにかく人を数人集めてバンドという形にはしているけど、
楽器のできないメンバーは はじめから楽器なんて
持ってないんですから。卓球台とかを持ってくる。
そういうヤツらは ライブでも 音楽なんてやらないの。
出てきて ライブハウスを破壊して帰って行くだけとか、
椅子をぶん投げ合ったり、花火をしたり、豆腐を投げたり、
ピンポンしたり……大変な状況でした。
でも、あれが僕らなりの「表現」だったんですよね。
メーワク この上ないですけれど。
――大槻ケンヂ『サブカルで食う』(白夜書房)