現在、飴村行の粘膜三部作(ではないか、現在シリーズ3作の上梓)を読んでいます。
物語的にこなれてくる第2、3作より、青臭くて若書き極まりない『粘膜人間』が最強かも。
ぼくは探偵小説好きということもあって、
新しく触れた作家を評価する際、割に探偵作家を当てはめてみるのですね。
例えば、京極夏彦は平成の小栗虫太郎、
舞城王太郎、いや町田康は夢野久作、乙一は(初期の)江戸川乱歩……みたく。
――あくまでマックス・ウェーバーの「理念型」的な意味合いで使用していますが。
そこで、飴村行なんですが、
本人は西村寿行や村上春樹ら先行する作家の名を挙げているとはいえ、
ぼくが思い浮かべたのは、当然の如く乱歩かと思いきや、
何故か(乱歩チック?で)特異な漫画家、サガノヘルマーだったりします。
(絶版が多いですが)その作品世界はかなり近似値を出しているかと確信するのですよ。
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あと作風などとは無関係に、東南アジアが舞台となると(ニッパ椰子などが描かれると)、
どうしても金子光晴を想起してしまうなあ。自伝三部作でも読み直そうかな。