
小ネタの宝庫『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』から、さらに引用――。
上岡龍太郎「山下達郎 いうて ニューミュージック界、
音楽界のすごいカリスマ的な人がいてるンです。
この人は 落語も好きなンですがね。ぼくがなに気なく
彼の音楽を聞いた時に、『あッ、これは浪曲や』と思ったンですわ。
(中略)
たまたま大瀧詠一というミュージシャンが ぼくの会なんかに
よく来てくれていましてですね、『山下達郎て浪曲ですよ』って話をしたら、
本人に電話をしたらしい。『上岡さんがお前の音楽は浪曲やというてたぞ』。
そうしたら 山下達郎が、『バレたか』と」
桂米朝「ええ!(笑)」
上岡「子どもの頃から浪曲が好きで好きで ズッと浪花節を聞いてたンですって」
☆
ぼくみたいな黒人音楽好きだと、山下達郎はモータウン調のベース・ラインなどが
まず耳に引っ掛かったりするのだけれど、芸人さんはやっぱり素養が違う!
浪曲という下敷きには気が付かなかった。その発想は無かったのでござる。